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ドライバーやFWはどうして「ウッド」って呼ぶの? その理由を紐解きます

ゴルフそもそも調査部 vol.4【今回の調査テーマ|どうして金属製なのに"ウッド"なの?】

2022/08/29 ゴルフサプリ編集部

金属製ヘッド

現代のゴルフギアは、先人の創意工夫が積み重ねられてきたもの。時に感じる疑問や「なぜ」「どうして」を、それらを形作ったきっかけやエピソードで振り返ってみよう。今回の調査テーマは「ゴルフクラブの呼称」だ。

GOLF TODAY本誌 No.603/134〜135ページより

クラブは元々役割ごとの呼称が合う?

ゴルフのクラブの発祥を辿ると、ゴルフ自体の創始と重なるため、実はよくわかっていない。石ころを地面の穴に入れるだけではゴルフとは呼べないし、それを打つ打棒をクラブと呼ぶこともないだろう。

ジェームズ2世が発令した「ゴルフ禁止令」から、すでにゴルフは15世紀から存在したとされており17世紀の絵画に、クラブのような用具を持つ少年が描かれていて、これがクラブの原点と紹介されることが多いが、定かではない。

クラブの名称を考察する場合、小石や木球を地面に這わせていた時代は無視していいと思う。なぜなら、クラブには“打球を弾いてコロがす”役割しかなく、名称を分ける必要がなかったからだ。

となると、明らかに打球が宙を舞うのは、ボールがフェザリー(羽毛球)になってからとなる。これが17世紀初頭から19世紀まで、約230年続いた。

ガッタパーチャの出現により呼称も変化していく

  • 本間ゴルフの大型ヘッド『BIG-LB』シリーズ

    金属ヘッドの台頭とともに、どんどん製造が縮小されていった木製ヘッド。最後まで粘りを見せたのは、本間ゴルフの大型ヘッド『BIG-LB』シリーズだった。

  • チタン素材ドライバー

    現在、ドライバーはチタン素材、FWはステンレス素材が主流。「ウッド」という呼称は、そのボリューム感のあるヘッド形状と、機能的な役割から置き換えられずにいるだけだ。

当時、クラブのヘッド素材はすべて木材。「ウッドンクラブ」「フェアウェイウッド」などと呼ぶわけがなかった。

だが、18世紀には鉄製ヘッドのクラブが存在したらしい。

1744年制定のルールに「アイアンクラブ」という記述が登場している。実際にアイアンが普及するのは、19世紀半ばの「ラットアイアン」の登場から。当時のゴルフコースには馬車が入り込むため、わだちや馬のひづめ跡が多く、そこにボールがはまった時の救済用として、小さい凹面ヘッドのアイアンが作られた。

同じころ、ボールはフェザリーからゴム製のガッタパーチャに移行。これがウッドとアイアンに劇的な変化をもたらすことになる。上げて止めるクラブとして「ラットアイアン」はウェッジの原点とも言える「ニブリック」へと進化。ロフトの少ないアイアンはロングショット用の「クリーク」として定着する。

クラブセットの考え方にアイアンが組み込まれ、ゴルファーは6、7本を持ち歩くようになるが、すべてのクラブに呼称があった。「クリーク」「ニブリック」「パター」とともに木製クラブは「プレークラブ(ドライバー)」「ロングスプーン」「バッフイングスプーン」。後に5番アイアン相当の「マッシー」が加わっていく。

新しい呼称に移行できるチャンスかも

ウッド

「メタルウッド」という呼び方を世界的に広めたのはテーラーメイド。今年はカーボン素材に注力しているが「ウッド」という呼び方の伝わりやすさは変わらないようだ。

ちなみに「クリーク」は「かぎ状、釣り針」を意味し、そのヘッド形状からつけられたもの。本来、5番ウッドのネーミングではないのだ。

5番ウッドを「クリーク」と呼ぶようになったのはアメリカ人で、本場イギリス人は誤用と捉えている人がまだいるようだが、役割や用途からネーミングしたと考えれば、あながち間違いではないと思う。

たとえば「メタルウッド」という呼び方。「ウッド」を「木製クラブ」と捉えず、「伝統的なボリュームのある形状のヘッドを持つクラブ」と考えるゴルファーが多いから通用している。
もちろん、ゴルファーではない人が聞くと「何それ?」となるはず。ユーティリティでも、当たり前のようにウッド型、アイアン型といった括りを設けているのは、この判断基準によるもののはずだ。

これからもクラブの呼び名は変わっていくのだろうか

木製ヘッドと金属製ヘッド

木製ヘッドと金属製ヘッドの大きな違いは、中空構造とネック形状。強度を出したかった木製の太いネックと、重量を抑えたい金属製の細いネックは対照的だった。

現状で問題と感じるのは、いつまで「素材=呼称」を続けるのか、ということ。

カーボンコンポジットなど、素材を複合したヘッドもどんどん増えている。やはり「役割=呼称」に移行すべきではないだろうか。
とはいえ、歴史的にもクラブの呼称が大きく変わったのは、1度だけ。大量生産が可能になり、レングスやロフトを整然と並べた「セット販売」が可能になった1930年代に「数字」で番手を管理するようになったときだ。

一定の間隔でスペックをフローさせるクラブセットでは、「数字」より優れた呼称はなかなか見当たらない。逆に言えば、ウェッジやユーティリティがアイアンセットと通し番号にならないのは、スペック的に別物としたいからだろう。
グリーンやピンを狙うクラブという役割から「アプローチ」という括りでネーミングし、数字で管理すれば良さそうだが、現行のほうがわかりやすいのかもしれない。

呼称には理屈や正論よりも、伝わりやすさが優先されるべきであるはず。無理に変える必要はない。

ただ「ウッド」だけはどうにかしたい。「ドライバー」はそのままでいいとして「フェアウェイウッド」はせめて「フェアウェイメタル」ではどうだろう。「FW」から「FM」へ。メーカー側も採用できると思うのだが。

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