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少ないほどスコアが良くなる不思議。ゴルフクラブ5本でラウンドをしてみよう!

100切りなんて簡単だ!エージシューターの極意 第13回

2022/06/26 ゴルフサプリ編集部 高橋健二

ゴルフ場

100切りを目指すビギナーから、つねに80台前半で回りたいと思うアベレージまで、ゴルフが上手くなりたい人は必見!! エイジシューターがやっている練習法や体調管理、スコアメイク術からホール攻略法まで詳しく紹介します。

5本に制限してラウンドすることの勧め

一般にゴルフクラブのセットは14本で構成されています。でもサラリーマンの間にゴルフが普及するようになった昭和50年代は、ゴルフを始めた多くの人が「ハーフセット」で始めているのです。当時、ゴルフは「お金持ちの遊び」と言われ、ぜいたく品に課せられる物品税がかかっていました。当然、ゴルフクラブは高価で、サラリーマンはフルセットに手が出なかったのです。ハーフセットの中身は、ドライバーと4番ウッド。アイアンは5、7、9番とSW、それにパターの7本。それでも不自由とは感じず、十分に楽しめました。

そのハーフセットより2本少ない5本のクラブでラウンドしましょう、という提案です。14本のセットがあるのに、なぜ5本に制限してラウンドするの? そう思うでしょう。

当然、理由があります。100を切れない人、90を切れない人を含め、エイジシューターの目標である80台前半で回るためにもっとも大事なマネジメントを会得できる。すなわち、スコアメイクのコツを覚えて、早く上手くなるのです。

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ゴルフクラブ

まず5本の中身を考えましょう。

1本目は、ドライバーの代わりに3Wか5Wを選びます。距離の長いパー4やパー5ではフェアウェイウッドを使う必要があるため、ティアップしたときしか使えないドライバーを外します。あとパターは必須なので、2本目はパター。すると残りはアイアンの5~7番で1本、8~9番で1本、ウエッジ類で1本選ぶ。これで合計5本です。

選ぶときの基本は、

①自分が得意なクラブを中心に
②いつもよく残る距離を考えましょう。


例えば、グリーン周りでよく使う得意クラブがAWなら、PWとSWは外す。その代り、100~120ヤードをカバーする9番アイアンを入れ、その下は5~7番アイアンの中から比較的上手く打てるアイアンを選ぶ。

仮に、私が選んだクラブが5W、6I、9I、AW、パターの5本だったとします。

ふつうにフルショットしたときのそれぞれのクラブの距離は、私の場合、5Wは180ヤード、6Iは150ヤード、9アイアンは120ヤード、AWが80ヤードです。すごく不自由ですよね。グリーンまで130ヤードや140ヤードが残ったときはどうするの? そう思うでしょう。その不自由さが、あなたのゴルフの上達を速めるのです。なぜならマネジメントを考えない限りスコアメイクできないからです。

5本ラウンドだと生じる半端な距離をどのように打つか?

ゴルフ,ラウンド

前記5本でスタートしました。スタートホールは374ヤードのパー4です。ティショットを5Wで打ち、まずまずの当たりで170ヤード飛びました。残りは204ヤードですので、もう1度、5Wを使います。すると残りは30ヤード前後。得意のAWでグリーンに乗せて2パットのボギー。これがふつうのマネジメントですね。

ところが、2打目の残りが130ヤードだったらどうするか? 6Iではオーバーするし、9Iではショートする。しかもグリーン手前には深いガードバンカーがあり、9Iでナイスショットしたときに、ちょうど入れ頃の距離にある。さあ、どうしますか? 

選択肢は多くありません。6Iでショート目に打つか、9Iでバンカーを避けて打つか?

ふだんフルセットでラウンドしていれば、何も考えずに8Iを選んでいた距離が、にわかに「考え」なければならない距離になったのです。

6Iでショート目に打つなら、どの程度の振り幅で打つか、グリーンは止まるのか、オーバーしたら奥は大丈夫か、奥からのアプローチの難易度はどの程度か、下りのパットは速そうか、乗らなかった場合、グリーンの右と左ではどちらが寄せやすいか??? 

あるいは9Iでバンカーを避けて打つ場合、ショートさせるならどの程度の振り幅で打つか、バンカーの横に逃げるなら、グリーンの右と左ではどちらが寄せやすそうか、9Iのロフトを立てて直接グリーンに乗せることはできないか、9Iは100%バンカーを避けて打てるか??? 5本のクラブの中にSWが入っていないから、バンカーに入れたらアウト・・という状況がわかっている。たったそれだけのことで、こんなにも「考え」を巡らせなければならないのです。

言うまでもありませんが、プロやトップアマはもちろん、エージシューターの多くは、フルセットでラウンドするときも、これらのことをショットの前に考えています。これらを考え、意図した球を打てるからパーやバーディが望めるのです。

そんなに考えても意図通りに打てないんだから意味ないよ。あなたはそう言うかもしれませんが、打てる、打てないは問題ではなく、どんな意図を持って打つかを「考え」る。そういう習慣を身に付けることが将来のジャンプアップにつながるのです。

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ただし、上手い人はスロープレーを嫌います。その中でも一番嫌うのが「歩く遅さ」と「クラブ選びに時間をかける」ことです。

たとえばアイアンの距離が7Iで150ヤード、8Iで140ヤードの人が、残り145ヤードを打つとき何番を選ぶかというケースで、なかなか番手を決められない。そういうビギナーは嫌われます。あなたが5ヤード刻みで距離を打ち分けられるのならともかく、まだちゃんと打てる腕でもないのに、クラブ選択に時間をかける。これを上級者は一番敬遠するのです。麻雀で毎回「待った」をする人と一緒ですね。リズムが壊れるのです。

でも5本マッチなら、その心配がありません。6Iの下は9Iしかないので、5ヤードの距離の打ち分けを気にする必要がないのです。オーバー目に打つか、ショート目に打つか、選択肢は2つなので、即断即決できます。結果、プレイファストにつながるのです。

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私の経験では、100や90を切れない人は、ほぼ100%スコアアップします。また、ふだん80台前半を回っている人でも、スコアはほとんど変わらないか、ややよくなります。80台前半で回る人は「バンカーが苦手」という人は少ないでしょうが、それでもバンカーは、入れるより、入れないほうがスコアメイクになる。そのことを実感するはずです。

最近は「1人予約」などが普及し、必ずしも友達4人でラウンドしなくても済むようになりました。いわば友達の目を気にせずにラウンドできるのです。ぜひ、プレー料金の格安な早朝スルーなどを利用して「5本マッチ(5本でのラウンド)」にトライするようお勧めします。

高橋健二/ノンフィクションライター

高橋健二/ノンフィクションライター。1948年生まれ。企業ものノンフィクション「スーパーファミコン任天堂の陰謀」などを多数執筆。趣味はゴルフ。エイジシュート達成者(エージシューター)を100人以上取材し、自身も68歳のとき1度達成している。
なお、エージシューターとは1ラウンド(18ホール)のゴルフで 自分の年齢以下のスコアを出したゴルファーのこと。生涯で達成できるゴルファーは非常に少なく、ゴルファーにとっての究極の目標でもある。


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