ドライバーのシャフトフレックス。迷いに迷った最後の決め手はズバリ！フィーリング!!
吉本巧のゴルフギア教室 第7回
「ボールを包み込む」フィーリングが得られるかどうかがカギ
ポイント2は、どちらが、より「ボールを包み込むフィーリングがあるか」です。ここで言う「包み込む」とは、ダウンスイングでヘッドがちょっと内側から下りてきてインパクトし、真っすぐ出ながらフェースが閉じ、再びヘッドがインに入ってくる動きに伴う感覚。一般的には「ボールがつかまる」という言い方をしますが、私の場合は、現実的にガッツリつかまるのではなく、フィーリングを重視する意味で「包み込む」と表現しています。プロや上級者は「厚い当たりになる」などと言いますが、これも同じフィーリングと考えていいでしょう。フレックスが合っていると、包み込むフィーリングが出やすくなります。また、自分で「ボールを包み込むように打とう」と思った時に、そのイメージが出やすくもなるのです。
インパクト時にボールが軟らかく感じるのも目安になります。「ボールが潰れる」とか言いますが、ボールの硬さには関係なく「包み込める」と、この感じがあります。ですから、可能であれば試打やフィッティングでは、同じボールで打ち比べたいところです。これもポイント1と同様、最後の二択ではわずかな違いになると思いますが、最後は自分の直感を信じましょう。
ただし、一つ注意点があります。ボールを包み込むイメージはシャフトが軟らかいほど強くなることです。例えばRとXを比べたらRの方が包み込むイメージが出ますから、あくまで最後の2本から選択する場合の決め手としての判断材料になります。
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Rは軟らかい、Sは硬いという先入観が正しい選択を妨げている
というわけで、つまるところ最終的にフレックスを決めるのはみなさん自身のフィーリング。フィッターの意見を聞き、データを計測しても最後に優先すべきはフィーリングなのです。しかし、アマチュゴルファーの場合、フレックスに対する先入観が感覚を鈍らせていることも考えられます。SとRだとSは硬い、Rは軟らかいという思いが染み込んでいるのです。実のところ、これは結構大きな問題で、こういった先入観があるがために、本当はXが合っているのに「硬すぎて振れない」と思い込み、ビビって振れなくなっている人も多いのです。
そもそもシャフトのフレックス表記は硬さとイコールではありません。これはアマチュアの方を惑わす原因の一つですが、メーカーが異なる２つのシャフトがともにSだったとしても硬さは違います。実際の硬さを示す振動数はシャフトによって全く違っているのです。さらに言えば、メーカーやブランドが違うと、SとRの2つのフレックスで、Rの方がSより硬いという逆転現象になっていることもあります。だから、Sは硬い、Rは軟らかい、と決めつけるべきではありません。
打つ前にフレックスを言われて渡されると先入観が入ってイメージ付けしてしまうことも多いので、もしフィッターさんやショップのスタッフさんと一緒に試打できるなら、その方にお願いしてランダムにシャフトを出してもらう。もしくはSとかRの表記を隠してもらうなど、どちらを打っているのかわからない状態で、1本目を5～6球、2本目をまた5～6球と打ってみて決めるといいでしょう。
吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。
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