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パットのスランプは「お先に!」感覚で脱出できる!

藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方 第14回

2022/10/03 ゴルフサプリ編集部

パター,本番に強くなる練習方法

コースに出ると緊張感や不安感、プレッシャーによって思い通りに打てなくなる。これを克服するには、練習を工夫してみよう。

GOLF TODAY本誌 No.604/124〜127ページより
取材・構成・文/小山俊正 撮影/相田克己 取材協力/葛城ゴルフ倶楽部

スランプの最大の原因はアドレスの変化

藤田寛之,本番に強くなる練習方法
写真内のシャフトは両目を結んだ仮想の目線のライン。これがアドレスの再現性を高める秘訣。

パットはショットに比べ、体の動きや振り幅が小さく、ミスヒットをしにくい。にもかかわらず、スランプに陥るのは「アドレスの再現性」に問題があります。

気がつかないうちにアドレスが変わってしまい、方向性や距離感が低下。それを修正しようとして打ち方(ストローク)をいじると、ますます当たらなくなる。この悪循環がスランプを長引かせてしまうのです。

毎回同じように構えているつもりでも、日々の体調や前傾姿勢、ボール位置のわずかなズレによってアドレスは変わります。コースに出ると足元に傾斜(起伏)が加わるので、なおさらです。

イメージしたターゲットラインに対して、両目を結んだ目線のラインを平行にセットすることが重要。

藤田寛之,本番に強くなる練習方法

とりわけ「目線」に注意しましょう。
ボールとスパットを結んだターゲットラインをイメージ。それに対して、目線(両目を結んだライン)を平行にして構えるのが鉄則です。

ターゲットラインを右足の前まで延ばしてイメージすると、目線を合わせやすくなります。これが少しでもズレると、肩のラインやストロークの軌道が変わってしまい、真芯に当たらなくなります。

目線はとてもズレやすいので、私は日々チェックし、アドレスの再現性を高めています。

Get in!攻略ポイント1 目線を常にチェック

藤田寛之,本番に強くなる練習方法

目線がズレることでアドレスが変わってしまい、真芯に当たらなくなる。

スタート前もラウンド中も、この目線を常にチェックし、アドレスの再現性を高めることが大事。

Get in!攻略ポイント2 曲がるラインは要注意!

藤田寛之,本番に強くなる練習方法

曲がるラインは、足元の傾斜や視界に入る景色などによって、目線がズレやすい。

スパットを設定し、ボールとスパットを結んだターゲットラインと目線をしっかり揃えよう。

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Get in!攻略ポイント3 体が流れていませんか? 体の一部を意識してスエーを防止!

意識する部位は背骨のラインや首の付け根、鼻などどこでもOK

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頭上からの写真を見ると体が流れず、頭の位置が変わっていないことがよくわかる。

スランプに陥った時は、アドレスを見直すのが第一。次に、ストローク中に体がスエーしていないか(流れていないか)をチェックしましょう。

パットは、体が左(目標方向)に流れやすく、同時にヘッドアップもしやすい。ショットに比べ、動きが小さいため、これらのミスに気づかない人が大半です。

スエーを防ぐには、体の一部を意識し、その位置をキープするのが効果的。意識する部位は、軸となる背骨のラインや首の付け根、おでこや鼻などどこでもOK。ヘッドアップをしやすい人は、左耳や左側頭部の位置をキープしましょう。

スランプになると、ヘッドの動きやフェースの開閉を気にしがちですが、それよりも、その根本となる体の動きを正しく改善したほうが早く直ります。

短い距離ほど体をしっかり残す

藤田寛之,本番に強くなる練習方法

短い距離はカップが視界に入り、結果が気になるため、体が流れやすい(右)。

インパクト後もボールがあった地点を見続けるといった工夫をして、体をしっかり残すことが大切(左)。

Get in!攻略ポイント4 悩みすぎるのはNG!「お先に!」の感覚ならシンプルに打てる

藤田寛之,本番に強くなる練習方法

(1)「お先に!」のつもりなら力を緩めることなくしっかり打てる。
(2)感覚をキープしたままカップまでの距離を少しずつ長くする。

20、30センチの絶対に入る距離から練習を始めよう

ゴルフは悩みだすとキリがありません。とくにパットは繊細なタッチが求められるため、悩みすぎるとイップスになってしまいます。

そこで「何をどうやってもうまくいかない」「どうすればいいのか、わからない」という時には、20、30センチのショートパットから練習を始めましょう。

まずは「お先に!」のつもりで打ってみてください。アドレスをきちんと作る必要はなく、半身の体勢でかまいません。「お先に!」の時は、ヘッドの動きなど考えずに、シンプルに打っているはず。

この感覚がとても重要で、スランプ脱出の手がかりになります。この感覚のまま、カップまでの距離を少しずつ長くしていけば、あなたにとって一番自然で、スムーズなストロークが身に付きます。

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入る日もあれば入らない日もある

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その日の体調やグリーンとの相性、ラインの難易度などにより、ボールがカップに「よく入る日」もあれば、「まったく入らない日」もある。

入らないからといって打ち方を毎回変えたりすると、迷路にハマってしまうので要注意。「今日のグリーンは自分に合わない」と割り切ることも重要だ。




藤田寛之

藤田寛之
ふじた・ひろゆき(葛城GC)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。
ツアー18勝。年齢を重ねるごとに勝ち星を増やし、40代で12勝をマーク。2012年には年間4勝を挙げて43歳にして初の賞金王に輝いた。23年連続で賞金シード入り。得意クラブはパター。


【藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方】

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