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孫といっしょに「スキップ、スキップ、ランラン」が飛距離アップに効果大!?

100切りなんて簡単だ!エージシューターの極意 第14回

2022/07/08 ゴルフサプリ編集部 高橋健二

孫,ゴルフ

100切りを目指すビギナーから、つねに80台前半で回りたいと思うアベレージまで、ゴルフが上手くなりたい人は必見!
エイジシューターがやっている練習法や体調管理、スコアメイク術からホール攻略法まで詳しく紹介します。

子供は自然にスキップができるようになる

先日、孫を迎えにいきました。保育園の玄関で私を見つけた孫は、スキップをして近づいてきました。1週間前まではスキップができなかったのに、孫はいつの間にスキップができるようになっていたのです。孫の成長を嬉しく思うと同時に、別のことを考えました。

赤ちゃんは、最初にハイハイをします。やがて立ち上がると「歩き」はじめ、歩けるようになると「走り」はじめ、走れるようになると、次は「スキップ」をします。「立つ」➡「歩く」➡「走る」➡「スキップ」と、だんだん「難しい動き」=「不安定な動き」に挑戦してこなせるようになっていくのです。この不安定な動きは、誰に指示や命令をされたわけでもなく、子供自身が自ら進んで挑戦しているのです。

余談ですが、二足歩行ロボットは「歩く」までは容易にできますが、「走る」になると極端に難しくなり、現時点で「走り」や「階段の上り下り」ができるのはホンダの「アシモ」だけと聞いています。

なぜアシモ以外の二足歩行ロボットは走れないのでしょうか?
「走る」行程では、両足が宙に浮く瞬間があり、次に安定して着地するには、コンピューターをフル稼働して行う膨大な数式の計算が必要なのだそうです。それも瞬時にしないといけない。
言い換えると、大型コンピューターをフル稼働させないといけない「体重移動」➡「宙に浮く」➡「着地」という極めて不安定な一連の動きを、3歳児はいとも簡単にやってのけるのです。すべては人間のバランスを司る三半規管のおかげだと言われています。

そういえば、走り、スキップをするようになった3歳児は、やたら狭いブロック塀の上などを歩きたがりますよね。
あの行為も、不安定な場所をわざわざ選んで歩くことで三半規管のバランス感覚を磨こうとしているものと推察されます。

そうやって人間は、三半規管のバランス感覚を磨きながら大人になります。

歳をとると体の動きが悪くなる理由

シニア,ゴルフ

一方で、人生も後半に差し掛かると、とたんに体の動きは悪くなります。

小さな段差でも躓いてコケるようになり、階段の上り下りも手すりを掴まないと不安になります。ゴルフで言えば、60歳を過ぎた頃からスイングアークが極端に小さくなり、飛ばないようになるのです。なぜでしょうか?

三半規管が衰え、バランス感覚が低下するからです。

では、三半規管が衰えると、なぜ体の動きは鈍くなるのでしょうか。

大人になるまでの過程で、人間はたくさん失敗をして体のあちこちを傷つけています。
道端の小川を飛び越えようとして跳躍力が足りずに川に落ちて膝を傷めたり、駆けっこをして転倒して足首を捻挫したり、ゴルフスイングで目いっぱい振りすぎて腰痛になったり…と数え上げればきりがありません。
そうした「負」の経験が積み重なって「これ以上、負荷をかけると体が壊れるよ」という防衛本能が働くようになるからです。

つまり、人間のなかにある防衛本能が、体の動きにブレーキをかけるのです。

スイングで言えば、最初100振っていたものが、防衛本能が働いて「100振ったら体を壊すよ」と勝手にブレーキをかけて80しか振れないようになる。すると80の振り幅が体に馴染んで、いつの間にか80が100の振り幅になり、次の段階では80の80%、64の振り幅になる。防衛本能が強く働くようになると、数年で最初の半分近くしか振れなくなるのです。

子供と一緒に動いてブレーキを外そう!

家族

歳をとると球が飛ばなくなるのはなぜか?

むろん体が硬くなり、関節や筋肉の動きが悪くなることは百も承知ですが、それ以上に私は防衛本能の働き過ぎによるブレーキの効きすぎが悪さをしているように思えてなりません。そういえば、60歳をすぎたシニア世代でスキップをしている人はなかなか見かけませんよね。それがブレーキの正体なのです。

では、ブレーキを外すにはどうしたらよいか?

私は孫の動きを日常生活に取り入れるようにしました
そうです。散歩するときは、できるだけ途中にインターバル速歩を取り入れて、小走りに走る。室内を歩くときは段差などの躓くものがないことを確認したうえでスキップをする。テレビを見ていて飽きたら、立ち上がって「エアー縄跳び」をする。単に静止した状態で手や足を伸ばしたり縮めたりするストレッチだけでなく、体の動きを伴った「動的ストレッチ」を心がけるようにしたのです。

始めてからまだ3週間なので、効果のほどはわかりませんが、ゴルフ場ではラウンドの際に足が軽くなり、無意識のうちに歩く距離が増えています。またスイングアークは確実に大きくなり、トップとフィニッシュの位置が高くなりました。結果、弾道が高くなり、上げて止めるアイアンが打てるようになりました。同時に、フィニッシュで足がふらついたり、体がよじれたりしなくなりました。

クルマは、安全運転を心がけてつねに時速50キロ以下で走っていると、高速道路に入っても100キロのスピードが出なくなるそうです。人間の体も同じ。たまには孫とスキップの競演をしてみるのも飛距離アップにつながるような気がするのですが。

高橋健二

高橋健二

ノンフィクションライター。1948年生まれ。企業ものノンフィクション「スーパーファミコン任天堂の陰謀」などを多数執筆。趣味はゴルフ。エイジシュート達成者(エージシューター)を100人以上取材し、自身も68歳のとき1度達成している。
なお、エージシューターとは1ラウンド(18ホール)のゴルフで 自分の年齢以下のスコアを出したゴルファーのこと。生涯で達成できるゴルファーは非常に少なく、ゴルファーにとっての究極の目標でもある。


100切りなんて簡単だ!エージシューターの極意

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