ボールが木の根元や張り出した根っこなど「無理無理無理打てそうにない!」って場所に止まったときの救済方法
知っていて得するルールの話
【その1】
ボールのある地点から、2クラブレングス以内のピンに近づかない場所にドロップしてプレーを再開します。クラブはドライバーでもOKなので、2メートル20~30センチは動かせるということ。林からの脱出は無理としても、2メートル以上動かせるので、ライもいいところを選べるし、見通しのいいところにドロップできるはず。ほとんどのゴルファーはこの救済方法を選んでいます。
救済エリアに止まらなかったときは、ドロップのやり直しを。それでも止まらない場合は、2度目のドロップしたときに最初に地面に触れた場所にプレースしてプレーを再開しましょう。
【その2】
ピンとボールを結んだ後方線上に、ドロップしてプレーを再開することもできます。後方線上であればどこまででも下がることができます。2クラブレングス以内にいいライが見当たらず、ボールとピンを結んだ線上に木がなければ有効かもしれませんが、この救済方法を使っている人をあまり見たことはありません。
この場合はドロップしたボールが最初に着地した場所が基点となり、どの方向にも1クラブレングス以内に止まれば救済が完了します。
【その3】
最後にショットした位置に戻って、打ち直すこともできます。
例えばティーショットのボールだったら、再びティーイングエリアからボールをプレースして打ち直すことができます。ティーイングエリアではティアップも可能です。また、ジェネラルエリアやバンカーから打った場合はドロップ、グリーンから打った場合はプレースして再開します。
わりと良さそうな救済ですが、元の場所に戻る時間がかかるため、競技以外ではあまり使われません。
アンプレヤブルに関しては、木の根元でなくても「とても打てそうにない」というところで使える救済方法なので、この機会にぜひ覚えておいてください。
おまけ
「とても打てそうにない」というところといえば、アゴの高いバンカーの“アゴの部分に目玉状態”になって止まってしまっているボール、というのも考えられますよね。
この状況からだと、よほど経験を積んでいない限りは1度のバンカーショットでボールをグリーンに乗せることは難しいでしょう。そんな時のために、バンカー内からのアンプレヤブル(救済)について、簡単にまとめておいたので参考にしてみてください。
バンカー内での救済には1打罰と2打罰の2種類があり、救済の選択肢としては4つあります。2打罰の救済は2019年に以下のように追加されました。
19.3b 追加の救済の選択肢(2罰打)
プレーヤーの球がバンカーにある場合の加の救済の選択肢として、合計2罰打で、プレーヤーは規則19.2bに基づいてバンカーの外で後方上の救済を受けることができる。
まず、1罰打のバンカー内での救済は以下の通り。前述している救済とほぼ同じです。
(1)前打した場所に戻って、ボールをドロップして打つ。
(2)ボールから2クラブレングス以内でバンカー内のホールに近づかないところにドロップする。
(3)バンカー内でホールとボールを結んだ後方延長線上から1クラブレングス以内のところにドロップする。
バンカー内の1罰打の救済で注意したいのは、(2)(3)のように「バンカー内」でドロップしなければいけないということです。
そして、2罰打のバンカー内での救済は、(4)バンカー外でホールとボールを結んだ後方延長線上の1クラブレングス以内のところにドロップする、というものです。
「これは何度やっても出そうにない」と思った時には、この2罰打の救済を使って、バンカー外の芝の上から打った方が大叩きを防げるかもしれません。
文・真鍋雅彦(まなべ・まさひこ)
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。
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