1. TOP メニュー
  2. テクニックに効く
  3. スイング作り
  4. ベン・ホーガン フォローで高低を打ち分けるメリット

ベン・ホーガン フォローで高低を打ち分けるメリット

アイアンが際立つ!強い”決め球”の作り方[第8回]

2022/05/07 ゴルフサプリ編集部

弾道の高低はボール位置で変えるのが一般的。だがロングショットでは難しい、と森プロは言う「すくい打ちや打ち込みすぎのミスが出やすい。ボール位置よりもフォローを変えるんです」

GOLF TODAY本誌 No.598 57〜61ページより

ロングショットの高低はフォローの調整だけでいい

1番手ぶんの高低の違いは微調整レベルで

ただ高低を打ち分けるためだけにボール位置を変えるのは、実はリスクが大きい、と森プロ。「ショートアイアンやウェッジなどのコントロールショットの距離なら問題ないのですが、ウッドやミドルアイアン以上のフルショットでは、打点やフェース向きが狂いやすくなります。ボール位置を動かすとしても、半個幅くらいでないと、打ち方を大きく変えることになります」

プレッシャー下では、プロでもミスが出やすくなるという。

「ロングショットでは、1番手ぶんくらい打ち出しと弾道の頂点を変えられれば、風の影響を抑えられたり、硬いグリーンに止めたりといったアレンジができます。ロフトにして4~6度程度の違いなので、変えるべきはヘッドの抜けるベクトルだけで十分。タイガー・ウッズが実践しているように、振り抜く高さを変えるだけなら、大きなミスは起こりません」

低い球を打とうとボール位置を右に移動すると、上体が左に突っ込んで極端に打ち込みがちになる。少しでも手前に入ればザックリ、上手くヒットしてもバックスピンがかかりすぎて吹き上がってしまう。
高い球を打とうとボール位置を左に移動すると、つい手前からすくい上げようとしてしまい、大ダフリやトップのミスが出る。上手く当たっても十分に力が伝わり切らず、大ショートになりやすい。

振り抜きの高さで高低を操るタイガー

上体を使い弾道高さを持ち上げる

「タイガーが左足下がりでも高く打ち上げられるのは、バランスを崩さずに高く振り抜くことができるから。クラブだけでなく、腕と肩で高く抜いています」

ミスが出にくい「フォロー変更大=インパクト変化小」

タイガーは振り抜きの高さを大胆に変えて高低を打ち分ける。「ダウンの入射角を変えないイメージで打点を安定させつつ、フォローを10変えるとインパクトが1変わるイメージ。それでも弾道は1番手ぶんくらい変わるんです」

<振り抜く高さの変え方>左肩の抜き方で腕の動きを決める

左肩甲骨の高さを変えるイメージ

右肩の高さは変えず、左肩甲骨を引き上げるイメージで高い球、低く背中側に抜くイメージで低い球を打ってみる。「手先に頼らずに、腕とヘッドの抜ける方向をコントロールできます」

高い球|上体を起き上げる

「腕やクラブだけ高く振り抜こうとすると、プッシュやフックのミスになりがち。インパクト直後から、左肩と一緒に上体を一気に起こしていくと、腕が上体から離れずに高く振り抜け、安定します」

低い球|手元を引きつける

「低くヘッドを出そうとして腕が上体から離れると、シャンクやスライスのミスが出ます。手元を腰に引きつけ、インに低く振り抜くほうが、力が正しく伝わって飛距離も十分に出ます」

腰と腕の連係をインパクトまでキープする

入射角はまったく変えないつもりでОK

「トップからダウンまではまったく変えないつもりで正解。もしフォローだけで弾道が変わらなかった場合でも、ミスは通常のショットになるだけ。スコアを崩さないアレンジ方法です」

両ヒジと両腰の位置をアドレスでチェック

「ホーガンが提唱した、アドレスで両ヒジを左右の腰骨に向けておくイメージは、手の位置のズレを防ぐのに有効です。アドレスは通常と変えず、フォローを変えるだけでどれだけ弾道高さを変えられるか、普段の練習でつかんでください」

アレンジはミスを最小限に抑える考え方で

タイガーとホーガンのスイングには共通点が多い、と森プロ。

「トップで出力の態勢を整えたら、けれんみなく振り抜いて弾道を安定させる。ボディと腕の連係でダウンの加速を生み、スナップ動作や振り抜き方を変えることで弾道をアレンジしています」

振り抜き方で弾道を操作するメリットは、ミスが大ケガにならないことだという。

「球の高さを変えたい場面は、強風下や斜面など、通常のショットでは1打損しそうなシチュエーションでしょう。そこで高さアレンジにトライするわけですが、その時にミスヒットしたら逆球が出て大叩きになるような技術では、リスクが高くて使えません。
フォローを変えるだけの打ち分け方なら、アドレスでアレンジ部分がないので打点も狂いません。自信の持てる〝決め球〟にするには、ミスは通常ショットに近づくだけ、という方向性が大切です」

Ben Hogan
ベン・ホーガン(1912~1997)

アメリカ・テキサス州出身。身長173㎝、体重68㎏。ツアー通算64勝。メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

ホーガン アナリスト
森 守洋(1912~1997)

ベン・ホーガンを手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。

イラスト/久我修一 取材協力/東京ゴルフスタジオ


【アイアンが際立つ!強いスイングの作り方】
←ベン・ホーガン スピン量を変えるヒンジング動作
ベン・ホーガン “ヒールを下げる” 逆転のフェースターン→

第7回(前回)を読む 第9回(次回)を読む

シリーズ一覧へ

直近急上昇記事

関連記事