ドライバーシャフトは値段が高いほうが飛ぶのか?
ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第42回
今回は値段が高いシャフトの性能について。メーカーカスタムに採用されないシャフト、デイトナスピーダーシリーズなど、一般のシャフトよりも高額なシャフトの良い点はどこにあるのか?また、選ぶ際の注意点は?今回もゴルフライターのT島氏が大蔵ゴルフスタジオの代表でフィッターでもある市川氏に切り込みます。
写真提供/大蔵ゴルフスタジオ
値段の差は、純粋に素材の違い
(T島)もうすぐフジクラさんからデイトナスピーダーXが出ますね。
(市川)ですね4月7日発売でしたっけ?
(T島)デイトナスピーダーシリーズって、メーカーカスタムに採用されないシャフトだよね?
(市川)そうですね。フジクラさんでも特別に契約しているジュエルライン取扱店でしかリシャフトできないのです。
(T島)完全にアフターマーケット用のシャフトってことですね。
(市川)はい。ジュエルライン人気ありますね。
(T島)お値段も高めと言う設定ですね。
(市川)T島さんとの話の流れだと、何だか悪い予感しかしません・・・
(T島)ふふ・・今回は高いシャフトは飛ぶのか?という話です。
(市川)キター、僕の回に危険な話題を振るのやめて下さいよ。
(T島)デイトナスピーダーXって、88,000円(税込み)ですよね。今、国内女子ツアーで大人気のスピーダーNXの倍です。倍飛びますか?
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(市川)倍飛んだら、みんな買いますよね。
(T島)3倍出して3倍飛ぶなら出してもいい。
(市川)残念ながら、そんなことはありません。
(T島)まあ、わかっているけど・・・聞いてみました。T島がゴルフを始めた頃ですね、シャフトって、トルクが少ないほうが偉い!的な競争がありました。
(市川)懐かしいですね。ミズノのエクサーゴールドとか・・マルマンのパワートランスシャフトとか・・あとブリヂストンのj‘sメタルに入っていた、HM70とか・・
(T島)懐かしい。でも今、トルクってあまりアピールされませんよね。当時は高弾性繊維を使って、トルクを抑えるシャフトが全盛でした。まだ“リシャフト”という行為が一般的でない頃です。
(市川)トルクが小さすぎても扱いにくいことがあるからです。トルクとはシャフトの捻じれを示す数値なんですが、トルクが少ないとねじれが少ないので硬く感じます。あと反応がダイレクトになるから、ピーキーな特性になりますね。
(T島)よく車のハンドルのあそびに例えられます。トルクが小さいシャフトというのは、少しハンドルを切っても、あそびが少なくダイレクトに反応する。トルクが大きいと、あそびが大きくて、反応がゆったりとしている。
(市川)そうですね。カーボンシャフトが生まれたばかりの頃は、今より全然トルクが大きくて、そのトルクが飛びにつながっていたけど、ヘッドスピードが速い人が使うと、捻じれすぎて、どこへ行くかわからない!と言われて、ツアープロが使うことはありませんでした。
(T島)そうだね。でもどんどんとカーボンシャフトも進化して、トルクもスチール並みになりました。でも今は、トルクも上手く使うことでタイミングが取りやすく、飛距離的にも有利なシャフトが作れるようになって、そんなに低トルクなシャフトも減りました。
(市川)はい。でもハードヒッター向けのシャフトは、トルクは少なめです。
(T島)だから、高価なシャフトだから低トルクというわけでもないですよね?
(市川)はい。値段は純粋に、素材の違いだと思います。カーボンシャフトは、カーボン繊維を何層にも巻いて作るのですが、高価な繊維を使って作ると高価なシャフトが生まれます。
(T島)昔は、軽量なシャフトが高い。みたいな軽量化競争もありましたが、今はそんなこともありません。低トルク化と軽量化というのは、技術革新で難しくなくなった。以前の高級、高性能という目安はすでに形骸化しております。
(市川)カーボン繊維は、繊維と繊維纏をまとめるために樹脂を使います。高価な繊維は素材の良さを活かすため樹脂を極限まで少なくするので、作るのにお金がかかると言う面もあります。デイトナスピーダーシリーズは、「今、地球上にある材料で、最高に飛ぶシャフトを作る!」と言うコンセプトで作られていますから、繊維も吟味されているという。
(T島)高級な繊維を沢山使う。先端から手元まで使いまくるとシャフトは高くなるわけです。
(市川)そうなんです。ちなみにこれはT島さんに言って欲しかったのですが、高級な繊維、というのは高弾性な場合が殆どで、高弾性なシャフトが飛ぶと思われていますが、高弾性だから飛ぶわけじゃありません。
(T島)あっ、チョット待ってくれたら俺が言ったのに。
(市川)大丈夫です。お客様にもそう説明しています。
(T島)じゃ、どうして高いシャフトがあるの?ってことです。
(市川)まず高弾性なフィーリングが好きという方がいらっしゃいます。ボールを弾いてくれる感じが気持ちいいです。振ってみると「お!飛びそう」なフィーリングです。そして結果も良いことが多いんですよ。
(T島)はい。わかります。今回のデイトナスピーダーXだけど、ベンタスTRと同時に試打したわけですが、ベンタスTR打った後に、デイトナスピーダーX打ったら、明らかに飛んでました。“当たり薄っ!”って思っても飛んでいるわけで・・
(市川)どちらも手元のしなり感があるからT島さんハマりそうですよね。
(T島)ソコ大切なのよ。どんなに高価なシャフトでも、打つ人と相性が悪かったら“高いのに飛ばね-”ってなる。
(市川)そうなんです。高いシャフトというのは、原材料に妥協していません。作り方もコストを掛けています。T島さんデイトナスピーダーは、苦手だったでしょ?
(T島)「今、地球上にある材料で、最高に飛ぶシャフトを作る!」って触れ込みだったけど、僕には安定しなかった。
(市川)手元がしっかりしていますから!で今回はハマった!わけですね!
(T島)同じ値段ですが、性格が違うから、だからフィッティングって大切なのよね。もちろん、高価じゃないシャフトがハマる人もいると思います。吊るしのクラブの純正シャフトがハマる人もいます。
(市川)高価だから誰でも飛ぶ!わけじゃないですが、相性が合うとかなり期待できます。我々はベストなものを提案しますから、高価じゃない場合もあるし、高価なシャフトをオススメすることもあります。もちろん皆さん予算的なことがありますから、予算オーバーならプランBも提案しますよ。
(T島)高価だから飛ぶわけじゃないですが・・T島みたいに高価なシャフトがハマる場合があります。まあ、まずは色々打ってみて、そしてフィッターさんに色々聞いて下さい。
下の動画はT島氏が特派員ブログを勤めている東京都世田谷にあります大蔵ゴルフスタジオの説明。大蔵ゴルフスタジオ世田谷のクラブフィッティングの流れを説明しています。
取材協力/大蔵ゴルフスタジオ世田谷
住所:〒156-0053 東京都世田谷区桜3-24-1 オークラランドゴルフ練習場内
営業時間:11:00〜19:00
定休日:毎週月曜日
TEL:03-6413-9272
https://www.ogs-p.jp/
▼T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な(笑)、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。
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