3パットしてませんか?ショートパット&ロングパットに効く「距離感」をつかむコツ
あなたもパター巧者になれる!藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方 第15回
3パットのミスをいかに防ぐかがスコアメイクの重要なポイント。それには「自分の感覚」をもっと生かそう。
GOLF TODAY本誌 No.606/126〜129ページより
取材・構成・文/小山俊正 撮影/相田克己 取材協力/葛城ゴルフ倶楽部
カタチにとらわれず感覚を大事にする
3パットのミスを防ぐには、言うまでもなく「距離感を合わせる」ことが第一です。ライン読みや球を打ち出す方向が多少ズレても、距離感さえ合えば、次打のカップインの確率が高くなります。
ただ、距離感というのは感覚であり、教えたり教わったりするものではない。距離感を合わせる理論も存在しません。振り幅を決めて打つ方法もありますが、私はオススメしません。
なぜなら、繊細なタッチが出せず、グリーンコンディションに対して臨機応変に対応できないからです。大事なのは、カタチにとらわれずに、自分が持っている感覚をより生かすことです。
距離感を養う
練習グリーンで、10メートル以上先にあるカップを目標にして3球続けて打ってみましょう。1球目がカップに届かなかったら2球目は強めに、オーバーしたら次は弱めに打ってみましょう。
このように距離感を養いながら、打つ距離と方向を変えて練習することが大切です。
コース上ではラインを読む際に後方線上に立ち、カップを見ながら素振りをします。そしてアドレスに入り、球のコロがりをイメージしつつ、もう一度カップを見て素振りをします。
こうすると視覚からの情報が脳から手先に伝わり、その距離に合った振り幅になります。
Get in!攻略ポイント1 練習グリーンで距離感を養う
1球ごとに「強かったのか」「弱かったのか」をチェックし、自分の感覚とそのグリーンのスピードをすり合わせていく。
打つ距離と方向を変えながら、グリーンを1周するのが理想的。
Get in!攻略ポイント2 カップを見ながら素振りをする
ラインの後方線上に立つ時だけでなく、アドレスに入る際も、カップを見ながら素振りを行う。
視覚からの情報が脳から手先に伝わり、距離に対して適正な振り幅になる。
Get in!攻略ポイント3 ショートのミスが多い人はスタンス幅を通常より「広く」する
大きなストロークが作りやすくなり強くしっかり打てる
3パットのミスの大半は、長い距離のファーストパット(グリーン上の1打目)を打ち切れずに、カップに寄らないことがほとんど。そこで、ロングパットになるとショートのミスが多く出るという人は、「スタンス幅」を工夫してみましょう。
通常時よりも両足を均等に広げて、違和感のない程度にスタンス幅を広くします。いわゆるワイドスタンスにすると、大きなストロークが作りやすくなり、ボールを強くしっかり打てます。土台となる下半身も安定するため、大きく振っても軸がブレません。
ポイントは、フォローでヘッドをより大きく出すこと。パットは左右対称の振り幅が基本といわれますが、私はそれを意識することなく、フォローを大きくします。これは上りのパットにも有効です。
スタンス幅を調節して苦手克服
ショートパットが苦手な人は、反対にスタンス幅を狭くしてみよう(右)。狭くするほど体全体で1本の軸をイメージしやすくなり、シンプルに打てる。
Get in!攻略ポイント4 イメージは「カーリング」。半径1メートルの円の中に入れる
大きな円の中にボールを入れるつもりで気楽に打てば距離感が合う。
カーリングは、ストーンを大きな円の中に入れないと得点にならないため、それを最優先に戦略を練る。
ロングパットも同じように考えよう。
直径2メートルのカップならプレッシャーが軽減し手がスムーズに動く
ロングパットの距離感を合わせるには、カップを中心とした半径1メートルくらいの円を頭に描き、その円の中にボールを入れるつもりで打ちましょう。半径1メートル、言いかえると、直径2メートルほどのカップの大きさなら、かなり高い確率でカップインするはずです。
ロングパットをOKの距離にピタリと寄せようとするとプレッシャーがかかりますが、このようにターゲットを大きくすれば、メンタル面もラクになり、手がスムーズに動きます。
私のイメージは「カーリング」と同じです(上のイラスト)。カーリングは、大きな円の中にストーンを入れることを最優先にして、円の中心に止まればベストです。
パットも同様、ボールを円の中に入れることに集中し、結果的にOKの距離についたら最高、と考えましょう。
上達の秘訣
狙うのは5メートル以内!
パットのラインの難易度やその時の調子、試合展開などによるが、カップインを狙って強気に打つのは、おおよそ「5メートル以内」。
それより遠い距離は3パットのリスクを考慮し、「入れる」よりも「寄せる」ことを重視して打つ。
藤田寛之
ふじた・ひろゆき(葛城GC)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。ツアー18勝。年齢を重ねるごとに勝ち星を増やし、40代で12勝をマーク。2012年には年間4勝を挙て43歳にして初の賞金王に輝いた。23年連続で賞金シード入り。得意クラブはパター。
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