ドライバーが飛ぶ人のテークバックは『低くて長い』って本当?
シーズンインに備えよう! 人気コーチ・大西翔太が あなたのスイングの マイナーチェンジをお手伝い!|Vol.2
昨年のプレーを振り返って、ここがうまくいかなかったな〜と反省し、スイングを改良する「マイナーチェンジ」レッスンシリーズ。第2回はドライバーの飛距離アップ。ドライバーが飛ばないためにセカンドショットで長い距離ばかり残って大苦戦した人は、せめて10ヤードでも飛ばせるようになろう。
ドライバーの飛距離アップは、テークバックを低く長く!
バックスイングが小さくなっていないかを見直そう
ドライバーの飛距離を伸ばすには筋力トレーニングでパワーアップしなくちゃ! そう思っているゴルファーはきっと多いことでしょう。でもドライバーの飛ばしの要素はパワーだけではないのです。松山英樹選手のような超一流レベルのプレーヤーを目指すならアスリートとしての筋力や体力は必要不可欠ですが、一般のアマチュアゴルファーでしたら、今の筋力のままでもやり方次第で10ヤードはもちろん、うまくハマれば20ヤードくらいまで伸ばすことも十分可能です。
ドライバーが飛ばない原因は人それぞれですし、飛距離アップの方法もいろいろあります。そこでボクからの提案。現在の筋力のままでキャリーを10ヤード伸ばすには、テークバックのイメージを変えてはどうでしょうか。筋力もまあまあだし、自分では一生懸命クラブを振っている。だけど思うように飛ばせないという人は、バックスイングが小さくなっていませんか? カラダを回すことを忘れて、つい手先だけでクラブを勢いよく振り上げてヒジが折れたり、捻転が不足したりしていなかったか、を振り返ってみてください。自分の気づかないうちにバックスイングが小さくなっているとフォロースルーの円弧も小さくなり、ヘッドスピードが思うように上がりません。バックスイングの捻転不足がボールにぶつけにいくような突っ込み打ちを招きやすく、ミート率低下の悪循環に陥ってしまいます。
お腹を大きくネジってテークバックするのがコツ
テークバックのイメージをどう変えるかというと、「低く長く」です。アドレスの位置からクラブヘッドを低く長く引いていくと、バックスイングの円弧が自然と大きくなります。「アドレスの両肩と両腕の三角形をキープしましょうね」と教わったことと思いますが、これはテークバックの始動時に特に心がけたい大事なポイントです。バックスイング中、ずっと三角形をキープしようなんて考えなくていいですから、テークバックで両手が右腰くらいの高さに上がるまではアドレスの三角形を崩さずに、クラブヘッドを低く長く引くイメージで上げていきましょう。
といっても上体を右に揺さぶって、クラブヘッドをどこまでもストレートに引いてはダメです。重要なポイントはアドレスのポジションのまま、お腹のネジリを使ってテークバックすること。お腹を右に90度回すくらいの気持ちでOKです。手先でクラブをひょいと担ぎ上げては三角形がすぐに崩れてしまいますし、肩の回転を意識してもお腹が回らなければ肩もスムーズに回りません。アドレスの姿勢からお腹を先にネジればクラブヘッドを低く長く引くことができ、両肩と両腕の三角形もキープできます。肩も自然と深く入り、捻転のパワーがフルに蓄えられます。
テークバックを低く長く引けばバックスイングの円運動が大きくなって、遠心力が大きく働きます。力を入れなくてもスイングの出力が上がるのです。結果的にフォロースルーでも大きな円弧を描けて、ヘッドスピードもアップします。フォロースルーを意図的に大きくしようという意識はいりません。余分な力を抜いた「ほどよい脱力感」や、クラブヘッドの重さを利用するイメージで低く長くテークバック。それだけでスイングの出力やヘッドスピードが変わってくるはず。カラダが小さくても、パワーがなくても、遠くに飛ばせる人はテークバックのツボを心得ているためです。
〈まとめ〉
・飛ばない一番の原因はバックスイングが小さいこと
・テークバックの始動は「低く長く」のイメージ
・腕や手を使わず、お腹のネジリでテークバック
・右腰の高さまで両肩と両腕の三角形をキープ
・テークバックが大きければフォローも大きくなる
・「ほどよい脱力感」でクラブヘッドの重さを利用
取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/千葉カントリークラブ野田コース
大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの指導に尽力する一方、青木瀬令奈らツアープロのコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、幅広く活躍中。
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