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自分に合ったゴルフボールを見つけるために知っておこう!「ディスタンスタイプ」と「スピンタイプ」の違いとは

ゴルフギアそもそも調査部vol.5【今回の調査テーマ|ディスタンスタイプボールとスピンタイプボール何が違う?】

2022/10/02 ゴルフサプリ編集部

ゴルフ

現代のゴルフギアは、先人の創意工夫が積み重ねられてきたもの。時に感じる疑問や「なぜ」「どうして」を、それらを形作ったきっかけやエピソードで振り返ってみよう。今回の調査テーマは「ディスタンスタイプボールとスピンタイプボールの違い」だ。

GOLF TODAY本誌 No.604/134〜135ページより
イラスト/Mercury

ツーピースの台頭が生んだ2大カテゴリー

ゴルフボール,ストラータツアー90

スポルディングは、多層構造にもいち早くトライ。1998年マスターズにてマーク・オメーラが『ストラータツアー90』を使い、ソリッド3ピースでメジャー史上初制覇を達成

20世紀半ばまで、ゴルフボールは「ディスタンスタイプ(飛距離性能重視)」「スピンタイプ(操作性重視)」といったカテゴリー分けは存在しなかった。というのも、それまでは構造的にも、素材に関してもほぼ同じものしか作られていなかったからだ。

糸巻き3層構造で、天然ゴム(バラタ)カバーの「ハスケルボール」が19世紀末に登場以降、サイズや重さといった基準はルールで徐々に整えられていったが、基本的に〝よく飛んで、スピンもよくかかる〟という、1つの〝完成品〟だった。

だが、第二次大戦後、高分子化学の研究が進み、デュポン社が樹脂製のアイオノマーカバーを開発。バラタより硬くて丈夫、ということでゴルフボールにも採用されるように。この登録商標が「サーリン」だった。

1971年、このサーリンカバーを採用し、スポルディング社が世界初の2ピースボール『トップフライト』を発売。ドライバーの飛距離は従来の糸巻きと遜色なかったが、アイアンは飛ぶようになる、という評判だった。

カテゴリー分けの起源

当時は丈夫な2ピースボールは初級者向けのイメージがあり、糸巻きボールと性能比べという感じではなかったようだ。これが変化するのは1980年代。糸巻きボールで世界一のシェアを誇るタイトリストが、ドラコンに勝てる2ピースボール『ピナクル』を開発。

ここで「ディスタンスタイプ」と「スピンタイプ」のカテゴリー分けが明らかになったと思う。同じころ、日本のボール開発技術も世界レベルに達していた。日本ダンロップは2ピースの『DDH』を発売。
樋口久子が使用して優勝するなど〝プロも使う、飛ぶ2ピース〟として認知された。

それにブリヂストンスポーツも対抗。『アルタス』シリーズを発表した。1990年代に入ると、糸巻きボールは飛距離性能を向上させ、逆に2ピースボールはスピン性能をアップ。今でも語り継がれる『ロイヤルマックスフライ』(糸巻き)と『レイグランデWF』(2ピース)は、それぞれの構造でプロ仕様の頂点を極めたと言えるだろう。

ソリッド構造では多層の構成とカバーが決め手

ゴルフボール,ロイヤルマックスフライ

コア内部にリキッド(液体)を採用し、変形量を増やすことで飛距離アップに成功した『ロイヤルマックスフライ』。糸巻き構造でも抜群の飛距離性能を誇っていた。

20世紀末、初めてウレタンカバーのボールが登場するが、その構造は糸巻きだった。バラタのスピン性能とサーリンの耐久性を持つ素材として注目され、タイガー・ウッズの使用で認知度を高めていった。

そして2000年。タイガーがナイキのウレタンカバー・ソリッド3ピース『ツアーアキュラシー』を使用し、翌年にまたいで4大メジャー制覇〝タイガースラム〟を達成。ほぼ同時期にタイトリストが同タイプの『プロV1』を発表したことで、一気に糸巻きは衰退していった。

第3タイプの出現

ゴルフボール,レイグランデWF

スピン性能でプロから絶大な信頼を得た2ピース『レイグランデWF』は、海外では『プリセプトMC』として展開。ニック・プライスが愛用し、メジャー優勝にも貢献した。

そして現在、ソリッド多層構造とサーリンカバーの組み合わせでスピン量を抑えて飛ばす「ディスタンスタイプ」、ウレタンカバー採用でスピン量をしっかり確保する「スピンタイプ」と、アイアンやUTでは適度にスピン量を抑えて飛ばせる「第3のタイプ」といったボールが市場を占めている。

ボールはインパクトで変形量が大きいほど、スピン量は減りやすくなる。さらに、変形後の復元力が強いほど、ボール初速は上がりやすい。

つまり、コア層(中心)を軟らかくして変形量を増やし、カバー層を硬くして復元力を高くするほど高反発・低スピンの伸びる弾道になる。
「ディスタンスタイプ」は硬いサーリンカバーを採用することで、シンプルな2ピース構造でも飛距離性能を高めることができている。

多層構造を採用

ゴルフボール,AVX,ツアーレスポンス

タイトリスト『AVX』やテーラーメイド『ツアーレスポンス』といった、いわゆる「第3のタイプ」カテゴリーは、アイアンなどのパワー不足を補ってくれる可能性大。

一方、反発力を吸収するウレタンカバーは極限まで薄く仕上げ、インナーカバーを硬くすることで反発力の低下を防いだり、コア自体を外剛内柔構造にすることで、復元力を上げる工夫をしている。

また、硬い層とフェースでウレタンカバーを挟み込むことで、密着力を高める=スピン量の安定にもつながっている。

多層構造を採用すると、アイアンのヘッドスピードとロフト角に応じた変形量を各層の硬度や重量で調整することができる。結果、スピン量を増減させることで、より飛ばしやすくも、より止めやすくもできるというわけだ。

この違いが、コントロール性重視の「スピンタイプ」と、アイアンやUTの飛距離性能を上げている「第3のタイプ」の作り分けを実現しているのだ。


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