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ジョーダン・スピースも愛用するPGAツアー御用達モデル「タイトリスト T100/T100Sアイアン」

2022ニューモデルを関浩太郎の試打インプレッションVol.19

2022/05/13 ゴルフサプリ編集部

ジョーダン・スピースも愛用するPGAツアー御用達モデル「タイトリスト T100/T100Sアイアン」

スイングコーチ兼クラブフィッターの関浩太郎が今回試打したのはタイトリスト「T100アイアン」と「T100Sアイアン」。ともにUSPGAツアープレーヤーの意向を色濃く反映したツアーユースモデル。前者は打ち出し角度とバックスピン量を高次元で適正化、後者はストロングロフト設計ながら精密な高弾道キャリーを実現したという。

T100アイアン/打たなくてもずっと見ていられるこれ以上ない美形ヘッド

USPGAツアーでジョーダン・スピース、キャメロン・スミス、ウィル・ザラトリスらが愛用、“モダンツアーアイアン”と称されるのが「T100」。ツアープレーヤーのフィードバックに基づいたシャープなトップライン、必要最小限のオフセット、短めのブレード、光の反射を和らげるブラッシュドクローム仕上げなど、きめ細かい工夫を盛り込んだ。

「USPGAのプレーヤーがどういうアイアンを使っているのか、とても興味深いですね。まずはT100ですが、顔は苦しゅうない! もう、これぞタイトリストという顔つき。打たなくてもず~っと見ていられる。これだけでも、お腹いっぱいになりますね」

と一目惚れの関。でも、これだけではわからない。解説をしてらわないと……。

「すみません、ついつい見とれて。まずトップブレードが薄くてシャープ。斜めに削ることで実際の厚さよりもさらに薄さを演出しています。構えたら2ミリくらいにしか見えませんね。微妙に入ったグースからスッと反り返るようにフェースを逃した感じ。また、僕がタイトリストで大好きなトゥの曲線にも磨きがかかっています。シャフトはNSの105T。これは専用設計のようです」

薄いブレードと微妙なグース。今どきにしては重めのシャフトと、確かにツアープレーヤー御用達といった雰囲気だ。

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T100アイアン/ミスヒットしても大きく曲がらず飛距離もさほど落ちない

「では打ってみます!」と意気込んで放った7番アイアンは、ちょい先っぽでヒットしたものの悪くない結果に。

「飛距離は166.3ヤード。いいですね。真芯ではなくボール半個分くらい先でヒットしましたが、距離は極端に落ちず左右のブレも9ヤード程度でグリーンには乗っています。顔つきからは、ちょっとしたハンドル操作ミスでもスパ~ンと曲がりそうな印象ですが、思ったほどとっつきにくくない。コントロール性にはそれほど気を使わなくても良さそうです」

オフセンターヒットついでに、ややトップめで打ってみたところ、「162.2ヤードで、方向は4.8ヤードのブレ。ほぼワンピンくらいですね。このミスで結果オーライなら楽」という結果に。

売りの一つは精密弾道。高比重のタングステンウェイトを航空宇宙分野で採用される特殊な技術で精密配置。トゥ、ヒールに組み込むことでソリッドな打感を維持しつつ許容性を向上させているということ。その効果が発揮されているのかもしれない。

では、ガッツリ芯でとらえたらどうか?

「芯を食うと打感が柔らかくて、とにかく気持ちがいい。練習のためでなく気持ちよさに引きずられて、ずっと打ち続けちゃうかも。打っているだけで日頃のストレスから解放される感じですね。飛距離は169.5ヤード。最近はツアーモデルでもこれくらい飛ぶのが常識だと実感できます」

T100のフェースは一体設計。とりわけ3~7番では弾道コントロールとグリーンでのストップ性能を高めるために、適正なバックスピンが得られるデザインを施した。さらにソールのエリアごとにバウンスを設定。ターフコンディションに左右されない抜け感を実現している。これが関が味わった気持ちよさの所以か。

T100Sアイアン/ロフトが2度立っても低重心で打ち出し角の高さを演出

では続いてT100S。基本T100と同様のツアープロファイルを採用しているが、ロフト角を2度ストロングにし、革新的なマッスル・チャンネルを導入することでボールスピードと打ち出し角を向上させた。その結果、T100の打感はそのままに、より高い飛距離性能を身につけたという。

「ロフトが2度立ったということで半番手分ほど飛距離が変わってくる感じ。ただ、通常であればその分打球が低くなるはずなんですが、そうならないのがこのモデルの売りですね。ヘッドにスリットを入れて低重心にすることで、打ち出し角が変わらない構造になっているようです。また、フェース面も薄くなっているので打感も悪くなさそうです」

T100Sアイアン/出しゃばりすぎない程度に打球の方向性と飛距離を制御

ということで打ってみると、

「T100とは違って、やや“パキン!”という打感になるかと思いましたがそうでもない。スリットのところに衝撃吸収剤を入れているのでマイルドなんでしょうね。ボールの弾け感は強いんですが、こちらの方が球持ちは長い感じ。個人的にはこちらの打感の方が実戦向きかと思います。

T100が“私は余計なことはしないのであなたの好きなように打ってください”というのに対し、T100Sは“あなたの気づかないところで少しサポートします”という趣。アベレージアイアンのような、あからさまなお助け感はありませんが、方向性、飛距離的にも出しゃばりすぎない程度に制御してくれています」

高比重タングステンウェイトを採用して精密配置したのはT100同様。マッスル・チャンネルで削減された重量をトゥ、ヒール側に配置することで低重心化と高慣性モーメント化を実現して、見た目の印象より高い弾道と安定したボール初速を生み出している。

「弾きが強いので明らかに初速が速いですね。7番の飛距離は175ヤード。ほぼ半番手伸びています。低重心になってボールのつかまり方も若干変わっていて、T100はストレートからややフェードだったのが、T100Sはドローからスレート。

もちろんオフセンターヒットした時の寛容性も高いです。前作AP2の後継という位置付けになると思いますが、ずいぶんやさしくなった。顔はいいけど性能は上がっている。より広い層に使えるプロモデルになったこと、USPGAのプロが案外飛んでやさしいクラブを使っていることがわかりました」

試打解説/関浩太郎
(せき こうたろう)1974年生まれ、茨城県出身。アメリカで最新のゴルフ理論を学びながら、ミニツアーを転戦。帰国後、クラフト技術を学んだ後、「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰。多くのアマチュアゴルファーのサポートを行い、さまざまなゴルフメディアでも活躍している。


2022ニューモデルを関浩太郎が試打インプレッション


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