ボールが目標方向に真っすぐコロがる条件とは? 3つ答えられる人はパット上級者
インパクトに必要な3条件|清永教授からの挑戦状 Vol.3
ゴルフにまつわる原理原則が本当にそうなのかまずは疑い、徹底的に分析したドクター・清永明。ジュニア時代から竹田麗央にアドバイスを送る、清永教授の常識を覆し、ゴルフの上達スピードが速まる理論を紹介していく!
ゴルフトゥデイ本誌 622号/126~127ページより
解説/清永 明
〈問題〉
パッティングの技術としてボールを目標方向に真っすぐコロがす条件が3つあります。条件1と条件2は左の図に示す通りです。さて、もうひとつの条件はなんでしょう?
キチンと当たらないとカップに入らない
今回の問題は前回の「初期ベクトル1対3の法則」の復習になるとも言う。
「まず、ひとつめは『パターフェースのリーディングエッジが目標に向かう線に対して直角であること』です。フェース面がインパクトでスクエアということですね! はい、2つめ!『フェース面のスイートエリアがボールの中心と一致すること』。芯を食わないとボールは真っすぐにコロがりません! 3つめは何でしょう?」(清永教授)
フェース面がカップを向いていて芯を食う……、これだけではボールはコロがらない。ボールに力を与えるストロークに関することと思われるのだが。
「答えは『ヘッドの軌道が目標線に対して均等なインサイドインを形成すること』です。この3つが揃わないと、いくら入れー! と願ってもボールがカップインすることはありません」(清永教授)
「均等なインサイドイン」をイメージしにくい人はヘッドの中心の軌道が入射角(ボールに当たるまでの角度)=出射角(ボールに当たってからフォローの角度)になるように考えるといいという。答えがでたところで応用問題がきた。
「3つの条件のうち1と2、ふたつの条件を満たすと想定した場合、インサイドアウトやアウトサイドインになった場合のボールの行方を体得する方法が『初期ベクトル1対3の法則』です。パターの長さくらいの距離でカップからボールを横に4つ並べる。フェースを1番のボール、カップにスクエアセット、そして4番のほうにストロークすると必ず2番に当たります。』というお話でした」(清永教授)。
この理論は練習法としても役立つ。もし、3、4番のボールに当たると、インパクトでフェースがクローズになったと判断でき、1番かそれより右に外れた場合はフェースがオープンになったと判断できる。
「さらにこの打ち方はカップに入る確率が高い打ち方、やさしい打ち方という証明をひとつしましょう。カップに対してスクエアに構え、インサイドインの軌道で、フェースをオープン・トウ・クローズに使います。オーソドックスな打ち方、まさにタイガー・ウッズスタイルですね。この打ち方の場合、直径10.8cmのカップの内縁にボール2個分が接する幅、6.5cmがフェース面がブレていい許容範囲となります」(清永教授)
つまりインパクトでのフェース面のズレが片側の許容角度である1・87度の2倍、3.74度以内の場合ボールがカップインする。
では「初期ベクトル1対3の法則」の場合はどうだろう?
「ボール4個分ズレたポイントに向かってストロークするわけですから直径10.8cmのカップ左縁よりボール1個分左のポイントに振ってもカップインします。その許容範囲たるや9.8cm、タイガーの打ち方より3.3(=9.8‐6.5)cmも許容範囲があるのです!」(清永教授)
かつてはフェース面の影響が強いと考えられていた
タイガーのパッティングと清永式どちらがやさしいか一目瞭然
タイガー式/6.5cmの幅に打たなければならない
清永式/どちらか半分に集中9.8cmブレていい
〈正解は・・・〉パターヘッドが目標線に対して均等なインサイドインを形成すること
解説/清永 明
福岡大学名誉教授。大学時代は九州学生選手権を3連覇。医師でありながらゴルフにまつわる現象を物理の目で分析。1メートルのパットが90%の確率で入るヨネックスの「トライプリンシプルパター」の設計者としても有名。
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