1. TOP メニュー
  2. コラム
  3. 「操作しやすいヘッド」は寛容性が低い=『難しい?』

「操作しやすいヘッド」は寛容性が低い=『難しい?』

「飛距離の階段」ナゼ作れない?―「バランス理論」の盲点|第6回

2022/07/14 ゴルフサプリ編集部 戸川 景

写真/シンガポールオープン2022(オフィシャル)

“飛距離の階段”は番手ごとに、一定の間隔を作りたい。
とは言っても、実際のコースでは常に条件が変わる。無風の平地から試打マシンで打つようにはいかない。アイアンには中途半端に曲がりにくい寛容性よりも、コントロールの意図が反映する操作性が必要なのでは。

ヘッドの入れ方で弾道と飛距離が変わるのが正解

寛容性と飛距離性能に優れたJPX 921フォージドアイアンを使用している西郷真央。撮影/渡辺義孝(富士フイルム・スタジオアリス女子オープン2022)

アイアンでも、スイートエリアが広い、寛容性が高いとやさしいクラブというイメージだが、なぜプロは使いたがらないのだろうか。多少の打点のズレを吸収し、飛距離が安定するのなら“飛距離の階段”も作りやすいはず。それでも選ばないのは、操作性が低いというデメリットがあるからだろう。

グリーンを狙うショットで、そこから4打以上を避けて3打以内に収めるには、目標から半径20ヤード以内に確実に運べる“やさしい”アイアンはメリットがある。

だが、3打以内、2打で収めるには目標をシビアに狙い打ちできる必要がある。たとえば下り斜面、セミラフから右からの追い風に流されず目標をとらえるには、弾道コントロール=操作性の高さが必須となる。

寛容性が高い=ヘッドMOI(慣性モーメント)が高いと、ヘッドの入れ方、フェース向きの操作による打ち出しやスピン量の加減が、逆に難しくなる。ボックスキャビティのように、重心深度を深めるのも同様だ。

寛容性重視への切り替えにはUTという選択肢も

写真/ゴルフトゥデイ編集部

もちろんプロでも、今やロングアイアンの距離までシビアに操作しようとは考えていない。わずかな打点のズレが大きくタテの距離感を狂わせるような飛距離エリア(200ヤード前後から先)、使用番手では、操作性よりも寛容性を求めてUTを選択するようになっている。

ちなみにマッスルバックに対し、ボックスキャビティ以外のフルキャビティ、ハーフキャビティ程度では、実質的な寛容性はほとんどアップしない。ヘッド中央の肉厚が薄いぶん、重心高さの高低、重心距離の長短が変えられることでの操作性の違いが出るだけだ。

最近、ショートアイアン以外はUTに切り替える女子プロが登場しているが、スピンコントロールよりもヘッドの寛容性による打ち出し高さとタテ距離の安定を期待しているようだ。アマチュアの場合も、ツアー仕様ではない止まりやすいグリーンに対しては、この発想のほうが“飛距離の階段”は作りやすいかもしれない。要は狙い打つための考え方をアバウトにしないことだ。

ヘッドが大きいドライバー=ミスが減るドライバーとは限らない!|編集部員あいりのゴルフ用語

一般的に、ヘッドが大きいドライバーの方がミスに強いと言われます。これはヘッドが大きいドライバーほど慣性モーメントの数...

あわせて読みたい


「飛距離の階段」ナゼ作れない?―「バランス理論」の盲点

第5回(前回)へ 第7回(次回)へ

シリーズ一覧

飛ぶドライバーは好きですか? “今日イチ"量産!! プロギア「RS JUST」を最速試打レポート!

プロギアが、またまた独自性満載のニュードライバーを開発。その名も「RS JUST(アールエス ジャスト)」ドライバー! ギリギ...

あわせて読みたい

2024年最新アイアンおすすめ人気ランキング20選|選び方のポイントも解説!

2024年最新のアイアンおすすめ人気ランキングを発表!ゴルフ初心者・中級者はもちろん、上級者からも人気のアイアン全20クラ...

あわせて読みたい