つかまえにいってもボールが上がる「パワーゲーム仕様」テーラーメイド「ステルスプラス」フェアウェイウッド
2022ニューモデルを関浩太郎が試打インプレッションVol.22
スイングコーチ兼クラブフィッターの関浩太郎が今回試打したのはテーラーメイド「ステルスプラス フェアウェイウッド」。“強弾道で飛ばす、ステルス プラス フェアウェイウッド登場!”との触れ込みで、馴染んだクラブをも凌駕する信頼のおける相棒となることをアピールする。“ここぞ”という場面でキラリと光るクラブなのか、診断を仰いでみよう。
重いバッテリーを下部に置いた安定して走る電気自動車!?
「番手は3番。ロフト15度。ステルスのテクノロジーは全部入っています。ドライバーと違うのは、ソールのシルバーに光っているところに重い金属が使われていること。ここだけで80gあります。
また、地面からクラウン部までが低いのも特徴。超シャコタンのスーパーカーみたいで重心位置の低さがうかがえますね。ソールに重いものがついていることを考えるとスーパーカーより重心が低い電気自動車、といったところでしょうか。重いバッテリーを下部に置いているから安定して走る。そんなイメージのクラブです」
関が口にしたシルバーに光っているところとは、ソールに装着されているV字型の3Dソールウェイトのこと。ひと目見ただけで重量を左右・後方へと配分したことがわかる。これが軽量高強度のカーボンクラウンと相まって低・深重心化が促進。最適な打ち出し特性を維持しつつ、ミスにヒット時の寛容性が高まったという。また、インパクト時の摩擦も低減され、フェアウェイはもちろんラフからでも思い通りに振り抜けるということだ。
ウェイト調整で自在に飛ばせる!テーラーメイド「ステルスプラス」ドライバー
スイングコーチ兼クラブフィッターの関浩太郎が今回試打したのはテーラーメイド「ステルスプラス」ドライバー。「ステルス」...
薄めでもヒールに当たっても220ヤード以上飛んだ
「構えてみるとフェースの上にあるラインが際立って見えます。レーザーアライメントというそうですが、アドレスした時に方向を合わせやすい。あからさまなラインでなく、何気なく浮き立つようなところに好感がもてますね」
ちなみに、ヘッドサイズはすべてのゴルファーが自信をもって振れるよう175cc(3番)に大型化。薄いながらもSIM2フェアウェイウッドに比べて12%フェース面積が拡大されている。
「では打ってみます。ステルスはドライバーもアイアンもいいので期待しちゃいますね」
……と打った初球は飛距離225ヤード。
「飛んでますね! ちょっと薄めに当たったけれど、通常のロフト15度と同じくらいの高さで飛んでくれました。ということは芯を食ったらどれくらい上がるのか……」
さらに期待を膨らませたが、残念ながら二発目もヒールヒット。それでも220ヤード飛んだ。
「ヒールに当たっても打球が上がりますね。飛距離もさほど落ちていない。これぞステルスといったところです」
しっかり振って初めてポテンシャルが発揮される
三度目の正直で三発目は真芯を食った一撃に。
「薄めやヒールでも飛んでビックリしましたが、やはりその程度で驚いてはいけませんね。真芯だと飛距離は230ヤード超え。何より球が上がります。打ち出しは16度。柔らかいシャフトがついた5番ウッドみたいに上がる。これならグリーンにも止まりやすいと思います」
飛距離と寛容性を司る要素はいくつかあるようだが、特筆すべきは強靭かつ高い反発性能を誇るフェース素材のZATEC(ゼイテック)チタン。独自のツイストフェースと貫通型スピードポケットとの融合が、ミスヒット時の無駄なスピンを抑えてボール初速の維持に貢献するという。
「ただ、このモデルはステルスフェアウェイウッドシリーズの中でも“プラス”の位置付け。シャフトスペックにもよりますが、基本的にはしっかり振って初めてポテンシャルが発揮されるヘッドだと思います。スライスが大きい人はつかまりきらないかもしれませんね。
まとめると、ボールが楽に上がってつかまりすぎない。打てる人が使えばさらに打球が上がる。しかもつかまりすぎないからグリーンに止めやすい。PGAツアーはパワーゲーム、240~250キャリーで届かせて止めるシーンがありますが、そういったプロの求めに応えられるクラブですね。これだけつかまりすぎずに高く上がるフェアウェイウッドは初めて。しっかりつかまえにいってもボールが上がります」
試打解説/関浩太郎
(せき こうたろう)1974年生まれ、茨城県出身。アメリカで最新のゴルフ理論を学びながら、ミニツアーを転戦。帰国後、クラフト技術を学んだ後、「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰。多くのアマチュアゴルファーのサポートを行い、さまざまなゴルフメディアでも活躍している。
関浩太郎 GOLFTV
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