グリップを握る強さはどのくらい? 悩んだら胸の前でクラブをグルグル回してみてね【吉本舞が初心者の悩みを解決!】
ゴルフコーチ・吉本舞が即解決! 『初級ゴルファーからの相談が多いゴルフの悩み』 Case:03
グリップはカラダとクラブをつなぐ唯一の接点。グリップの握り方次第でスイングが良くも悪くもなるからとても重要なパーツだ。でもどのくらいの強さで握るのがいいかがよく分からないという人も多いだろう。「実を言えばグリップをどう握るか以上に、両手の適切な握りの強さを知ることが大事なんですよ」と吉本舞コーチは言う。
構成/三代 崇 写真/相田克己 協力/東京ゴルフスタジオ
握りの強さが分からなくなったら、胸の前でクラブをグルグル回してみるのが一番!
両手を強く握ると手首が硬くなってクラブが振りにくくなる
ゴルフを始めたばかりの方は「両手をこう握りましょう」とか「グリップの基本形はこうですよ」などと教えられることと思います。でも、そう言われたところで最初はなかなかなじめないし、グリップの握り方を覚えるだけでもひと苦労ですよね。
まずはグリップの握り方を覚えるよりも先に「適切な握り圧」(グリッププレッシャー)を体感しましょう。グリップをどのくらいの力加減で握ったらいいのか?という疑問をお持ちの方の多くは両手をガチガチに握りすぎています。
ボールにちゃんと当てたい意識から手元を固めようとして無意識のうちに力が入ってしまいやすいのです。両手を強く握りすぎると手首が硬くなり、ヒジや肩などの関節も硬直してクラブがスムーズに振れなくなります。
試しにクラブを真っすぐ立てて持ち、胸の前でクラブヘッドで円を描くようにグルグルと回してみてください。グリップを強く握ったままではクラブをスムーズに動かせませんよね。
クラブを持ったときから両肩がやや浮いた体勢となり、クラブを動かすときも両ワキがあきやすい。だから両手が動く割にはクラブヘッドを大きく動かせないのです。
クラブをグルグル回せる力感が適切なグリッププレッシャー
今度は両手を握るカタチを変えないまま、両手の力を少しずつ緩めながらクラブをグルグルと回しましょう。
両手から力が抜けると肩やヒジから余分な力が抜けて上体がリラックスしてきます。「両手を強く握る=怒り肩」から「両手の力を抜く=なで肩」の体勢となり、両ワキが自然に締まります。
さらに手首が稼働しやすく、クラブヘッドで円を描くようにスムーズに動かせるようになるはずです。
グリップの握り圧は人それぞれですから、基本的には自分で一番グルグルと回しやすいと感じられる力感でOKです。
といっても両手を緩く握りすぎてもクラブを回す動きが不安定になりやすいと思います。クラブを一定して回せるように両手を「強すぎず弱すぎず」の握り圧でグリップしましょう。
ポイントは「クラブを右回り」に回すこと。自分から見て時計の針が進むのと同じ方向です。
クラブをフィニッシュへと振り抜いていく方向とリンクさせることで、実際のスイングのイメージにもつながります。
ゴルフスイングで大事なのはクラブヘッドが運動しやすい環境を作っておくことです。クラブヘッドの運動を妨げないで自由に動かせるようにする。グリップを支点にしてクラブヘッドでキレイな円弧を描ける状態にしてあげるのです。
クラブをグルグルと回してみれば両手を強く握るほどクラブヘッドの運動が制限されて、両手を柔らかめに握ればクラブヘッドの運動量が増える。それを体感できたら自分なりにクラブをコントロールしやすい握り圧だけでなく、自分に合った両手の握り方も自然につかめてきますよ。
吉本 舞
よしもと・まい
佐賀県出身。USLPGA Teaching&club Professionalの資格を取得。ゴルフの楽しさを多くの人に伝えたく、敏腕コーチの森守洋に師事。現在は東京ゴルフスタジオ(東京都三鷹市)でアマチュアをレッスン。一人一人の悩みに寄り添い、丁寧でわかりやすい指導が好評。
Instagramにてゴルフレッスンやゴルフウェアコーディネートなど更新中。
@maiyoshimoto_
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