シャフトが変わればスイングも飛距離も変わる！初めてのシャフトフィッティング体験

最近、新しいドライバーを購入したゴルフサプリ編集部員Aはウキウキしていた。が、ちょっと悩んでいた。先輩ゴルファーに「Aさんには、シャフトが軟らかすぎるんじゃないの？」と言われたのだ。初心者のAにとって、シャフトを意識するのは未知の領域…。

そこで今回は、多くのプロが愛用するシャフトメーカー、フジクラの「フジクラゴルフクラブ相談室」でシャフトフィッティングを体験。シャフトの違いでスイングと飛距離に大きく差が出ることを、まさに“体感”してきました！

撮影協力／フジクラゴルフクラブ相談室 木場店

リシャフトを検討したいワケ

ゴルフクラブのシャフトを自分に合ったシャフトに交換することを「リシャフト」と言います。ゴルフクラブのシャフトは、飛距離や方向性はもちろんミート率にも影響を及ぼすパーツです。
自分に合ったシャフトに交換することによってミート率も向上するため、ナイスショットの確率を上げてスコアアップが目指せます。

とはいえ、私のような初心者には「自分に合ったシャフト」がどんなシャフトなのか、シャフトが変化することによる自分の変化をどのようにつかめばいいのか、わからないことだらけ…
そこで、最近使い始めたドライバーを分析していただき、試打でさまざまなシャフトを試せるシャフトフィッティングを体験してみることにしました！

フジクラゴルフクラブ相談室とは？

ということで、今日は「フジクラゴルフクラブ相談室 木場店」さんに伺いました。

「フジクラゴルフクラブ相談室 」では、完全予約制でシャフトフィッティングとリシャフトを行っています。
専門フィッターが、普段使用しているクラブスペックやスイングデータを最新のコンピュータシステムで解析。なんと200種類以上のフジクラシャフトから最適なシャフトを選定してもらえて、試打でシャフトの使用感を実感できます。
データの測定結果や、使用感を確認しながら最適なシャフトをご提案いただけるなんて...。さらに、相談室内の工房でのリシャフト（有料）の申込みも可能。

予約は、6店舗ある「フジクラゴルフクラブ相談室 」の希望店舗に直接電話するか、Webサイトからネット予約ができます（フジクラゴルフクラブ相談室Webサイト）。
フィッティングの料金は初回無料！2回目からは3,000円（税込）です。

なお、シャフトを変えることによる変化を実感するためにも、使用中のゴルフクラブを持参するのがオススメです。

シャフトフィッティングスタート！

フィッターの高尾光昭さん

「シャフトを変えたらドライバーが上達しちゃうかも」「私がシャフトを選ぶなんて、10年早いのでは…」という期待と不安が入り混じった気持ちを抱えながら、本日担当していただくフィッターの高尾光昭さんにご挨拶。

診断表にはゴルフ以外のスポーツ経験なども記入

まずは、診断表の記入からスタート。「シャフトに求めることは？」の質問に、私は「振りやすさ」「自分に合ったシャフト」にチェックを入れました。

その間に、持参したゴルフクラブの計測を行ってくださいます。

ここで、マイドライバーのご紹介。
「これ絶対欲しい！」と衝動買いしたピン（PING）の新作レディスモデル「GLE 3 ドライバー」です。
ロフトは10.5度、シャフトのフレックス（硬さ）はL。

ピンはフィッティングが充実しているのに、フィッティングせず思わず買ってしまいました。先日のラウンドでは、その前に使っていたドライバーよりは調子がよい感じでお気に入り。
でも、先輩ゴルファーに「AさんにはフレックスLだと軟らかすぎるような気がする…」と言われたことが気になっていて、そのことも高尾さんに伝えました。

まずは、マイドライバーを打って分析

スイングと計測器のデータから分析

軽くウォーミングアップをしてから、今使用しているドライバーを何球か打ってみます。
いつものように人前で打つのは緊張しますが、「飛ばそうと思って楽しく打ってくださいね」と高尾さん。

私のドライバーの悩みは、方向性と飛距離。きちんとスイングができていないからだと感じています。
今日も今日とて右へ低く飛んでいく（涙）。
そんな私のスイングや、計測器のデータを見ながら、高尾さんが分析してくれた私のスイングは…

高尾さん　「今お使いのドライバーのシャフトがAさんには少し長いようですね。短く持って打ってみてください」

グリップを短めに握って打ってみると、先ほどよりはボールに当たるように。ドライバーが長いなんて自分で感じてはいませんでした。

データの計測はトラックマン。高尾さんの分析から現状把握

高尾さん　「Aさんのスイングを分析すると、基本的にアウトからインに振る傾向があります。
3〜5度インサイドやアウトサイドに振り過ぎてしまうと、その時点で球筋は曲がってしまいます。Aさんの場合は、インパクトゾーンでそこまで大きく曲がってしまう軌道ではないですね。
ただ、インパクトの時にフェースが右に6度傾いてしまっています。ですから、比較的右に曲がってしまうことが多いのです。飛距離は、140ヤード弱ですね。」

編集部員A　「飛距離が物足りないんです…パー5が辛いです…」

Aの分析結果をまとめると…

・クラブヘッドの軌道はややアウトサイドイン傾向
・インパクト時のフェースが右に6度傾いていいる（そのため右に曲がる）
・ヘッドスピードは31m/s前後（女性の平均は28m/sなので、平均より振れる方）
・ダウンブローの入射角のためボールにスピンがかかっている（そのため飛距離が出ない）

スイングのせいじゃなくてシャフトのせいだった？！

高尾さん　「Aさんのヘッドスピードは30m/s前後なので、女性の平均より振れています。ジャストミートすれば、160〜170ヤード飛ばせる能力はありますよ。飛距離が出ていないのは、ボールのスピン量がかなり多いためでしょう。
ダウンブローではなく、下から上にヘッドを動かすようなアッパーブローのインパクトからフォローに向けてヘッドを動かす意識をしてみてください。ボールのスピン量が減り、前にいくエネルギーを効率よく伝えられます」

高尾さんのアドバイスを意識して振ってみますが、ボールは相変わらず右に。不安の表情を浮かべていると、高尾さんがデータを見て、入射角は6度アッパーになっているから、意識してスイングできていることを伝えてくれました。

高尾さん　「アッパーブローを意識したことによってフェースが開いてしまったので、今度はインパクトでフェースを閉じるイメージで振ってみてください」
とのこと。

シャフトフィッティングなのに、テクニックも身についてしまうかも！？

高尾さん　「レッスンはしないのですが…、“相談室”ですから、お客様の分析結果から、今のスイングの意識を変えるとさらにアップグレードできますよ、というご提案をすることはありますよ」

今度はインパクトでフェースを閉じることを意識すると、ダフり連発。そんな私のスイングを見て高尾さんがひとこと…

高尾さん　「Aさんが入射角は変えられたけど、フェースアングルをうまく変えられないのは、シャフトが合っていないせいですね」

編集部員A　「！！！！！！！」

シャフトが合ってないのか…

高尾さん　「今お使いのクラブは、クラブを振る力が弱い女性でも使えるようなドライバーとしてつくられているレディスモデルで、シャフトは軟らかいLです。
Aさんの場合、レディスモデルだとシャフトが軽くて軟らか過ぎて、コントロールしにくい状態になっています。これからAさんに合うシャフトを見つけていきましょう！」

そうか…「シャフトが合わない」ということはこういうことだったのか...！目からウロコの瞬間でした。

試打で私にぴったりのシャフトを探る！

初心者だから、女性だから、振りやすくて軽いレディスモデルのドライバーがいい、と思い込んでいました。そうか…私はしっかり振れる系女子だったのか…。

高尾さん　「しっかり振れるのにシャフトが軟らか過ぎると手打ちになりがちです。体に合った適度な重さと負荷がかかると、下半身から体を使わないと振り回せない、と体の方が反応してくれるんです」

と、ズラリと並ぶフジクラシャフトから、何本かを選んでくださいます。

1. Speeder351 EVOLUTION Ⅶ（R2／38g）

Speeder351 EVOLUTION Ⅶ

通称“エボなな”。試打をしてみると、重さを感じ、バックスイングでしっかり体を捻っているという実感があります。弾道は低く、真っ直ぐ飛ばない…

しかし、データを見ると140ヤードを少し超えるぐらいはキープ。

高尾さん　「球は上がってないですが、フェースが真っ直ぐ当たっています。ただ、Aさんにとっては少し重くて硬いのでヘッドスピードは少し落ちましたが、シャフトが当たり負けしていないので、飛距離は安定してきましたね」

フェースをスクエアにするよう意識していると、試打しているうちに、右に飛んでいくことが少なくなってきました。

2.DIAMOND Speeder3（R2／39.5g）

DIAMOND Speeder

次に、DIAMOND Speeder。高尾さんに先ほどのシャフトとの違いを伺うと「やや軽く、少し軟らかい」とのこと。私は「違いがわかる女」だろうか…

高尾さん　「先ほどのシャフトと比較して振りやすいか、違和感を感じるのか、など何球か打ってみて、率直な感想を聞かせてください」

編集部員A　「さっきのSpeeder351 EVOLUTION Ⅶのほうが体が回しやすかった気がします」

持参のドライバーと比較するといい当たりのように感じるし…扱いやすいか、扱いにくいかというと…扱いにくい…？
そんな私の曖昧な回答に、高尾さんは深くうなずいてから、次の試打クラブを渡してくれます。

3.DAYTONA SPEEDER LS（R／43g）

DAYTONA SPEEDER LS

編集部員A　「シャフトを変えても、違いがはっきりとわからないですね（汗）」

高尾さん　「逆にはっきりわかったらすごいですよ。それぐらいの違いなんですよ。今お渡ししたDAYTONA SPEEDER LSは、長さも、重さも、硬さも、一つ前のDIAMOND Speederとほぼ近いですが、少しだけ重たいです。今日打った中で一番重たいシャフトです」

何球か打ってみると、とても振りやすい！そして、ボールが真っ直ぐ飛ぶように。その結果はデータにも現れていました。

高尾さん　「クラブパスとフェースアングルとフェーストゥパス、この3項目がゼロに近づくほど、ストレートな軌道で上がりすぎない球筋であり、飛距離ロスが少ないということです。ミート率もよかったので、芯に当たっていますね」

編集部員A　「自分としてはスイングを変えている意識はないですが、振りやすい感覚をシャフトが覚えさせてくれるという感じなんですね」

高尾さん　「そうですね。シャフト選びの絶対条件は、“Aさんにとって”振りやすい適度な重さ、硬さ、長さ、タイミングにする、ということです」

3種類のシャフトの特性は？

3種類のシャフトを試打して、私の実感としては最後のDAYTONA SPEEDER LSが合っていると感じました。
高尾さんから、3種類のシャフトそれぞれの特性を説明していただきます。

高尾さん　「シャフトの性能を決める要素として「調子」があります。シャフトの調子とは、シャフトの中で一番しなるポイント（キックポイント）がどこにあるかを表した言葉です。

・先調子…シャフトのヘッド側にキックポイントがある
・中調子…シャフトの中央にキックポイントがある
・元調子…シャフトのグリップ側にキックポイントがある

高尾さん　「シャフトには、キックポイントとタイミングの違いのほか、動きの少ないコントロール性を重視したタイプ、弾きを強くした動きの大きいタイプなど、さまざまな種類があります。
3番目のDAYTONA SPEEDER LSは弾きが強く動きが大きいですが、ねじれを少なくして「飛んで曲がらない」というコンセプトでつくったフジクラの最高級シャフトです」

編集部員A　「最高級ですか…！（欲しい）」

初心者だから軽くて軟らかいシャフトがいい…ではない！

なんと、私に合うのはフジクラの最高級シャフトだったのか…、と驚いていると（驚いてばっかり）、高尾さんがなんともオシャレなシャフトの試打クラブを差し出してくださいます。
2023年の春にリニューアルしたAIR SPEEDER Ⅱ（X-PLUS／40g）。2014年の発売以降、シリーズ累計販売本数10万本という大人気シャフトのリニューアル版です。先中調子でレディスのAとLのちょうど間ぐらいのスペックだそうです！

今年の新作ですか…！と意気揚々と振ってみると、あれ。全然当たらないし、右に飛ぶのがぶり返しています（涙）。

高尾さん　「さっきまで当たっていたのに、当たらないですよね。シャフトが軟らかいので、手打ちになって当たらなくなってしまうんです。今お渡ししたAIR SPEEDERより、Aさんがお使いのシャフトの方がさらに軽くて軟らかいんです」

最新作だからこれがぴったりなのか！と思ったら、合っているシャフトとの差を感じるためだったんですね…。

高尾さん　「初心者は、自分の振る能力が足りないから、もっと軽くした方が振りやすくなるんじゃないか、もっと軟らかくした方が飛ばせるんじゃないか、と思っていらっしゃる方が結構多いんです。
でも、そんな方こそシャフトを重く硬くした方がよいパフォーマンスが出せるという傾向があるんですよ。Aさんの場合も“今使っているシャフトより”も重く硬くしたほうがよい、ということですね」

編集部員A　「今、使っているシャフトよりも重くて硬いシャフトが、私にとっての最適な重さと硬さだったということですね」

高尾さん　「今後、もっと上達してヘッドスピードが速くなったりしたしたら、その時のAさんにとっての最適な重さや硬さも変化しますよ」

今の私にぴったりのシャフトはコレだ！

シャフトの違いでこんなにも違いが出ることを改めて体感。そして、本日5本目のシャフトSPEEDER NX BLACK（R2／46.5g）が登場！
2023年9月7日発売の最新モデルだそうで、マットブラックでカッコいい！！
今日イチ重くて硬いシャフトだそうです。

振ってみると、バシン！としっかり打感を感じます。最初はかなり低い球筋でしたが、真っ直ぐ飛びます。
そして、高尾さんの一言「下半身を使って素早く回転するイメージで…」を受けて…

スパーン！と今日イチショット！なんと飛距離も今日イチの170ヤード！30ヤード近くも飛距離が伸びた…
これには私も高尾さんもびっくり。

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高尾さん　「Aさんにとっては少しハイスペックかと思いましたが、遠心力もしっかりかかって下半身を使ったスイングができていますね、ヘッドスピードも31.4m/sと最速の数値が出ました」

その後も安定して飛距離を出せるようになり、リズムよくスイングできている実感がありました。

高尾さん　「Aさんの振る能力に対して、クラブの総重量が適しているので、体を使ってスイングしようと体が無意識レベルで反応してくれるんですね。
そうすると、適度な負荷が体にかかり、遠心力で体を使って振ることができるので、よい結果に結びついています。SPEEDER NX BLACKは、右に飛びにくい特性も兼ね備えているので、シャフトがボールを効率よくつかまえてくれます。方向性のブレも少なくインパクトの当たり負けもしません。
安定した飛距離と方向性が得られるようになっていますので、AさんにはSPEEDER NX BLACKをご提案します」

とうとう出会った、今の私にぴったりなシャフト！シャフトで自分のスイングも飛距離も、こんなに変化するとは…！！

私に合うシャフトはSPEEDER NX BLACKでした！

さまざまなシャフトを試打できたおかげで、合う、合わないを体感できましたし、データを分析していただくことによって納得感がありました。リシャフトも併設の工房でお願いすることに。

高尾さん、ありがとうございました！

最後に…初心者でもシャフトフィッティングしてもいいんですか？

高尾さん　「もちろんです！初心者こそ、自分に合ったクラブと出会うことが上達の秘訣です。ゴルフを始めてクラブがボール当たるようになってきて、コースにも出て、それでもなんとなくうまくいかないと感じる方は、ぜひ気軽に体験に来てください。

うまくいかないときに、「クラブが自分に合っているのか？」と、疑問を抱いた方がいいんです。

多くのアマチュアゴルファーは「自分のスイングがよくない」と思って練習に励みますが、そもそもクラブが合っていなければ「合っていないクラブを使いこなす練習」にしかなりません。自分に合ったクラブで練習すると、上達がより早くなります。

まずは、ドライバーのシャフトが自分に合っているかをフィッティングで確認して、合っていれば自信をもって練習に励めばいいですし、合ってなければ合うものを選んでいただいてより向上を目指す、という選択肢を選んでいただきたいと思います。

ゴルファーをどんどんレベルアップできるよう後押しをするのが私の仕事だと思っていますし、1人でも多くのゴルファーを増やしたいという想いでやっています。ぜひ体験に来てくださいね」

初心者だと、自分のゴルフスキルの未熟さだけを気にしてしまいがちですが、自分に合うクラブを探すことも、上達の近道だと感じました。シャフトフィッティングをぜひ体験してみてはいかがでしょうか。

◼︎フジクラゴルフクラブ相談室 木場店
店舗情報：https://fujikura-gcs.com/tempo/kiba.html
電話番号：03-5857-2600
フィッティング予約：https://fujikura-gcs.com/tenpo/kiba/kiba_yoyaku/

※木場店以外での予約は、希望店舗に直接電話、もしくはWebサイトからネット予約ができます
▶︎フジクラゴルフクラブ相談室Webサイト

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