低スピンと安定した強弾道を約束 キャロウェイ「ローグST マックス LS」ドライバー
2022ニューモデルを関浩太郎が試打インプレッションVol.14
スイングコーチ兼クラブフィッターの関浩太郎が今回試打したのはキャロウェイ「ローグST マックス LS」ドライバー。マックス、マックスDと並ぶラインナップにあって、LSはプロや上級者に向けた位置付け。つかまりすぎないコントローラブルなショットを実現する。
「LS」とはロースピン(Low Spin)のこと
キャロウェイ独自のAI設計により、あらゆる分野で効率化と最適化が図られたローグSTシリーズ。一体成型のUNIBODY構造のヘッドにはトライアクシャル・カーボンクラウン&ソールを搭載。FLASHフェースSS22、JAILBREAK AI スピードフレームといった新機軸はこのモデルにも踏襲されているが、位置付けはプロ、上級者向けモデル。ニュートラルバイアスで低スピンの設定が、これまで以上の高初速・強弾道で大きな飛びを安定して描けるという。LSとはロースピン(Low Spin)のことだ。
「ヘッドスピードが速い人、マックスDだとボールがつかまりすぎる人に向けたモデル。まさに僕のようなゴルファー向きです。ヘッドスピードはそれほど速くありませんがフッカーなので楽しみです」
シリーズのマックスとマックスDはともにボールのつかまり重視のモデル。関のように持ち球がドロー系のプレーヤーが普通に打つとどうしてもつかまりすぎる傾向があるため、ボールを逃して打つようなスイングが必要だった。
ドロー系ゴルファーが強振してもつかまりすぎない
「まず顔つきですが、マックスとマックスDのヘッドは円盤型でしたが、LSはテール側に向かってシャープに削られている印象。左右の長さもやや短かめで、いかにも重心深度が浅くなっている見た目です。ウェイトも軽めなのか、ソールするとフェースがちょっと開いて左に飛びすぎない感じがします。いかにもアメリカのドライバーというヘッドの座りです」
ということで、構えやすさには特に問題なし。素振りのレベルでも振りやすさがわかるという。
「振りやすさはシャフトが大きい。テンセイの55Sが装着されていますが、これは左に飛ぶ人が使いやすいモデルで、しなり量が抑えめに設定されています。先端はしっかりめでも、中間域が広い範囲でしなるのでコントローラブルでつかまりすぎない。55gと軽量でも強度はしっかりあるのでヘッドスピード50台のプレーヤーまで対応できます。コスメもヘッドのツヤ消し黒と金のコーディネートに合わせてあってカッコいいオリジナルです」
ドロー系のゴルファーが強振してもボールがつかまりすぎないということか。
ヘッドスピードが速い人も振れて芯ブレがない
実際に打ってもらうと打ちやすさにプラスする結果が得られた。
「いつもならドローしていくところがそのまま真っすぐ飛びますね。ナチュラルドローも悪くはないけれど、真っすぐ飛んだほうが計算の立つボールになりますから、マイナス要素にはなりません」
フェードとドローを打ち分けても、フェードで257.8ヤード、ドローで265.4ヤードと遜色ないデータが刻まれた。
「フェードもドローも思った通りに打てます。フッカーはドローを打った時に曲がりすぎるのが怖くて、それならフェードにしようと考え、その分飛距離を抑えるケースがありますが、LSは曲がりすぎない。左ドッグレッグのホールや右からのフォローの風に乗せたりできそうです」
イメージが広がるだけでもかなりの収穫。つかまりすぎが怖いフッカーには福音になりそうだ。
「打感はシリーズ共通の柔らかさで、“カキーン!”という派手な音はせず、ボールが潰れるような音と打感です。芯の広さもシリーズ共通で、つかまりすぎないという位置付けがはっきりしています。
このタイプのドライバーでは、芯が広いのは意外と少ないのですが、LSならヘッドスピード43~44m/sでフックしやすい人、芯を大きく外れる人でも使えると思います。力を入れて振った時に、軸が下がって少し芯より上に当たったのですが打感には変化なし。距離、方向とも大きなブレはありませんでした。ヘッドスピードが速い人も振っていけて、芯ブレがないのが特徴です」
試打解説/関浩太郎
(せき こうたろう)1974年生まれ、茨城県出身。アメリカで最新のゴルフ理論を学びながら、ミニツアーを転戦。帰国後、クラフト技術を学んだ後、「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰。多くのアマチュアゴルファーのサポートを行い、さまざまなゴルフメディアでも活躍している。
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