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超大型ルーキー・蟬川泰果プロのスイングは、なぜミスが出ないのか?

一流プロのドライバーのマネどころ

2023/01/29 ゴルフサプリ編集部

蟬川泰果

蟬川泰果(せみかわ・たいが)/2001年1月11日生まれ。175cm。2022年はアマチュアとして「パナソニックオープン」「日本オープン」に優勝。2022年10月にプロ転向。東北福祉大学4年。

「日本オープン」を完全優勝で制し、アマチュアとして史上初となるレギュラーツアー2勝を達成した蟬川泰果。ドライバーでは320ヤードを超える飛距離だけでなく、フェアウェイを確実にとらえる正確性も高い。今回はそのスイングを分析してみた。

GOLF TODAY本誌 No.608 20〜23ページより
構成・文/野中真一
撮影/相田克己

アマチュアで2勝を達成してプロ転向の逸材。肩をタテに回転させることでヒッカケを防止!

アマチュアは上半身が先に動くから、カット軌道になる

蟬川選手の魅力は下半身をダイナミックに使えること。バックスイングでは右足にしっかり体重をかけて、ダウンスイングでは右足のカカトが完全に浮くくらい強く蹴っています。

蟬川泰果スイング
【トップでクロスしたシャフトを下半身リードでネジり戻す】フェースの開閉が少ないシャット系のスイングで、ハーフウェイウェイバックではフェースが全く開いていない(写真3)。

トップではシャフトが少しクロスしていますが(写真4)、下半身を使ってクラブを下ろしているのでハーフウェイダウンではヘッドがストレート軌道に近いポジションに戻ってきています(写真6)。

アマチュアゴルファーの場合、トップでシャフトがクロスすると、上半身が先に動いてしまうのでカット軌道になってしまう人が非常に多いです。

それと、ドライバーをマン振りしてもヒッカケが出ないのは肩をタテに回しているからです。

肩がヨコに回転するとフェースが返ってきてしまうのでパワーヒッターになるほど左が怖くなる。しかし、肩をタテに回転させればフェースがゆるやかに閉じていく。だから、つかまり過ぎて左に行くミスが出ません。

蟬川選手本人も日本オープンで優勝した後に「左のミスを消してドライバーを振り切っている」と語っていますが、それができるのは肩をタテに回転させているからです。

ダウンスイングでも上半身の軸が傾かないことで回転力が最大に!

体を倒しながら打っているように見えるけど…

上の写真を見ると蟬川選手は体を倒しながら打っているように見えるかもしれませんが、実は上半身の軸はインパクトまで全く傾いていません。

アマチュアゴルファーの場合、ダウンスイングで右肩が下がってきてしまうので、上半身の軸が右に傾きやすいのですが、蟬川選手は右肩が高い位置にキープされているので、軸が左右に傾いていません。上半身が傾いて見えるのは、インパクト以降に肩をタテに回転させているだけです。

蟬川選手の飛距離の源は回転スピードの速さにありますが、軸が傾いていないことがその回転スピードを生んでいると言えるでしょう。

もう一つ、軸を安定させている要因はスタンスの広さです。ワイドスタンスにするほど軸はズレにくい。しかし、スタンスを狭くしたほうが回転力は上がります。

蟬川選手の場合、回転しにくいはずのワイドスタンスでも体の柔軟性と可動域の広さによって、上半身がスムーズに回転している。若くて身体能力も高い選手なので、ワイドスタンスにすることがストッパーとなり、その範囲内で思いっきり体を回している感覚だと思います。

蟬川泰果スイング

(写真1)スタンスは肩幅より、ふた回り以上広め
スタンスは肩幅が基本とされているが、蟬川はふた回り以上も肩幅より広い。グリップは左手を絞るくらい強烈なフックグリップ。

(写真7)骨盤を水平に回すことで右肩が高い位置にある
ダウンスイングでは骨盤を水平に回しながら、上半身を回して行くと、右肩が高い位置にキープできる。顔の向きが変わらないのも理想的。

(写真8)左足のツマ先が内側に曲がっている
アドレスでは正面を向いていた左足のツマ先が、インパクト直前には少し内側を向いている。これは左足のカカトを踏み込むことでツマ先が内側を向いている。

蟬川泰果スイング




解説:石井 忍

石井 忍

1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。

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