ゴルフウェアのドレスコードを“コスプレ感覚”で楽しむ若者ゴルファー
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第61回
嘘のような怖い話
バブル期の真夏のある日、僕が通っていたゴルフコースで大事件が起きました。スタートした直後にゴルフウェアを脱ぎ、男性が海パン一丁、女性も水着でプレーした組がいたのです。
「ウェアの形に日焼けしちゃうし、暑いから脱いだだけだよ。クラブハウス近くに行ったらゴルフウェアを着るから、いいでしょう?」と、海パン男は言ったそうです。
コーススタッフは毅然と、「ドレスコードを守ってもらえないなら、今すぐに退場してもらう」と宣言、彼らは渋々ゴルフウェアを着てプレーを続けたということでした。
この手の、自分の都合だけを押し付ける嘘のような怖い話はバブル期だけではなく、令和でも生まれています。
ドレスコードは、各コースのローカルルールです。みんなで一緒に我慢しようねという美学が、ゴルフという文化にとってとても大事なのです。
自己申告で審判がいないゲームは、欲望との戦いに負けないことが大前提ですから、服装の決まりを我慢することぐらいで音を上げるなんて論外です。
そのような信頼関係の入り口が、プレー中のドレスコードだと言えるのです。
ドレスコードは、キャラクターになりきるコスプレだと考えれば楽しめる!
男性のドレスコードは、こんな感じが原則となっています。
● 襟付きシャツをシャツインすること
● ウール、または綿、それらに見える素材のスラックス形式のズボン
●一般的な意味で不快なデザインやカラーは禁止
女性は本来同じではありませんが、日本では不勉強な偉い人が面倒臭がって、スカートはOKだけどあとは同様にお願いします、となってきました。
不快とされるデザインの中には、戦争を連想させる迷彩柄、威嚇するような毒虫カラー、下着のような短パンやホットパンツもNGに入るようです。
令和のゴルフブームで若者ゴルファーを見て感心するのは、ゴルフウェアを楽しむのがとても上手なことです。ドレスコードはコスプレのようで楽しいという発想は、オールドゴルファーたちにはないものです。
自分がなりたい、もしくは好きなゴルファーになった気分を味わうために最も簡単な方法は、服装を真似することです。
コスプレで理想に近づいてゴルフをより楽しめるのであれば、一石二鳥です。プレー中のドレスコードは、知らないうちに新しい時代を迎えたのかもしれないと、最近は感じるのです。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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