短いアプローチは『インパクトの形』を作ってから打つとミスが少ない
スコアが5打よくなる! 藤田寛之が教える寄るアプローチの極意 第4回
グリーン周りのアプローチになるとダフリやトップのミスが頻発してスコアを崩してしまう人が多い。この原因を究明し対策を講じよう。
GOLF TODAY本誌 No.626/118~121ページより
取材・構成・文/小山俊正 撮影/相田克己 イラスト/北村公司 取材協力/葛城ゴルフ倶楽部
ダフリ、トップのミスを防ぐ
極意1 アドレス=ほぼインパクトにする
左ワキを締める
ボールを打つ体勢を事前に作っておくことが大事
グリーンに近づけば近づくほど、スイングは小さくなり、体の回転量や体重移動が減ります。そこで大事になるのが、アドレスでインパクトの形をイメージし、ボールを打つ体勢を事前に作っておくことです。ショートアプローチは体の動きが小さいぶん、アドレス=ほぼインパクトの形にしたほうが、再現性が高くなりミート率が向上します。
インパクトの形をイメージすると、手元が目標方向に出てハンドファーストの度合いが強くなりますが、それだけでは不十分です。左ワキを締める、腰を回す、ヒザを送るといった動きを加えて、よりインパクトの形に近づけましょう。
ヒザを送る
腰を回す
極意2 オープンに構えると距離感が合う
クラブを短く握る
スタンスと体を開く
体重移動を抑えるとムダな動きが生まれずシンプルに打てる
ダフリやトップのミスが出るのは、手を使い過ぎることが大きな原因です。本番になると緊張したりプレッシャーがかかったりして、体の動きが鈍くなりがち。すると手を余計に使ってしまい、ミスが止まらなくなるので注意しましょう。
これを防ぐには、クラブを短く握ることが一番簡単な方法です。短く握れば、構えた時の手首の角度をキープでき、ボールにコンタクトしやすくなります。
加えて、オープンに構えるのが効果的。スタンスだけではなく、体も少し開くとダウンスイング以降、体を左に回しやすくなり、クラブの抜けがよくなります。目標を見やすくなり視野が広くなるぶん、距離感が合うという利点もあります。
私の感覚では、ピンまでの距離が30ヤード以上になると、ボールを飛ばすために体の回転量や体重移動が増え、ショット寄りのスイングになる。言い換えると、ピンまで30ヤード以内なら、体重移動を抑えてアドレス時の左重心をキープしたほうが、シンプルにミスなく打てます。肩から先の部位(手や腕)は使わずに体の回転で打つ、という意識がとても大切です。
ちなみに私のスイングは、短い距離でも手を使っているように見えるかもしれませんが、それは元々コックを使う打ち方で、ヘッドを上から入れるタイプだからです。バックスイングでのコックは使いたければ使ってもかまいません。ただし、インパクトで手首を急激に返したり、コネたりするのはNGです。
ピンまで「30ヤード」が分岐点
30ヤード以内は体重移動を抑えて左重心のまま打つ!
極意3 肩から先は使わない
手打ちはNG!
藤田寛之
ふじた・ひろゆき
(葛城ゴルフ倶楽部)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。レギュラーツアー18勝、シニアツアー3勝。2012年は年間4勝を挙げ、43歳にして初の賞金王に輝いた。23年は日本シニアオープン優勝。リカバリー率1位を4回も獲得している「寄せの達人」。
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