オーガスタナショナルGCは近所にあるオーガスタ市営GCに対する支援を発表!一体どんなことになっちゃうのか?
SDGsとゴルフ|第23回
「ザ・パッチ」という愛称で親しまれているオーガスタ市営ゴルフコース。
マスターズを主催するオーガスタナショナルゴルフクラブは、地元地域への様々な社会貢献を実施している。今年のマスターズの開幕前日に、コミッショナーが新たな取り組みを発表。2マイルも離れていないオーガスタ市営ゴルフコースの取り組みを支援するというものだった。
GOLF TODAY本誌 No.612/117ページより
マスターズ開幕前日に発表された地元地域への社会貢献
地域のパブリックゴルフの新時代を開拓
オーガスタナショナルGCのチェアマンであるフレッド・リドリー氏。
マスターズ会場のすぐ近くにあるオーガスタ市営ゴルフコース。「ザ・パッチ」という愛称で地元の方々に親しまれているゴルフコースだ。
オーガスタナショナルGCは米国大統領でもラウンドできないと言われるほどメンバー以外には閉鎖的なコースだが、「ザ・パッチ」は開放的なコース。
オーガスタナショナルGCよりも古い1928年に誕生しており、長年地元住民に親しまれている地域社会の大切な資産だ。
マスターズ開幕前日の4月5日、オーガスタナショナルGCのチェアマンであるフレッド・リドリー氏は、オーガスタナショナルGCが、オーガスタ市営ゴルフコース、オーガスタ工科大学、ファースト・ティー・オブ・オーガスタとの共同パートナーシップを支援することを発表。
「オーガスタ市におけるパブリックゴルフの新時代を切り開くことを誇りに思っています」と胸を張った。
オーガスタナショナルGCが市営コースの取り組みを支援
ゴルフの次世代労働力を生み出し、ゴルフをより身近な存在に
チェアマンのプレスカンファレンスには多くの記者が集まった。
この取り組みには3つの要素がある。
まずは、ジャーメイン・ワール博士の指導のもとオーガスタ工科大学がゴルフの次世代労働力を生み出す正式な教育プログラムを作成することだ。
ファースト・ティー・オブ・オーガスタにも同様なプログラムがあるが、このパートナーシップとオーガスタナショナルGCの支援により地域社会にさらなる貢献をする。
さらにこの取り組みによりゴルフを始めたい方や続けたい方がゴルフに親しみやすくなり、地域住民や観光客が生涯に渡ってゴルフと付き合えるようなパブリックゴルフ体験を提供することを目指す。
他の地域のモデルになることも目標
米国だけでなく、日本でも閉鎖的なメンバーシップコースは少なくない。最近では地元地域の方がラウンドできる開放日を設けたりするなど、できる限り地元地域に開かれた運営を行っているコースも増えている。
一方でオーガスタナショナルGCの取り組みは、プレーの機会を与えるのではなく、ゴルフの次世代労働力を生み出す教育プログラムの支援を近隣のゴルフ場で行うというものだった。
もちろんゴルファーにとってはオーガスタナショナルGCでラウンドするチャンスがあった方が魅力的だが、地域の雇用を創造するだけでなくオーガスタ市全体のゴルフコースのクオリティを上げることで、様々な方々が恩恵を受けられるという壮大なものだった。
「このパートナーシップを開始するのが待ちきれません。他の地域のモデルとなることを期待しています」と語っていたフレッド・リドリー氏。この取り組みの詳細はこれから詰めていくことになるようだが、オーガスタ市で成功モデルとなれば、他の地域でも参考にされるかもしれない。
北村 収
1968年東京都生まれ。ゴルフ雑誌(ALBA)編集部、ゴルフダイジェスト・オンライン メディア部門に所属後、2011年に株式会社ナインバリューズを設立。ゴルフ分野を中心に、取材・執筆・編集からソーシャルメディア、web、Eコマースの企画運営まで総合プロデュースを手掛ける。
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