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それぞれのゴルファーが抱く“理想の弾道”を徹底追求!テーラーメイド NEW P700シリーズ アイアンを黒宮幹仁が試打!

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2022/12/21 ゴルフサプリ編集部

それぞれのゴルファーが抱く“理想の弾道”を徹底追求したテーラーメイド NEW Pシリーズ アイアン

打感、操作性、コントロール性能に飛距離など、アイアンに求められる機能はプレーヤーによって異なる。メーカーが多彩なバリエーションを展開しているのを見れば明らかで、優れたアイアンとは個々の要求に適ったものと言える。しかし、同時に全てのユーザーの欲求を満たすカッコよさもまた必要。全てを満たして余りある進化を遂げたのがテーラーメイドの新P700シリーズアイアンだ。

感性がダイレクトに伝わる「P7MB」「P7MC」

今回、新たに登場するP700シリーズアイアンは「P7MB」、「P7MC」、「P770」の3機種。ここに2021年にデビューした「P790」を加えて、P700シリーズアイアンのラインナップは4モデルとなる。

P7MBとP7MCの開発コンセプトは、“感性がダイレクトに伝わるアイアン”。とかく飛距離やミスに対する寛容性に偏りがちなのが今のアイアンだが、意図的に芯から打点をズラして打ってボールを曲げたり、飛距離をコントロールしたいプレーヤーもいる。

  • テーラーメイド,P7MB
  • テーラーメイド,P7MC

そこでP7MBではバックフェースのボリューム部を打点の裏側に移動。最厚部をセンター付近にすることで、芯を食った時のパフォーマンスをより高め、番手における一貫性を極限まで追求した。逆に言えば、打点をズラした時の感覚や弾道の変化にも敏感に反応するわけで、よりメリハリの効いたショットを手にすることができる。

従来モデルよりブレードを短くしてヘッドをコンパクトヘッドに仕上げたのもそのため。イメージはもちろん、実際に打ってみるとその操作性の高さも実感できる。

フェースの平面精度と溝のシャープさでスピンをコントロール

ウェッジのようなミーリングフェースとスコアラインを採用しているのもMBとMCの特徴。平面精度と溝のシャープさが増し、スピンコントロールしやすくなっている。

また、 昨今はボールの進化に伴いロングショットにおける打球の低スピン化が進んだ。そのためアイアンの方で過剰な低スピン化を防ぐための工夫が必要になっているが、MBとMCではフェースに高度な技術を投入することで、ボールとのホールド感がアップ。バックスピンが多くかかるようになっているという。

例えばテーラーメイド の「TP5」、「TP5x」といったボールは、独自の5層構造でロング、ミドルアイアンでの適正スピン化を図っているが、理想の弾道を実現するために、こういったボールの進化に合わせた変化を加えているというわけだ。

ルックスや打感は本格派ながら弾道は革新的な「P770」

デザインはアイアン開発における重要なポイントの一つ。アドレス時に構えやすさと安心感を抱かせるだけでなく、所有欲を満たすカッコ良さも欠かせない。

その点にもこだわって生まれたのが「P770」だ。何でもこのアイアンを見て 「カッコいいけどマッスルだから難しいよね」と言った女子プロがいたそう。スタッフが「いやいやコレは中空構造。十分やさしいですよ」と説明し打ってもらったところ、その打ちやすさに感激したというエピソードもあるという。

確かにアドレス時の顔はMB、MCと見紛うほどに似ているが、ショットパフォーマンスにはいい意味で大きなギャップがある。複数のマテリアルを適材適所に用い、中空ボディとスピードポケットで初速性能とヘッドに内蔵したタングステンウェイトで最適重心設計を図った革新性が売りだが、単なる中空構造でなく新機軸のSpeedFoam™Airにより薄肉フェースをサポート。フェースの柔軟性を維持しながら、打感、打音の向上も実現した。ルックスやフィーリングは本格派ながら弾道は革新的というわけだ。

各番手に望まれる弾道や役割を明確にして設計・構造を決定

もう一つ、 P770、そして従来モデルのP790に注ぎ込まれている技術がある。番手別設計だ。

通常アイアンは基準となる番手を開発し、そこから前後の番手にフローさせるのが開発手法だが、テーラーメイドでは、まず各番手に望まれる弾道や役割を明確にし、それを達成するための設計、構造を考えているという。

例えば P770の場合、芯を外しても安定したスピン量が必要となるロング~ミドルアイアンにはソールに余分なバックスピンを抑えるスピードポケットを搭載しているが、スピン量を必要とする8番からピッチングには搭載していない。重心設計にしても同様で、ロングアイアンほど低重心にしてスピン量を適正化。グリーンを狙う短い番手ではスピンが入る高重心設計にしている。

黒宮幹仁がNEW P700シリーズアイアンを試打インプレッション

黒宮幹仁がNEW Pシリーズアイアンを試打インプレッション
黒宮幹仁/ 1991年生まれ。ツアープロコーチ。大学時代は松山英樹、石川遼らと切磋琢磨。その経験をコーチングに活かし、データも駆使したハイレベルな指導で畑岡奈紗、稲見萌寧ら多くのツアープロを教えている。ギアについての知識も豊富でテーラーメイドの契約コーチとしての役割も担う。愛知県で黒宮ゴルフアカデミー主宰。

P7MB/アイアン好きにはたまらない質実剛健の本格派

テーラーメイド,P7MB

見るからに手応えがありそうなマッスルバックですが、打ってみるとあらためてそれを実感。トップアマでもヘッドスピードとパワーがないと使えないかもしれません。スピン量が多めなのでヘッドスピードがないと、このクラブなりの弾道になりづらいんです。

ヘッドスピードで言えばドライバーで50m/s前後、7番アイアンなら40m/sを超えるくらいでしょうか。正直、私でもフルシーズンを通して使い続けるのは大変かもしれない。

  • テーラーメイド,P7MB
  • テーラーメイド,P7MB

ただ、構えた印象は尖った感じは全くなくて、すごく構えやすい。P7MCとP770と比べても大きく違いません。そういう意味では、アイアン好きにはたまらないタイプ。スチールシャフトはマックスに難しいですが、カーボンシャフトを挿せば十分に使えると思います。本格派ですが、そういう守備範囲の広さは備えていますね。

基本的に操作性が高いので、いろいろな打ち方をマネジメントできるクラブです。打感と打音も抜群にいいです。例えばホームコースでプレーする機会が多い人が、グリーンが硬い時にいろんなボールを打たなきゃいけない、そんな時には威力をいかんなく発揮してくれるでしょう。

テーラーメイド,P7MB
試打番手は7番。スピン量が総じて高く、グリーンでピタッと止められる弾道がイメージできる数値が並ぶ。球筋の打ち分けも容易ということも伺える。(測定機器はフライトスコープXi)

P7MC/高い操作性と適度なやさしさで中・上級者をバックアップ

テーラーメイド,P7MC

私もずっと使っているモデルのニューバージョンです。当たりが悪い時にそれなりの飛距離になる。個人的には、いい時と悪い時の感覚がはっきり伝わるところが気に入っています。

打感は少し柔らかい感じですが、ちょっとボールの潰れ感もあるので安心できます。そもそも私はいろいろな球を打つのが好きだったので、それに対して答えてくれるニュートラルさがあり、なおかつやさしさもあるところがいいと思います。

打ってみると全体的に打球が上がりますね。スピン量も多めでコントロールしやすい。7番アイアンは、これくらい(5000rpm以上)バックスピンが入らないと、距離がばらついてしまいます。「これくらいのスピン量だろう」とイメージした感じが数字とほぼ一致します。ヘッドスピード的には7番で35~38m/sくらいがフィットする感じで、私も違和感なく乗り換えられそうです。

  • テーラーメイド,P7MC
  • テーラーメイド,P7MC

P7MCは、カーボンシャフトにすると、いろいろなライから打つときに打ちやすい印象をもちました。顔もいいから構えやすい。「顔はいいけれど難しそう」と感じるならカーボンを入れると球が上がりやすくなって飛びます。操作性もほとんど落ちないと思うので、ヘッドスピードが少なめの人におすすめです。

ただ、ビギナーにはちょっと難しいかもしれません。特にスチールシャフトでは当たらないと、それなりの球しか出ません。レベル帯としては、スコア80台からシングルを目指すくらいの人にいい。それより上ならハードに打つゴルファーからプロまで使えるモデルです。とはいえ、最新テクノロジーが採用されていますから、安定して80台を出したい、もしくはシングルを目指しているような方には、ぜひ試していただきたいアイアンです。

テーラーメイド,P7MC
試打番手は7番。安定した弾道を得るために必要なスピン量が安定して得られ、イメージ通りの距離感と弾道が打ちやすい。

P770/スマートな見た目を維持したままやさしさを盛り込んだ

テーラーメイド,P770

構えた感じはすごくいいです。やさしくは見えませんがシャープでスマート。マッスルバックのP7MBとも見紛うほどです。今のやさしい系のアイアンは、どちらかというとヘッドがボッテリとした見栄えなんですが、これは違う。全てがニュートラルで、操作性も良さそうですから、アイアンが好きな人が見ても「これはいい!」となるでしょう。

打ってみると、シャープな見た目とは裏腹にすごく楽。打球の高さも、P790のやさしさが入っている感じです。見た目のギャップがあるので余計にそうなのかもしれないけれど、相当やさしく感じられるクラブで、ヘッドの抜けが抜群にいいですね。普通はやさしいと打感が犠牲になったりするんですが、これは打感の濁りもないし打音も気持ちいいです。操作性もそこそこあって、いろいろな入射角で打っても遜色ない球が出ます。ミスに対する寛容性も高くて、特にヒール、トゥヒットは問題なくカバーしてくれます。

アマチュアの方ならビギナーから80台くらいまで幅広く使えますね。お歳をとってアイアンの飛距離が落ちてきた人にもいい。そういうゴルファーはスマートな見た目を維持して距離を戻したい人が多いと思うので特におすすめです。

  • テーラーメイド,P770
  • テーラーメイド,P770

カーボンシャフトも打ちましたが、こちらはドーンと高い球が出ます。ヘッドスピード37~38m/sあたりで振っても打球はよく上がっています。33~34m/sくらいでも上がりやすく飛ぶのでとても楽。スチールよりひとまわりやさしくて飛びますから、強く叩かない人がずっと同じスイングをしやすいと思います。

打ち出しが高くなるので左足下がりやツマ先上がりなど傾斜でも打ちやすいように感じました。いろいろなライからでも計算できる球が打てると思います。

それから、P7MBやP7MCを混ぜたコンボセッティングを組んでも面白いんじゃないでしょうか。7番までP7MCにして、6番以上はP770でシャフトをカーボンにする、といった具合ですね。

とにかく見栄えの良さをキープしながらやさしくなっていますから、キャディバッグに入っているだけでカッコいい。あからさまに簡単そうなアイアンに見えないところもアマチュアゴルファーには大いに受けそうです。

テーラーメイド,P770
試打番手は7番。ロフトは33度。打ち出し角度が得やすく、スピンもしっかりと入る。やさしく打てる上級者モデル、といった印象の数値だ。

アドレス時の見た目は3モデルともほぼ同じ“かっこよさ”

左からP7MB、P7MC、P770

見た目のカッコよさは3本とも同じ。打ち比べする際、いきなりアドレスすると何度見てもモデルの違いがわかりません。普通はだいたいわかるんですけどね。プレーヤーにはトップブレードの厚みのこだわりとかがすごくあるので、見た目はすごく満足できると思います。

でも打ってみると三者三様なのが面白い。見た目が変わらないのに中身が変わっているのはアイアン好きにはもってこいです。本当に性能だけが変わっているって結構すごいことだと思います。

NEW P700シリーズ、上達を目指すゴルファーには、ぜひ試してみてほしいですね。

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