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「メルセデス・ランキング」って、何？今さら聞けない、ゴルフツアー用語を解説！

「メルセデス・ランキング」って、何？今さら聞けない、ゴルフツアー用語を解説！

なんとなくで聞き流していませんか？ゴルフツアーの用語をわかりやすく解説

2023/03/10　ゴルフサプリ編集部　宮井善一

申ジエ（写真／圓岡紀夫）

いよいよ始まった今季の女子ツアー。11月の最終戦まで目の離せない試合が続きます。1番の注目は年間女王争いですが、昨年から賞金ランキングに代わってメルセデス・ランキングがツアーNo.1を決める指標となりました。ただ、賞金ランキングに慣れ親しんだゴルフファンは、メルセデス・ランキングと言われてもピンときていないかもしれません。そんな方に向けてメルセデス・ランキングとは何か、分かりやすく解説します。

［目次］

メルセデス・ランキングとは？
ポイントについて

メリット

メルセデス・ランキングとは？

国内ツアーの各競技とUSLPGAメジャー競技の順位をポイントに換算し、年間を通じて総合的な活躍度を評価するランキングです。
名称は、日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）のオフィシャルパートナーでランキングの創設をサポートしたメルセデス・ベンツ日本株式会社に由来しています。

シーズン1位には年間最優秀選手賞（JLPGA Mercedes‐Benz Player of the Year）が贈られ、4年間のシード権も与えられます。また、上位50位までの選手には、翌年度のシード権が与えられます。

メルセデス・ランキングの創設

メルセデス・ランキングが創設されたのは、2012年。初代1位は、賞金女王も手にした全美貞でした。

以降も、しばらくは「年間女王」の称号やシード権関連は従来通り賞金ランキングによって決定していましたが、20-21年シーズンはシードが賞金ランキングとメルセデス・ランキングどちらかの上位50位までとなり、22年からはメルセデス・ランキングに一本化。同時に、「年間女王」もメルセデス・ランキングで争われることになったのです。

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ポイントについて

ポイント配分

ポイント配分は競技によって4つのカテゴリーに分かれています。そのカテゴリーとは3日間競技、公式競技を除く4日間競技、公式競技、USLPGAメジャー競技です。

公式競技とはいわゆる国内メジャー競技で日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯、日本女子オープンゴルフ選手権、ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップの4試合を指します。

3日間競技のポイントを基準にすると、公式競技を除く4日間競技は1.5倍、公式競技は2倍、USLPGAメジャー競技は4倍に設定されています。

分かりやすいように、各カテゴリー5位までのポイント配分を表にしてみましょう。

順位	3日間	4日間	公式競技	USメジャー
1位	200	300	400	800
2位	120	180	240	480
3位	90	135	180	360
4位	70	105	140	280
5位	60	90	120	240

ポイントは予選カットがない競技は全員に、予選カットがある競技は決勝ラウンド進出者に与えられます。
ただし、決勝ラウンドに進んでも棄権や失格になればポイントはゼロです。同じ順位に複数いた場合は均等割りになります。ここまでは賞金配分とほぼ同じですね。

悪天候などで競技が短縮されてもポイントはそのまま。
たとえば、公式競技を除く4日間競技が54ホールで終了したとしても、優勝者には300ポイントが与えられることになります。
賞金は短縮の場合には減額されますから、ここは異なる点です。

USLPGAメジャーポイント加算条件

USLPGAメジャー競技のポイントが与えられるのは、以下の出場資格を保有している選手に限ります。

・シード選手　
・前半戦出場権保持者
・前年度QT出場者
・特別保障制度、産休制度復帰者

たとえば、2022年にUSLPGAツアーを主戦場にした畑岡奈紗、渋野日向子、古江彩佳、笹生優花の4人を例に挙げれば、畑岡のみ上記の出場資格を有していなかったため加算されませんでした。

また、上記の出場資格を持っていても国内ツアー競技に1試合も出場しなければ、加算対象外となります。
その年に国内出場実績がない状態でUSLPGAメジャー競技のポイントを獲得した場合には加算は保留となり、国内ツアー競技に出た段階で加算されます。

メリット

公平性の向上

年間女王やシードを決める上で、メルセデス・ランキングは賞金ランキングよりも公平性の高いシステムだといえます。

賞金額は競技によって大きく異なります。
昨年の場合、3日間競技の優勝賞金最高額は2160万円で、最も低いのは1080万円でした。ちょうど2倍ですね。

4日間競技の場合はさらに格差があり、優勝賞金の最高額は5400万円で、最低額は1800万円でしたから3倍になります。
3日間競技も含めた全競技では5倍もの格差があったのです。

つまりは、賞金の安い競技で2勝するより高額賞金競技で1勝したほうが断然得になりますよね。となると、賞金額は成績を公平にランキングに反映しているとは言えないのです。

それに、協会として重きを置きたい公式競技よりも賞金額が高い競技がありますから、競技の格と賞金額が比例していないという現実もあります。

メルセデス・ランキングではカテゴリーごとにポイントは一定ですし、公式競技のポイントは高く設定されています。こちらのほうが、選手の成績や実力をより公平にジャッジできるわけです。