藤田寛之のアプローチの秘訣。「ハンドファーストの構え」でスピンをかけやすくする!
【スコアが5打よくなる! 藤田寛之が教える寄るアプローチの極意 第6回】
ドライバーからパットまですべて「ハンドファーストに打つ」のが藤田流。とりわけアプローチはどう考え、どう応用したらいいのか。その極意を伝授!
GOLF TODAY本誌 No.628/126~129ページより
取材・構成・文/小山俊正 撮影/相田克己 取材協力/葛城ゴルフ倶楽部
ハンドファーストの利点とは?
極意1 ハンドファーストの構えを先に作っておく
ボールを押せるからより強い球になりスピンがしっかり効く
ハンドファーストとは、手がヘッドよりも前(目標方向)にある状態のことで、私がスイングで最も重要視しているポイントの一つです。
それにはダウンスイング以降、体の回転とともに手元を先行させることが必須条件。これにより、スイングの最下点が自分から見て「左」になる。つまり、ややダウンブローの軌道になり、ダフることなくボールをヒットできるわけです。私の感覚では「ボールを押す」ことができるので、より強い球になり、スピンがしっかり効く。これがハンドファーストの利点です。
アプローチの場合は、アドレスでハンドファーストの構えを先に作っておいたほうが、インパクトでその形を再現しやすく、簡単です。打つ球筋にもよりますが、ボールを右足親指の前に置き、手(グリップ)を左足太モモの前にセットすることが基本です。
ハンドファーストに構えてハンドファーストに打つ
ボールを右足親指の前に置き、手(グリップ)を左足太モモの前にセット。打つ球筋に応じて体重を左足に乗せる。体の動きや回転量が小さくなるアプローチは、アドレスでこの形を作っておいたほうがインパクトで再現しやすい。
ダフることなくボールを押せる
手元を先行させてハンドファーストに打つと、ややダウンブローの軌道になり、スイングの最下点が左(ボールの先)になる。結果、ボールにコンタクトしやすくなり、ダフることなくボールを押していける。
ハンドレイトはNG
極意2 インパクトでシャフトの傾きを再現
本番で役立つ応用テクニック
球筋やボールのライによってアドレスでの「シャフトの傾き」を変える
傾きが大きい
アドレスでのシャフトの傾き(ハンドファーストの度合い)を大きくするほど、同じクラブでもロフトが立ち、低く打ち出される。入射角は鋭角になり、上から打てる。
傾きが小さい
手元を中に入れてシャフトの傾きを小さくすると、ロフトが寝て、高く打ち出される。入射角は鈍角になり、ロブショットのような高い球が打てる。
極意3 スイングの最下点を一定にする
インパクトで手元を前に出すのはOK
ハンドファーストに打つには、構えた時の右手首の角度を保つことがセオリーですが、私はそれよりも「シャフトの傾き」を意識しています。アドレスでシャフトを傾けたら、インパクトでその傾きを再現するようにスイングする。右手首の角度を保とうとすると、手首が硬くなってしまうことがあるので注意しましょう。
そして球筋やボールのライによって、アドレスでのシャフトの傾きを変えるのが応用テクニックです。その傾きを大きくする(ハンドファーストの度合いを強くする)と、ロフトが立ち、打ち出し角が低くなる。これはボールのライが悪い時などに有効。反対に、その傾きを小さくする(ハンドファーストの度合いを弱くする)と、ロフトが寝て、打ち出し角が高くなります。
アドレスとインパクトで、シャフトの傾きがほぼ同じになるのが理想ですが、インパクトで手元を前(目標方向)に出し、その傾きがやや大きくなるのはかまいません。アーリーリリースによってハンドレイトになり、アドレスよりもその傾きが小さくなるのはNGです。
何よりも重要なのは、スイングの最下点を理解し、一定にすることです。シャフトの傾きを変えると最下点がどう変わるのか。素振りでそれを確認した上で、最下点が毎回同じになるように練習しましょう。
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アーリーリリース(手首の角度が早くほどけるミス)でハンドレイトになると、大きなミスになってしまう。ボールを高く上げようとするとこのミスが出やすい。
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インパクトで手元を前に出し、シャフトの傾きがアドレス時より大きくなるのはOK。ただし、手元を出し過ぎるとクラブの抜けが悪くなるので注意。
藤田寛之
ふじた・ひろゆき
(葛城ゴルフ倶楽部)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。レギュラーツアー18勝、シニアツアー3勝。2012年は年間4勝を挙げ、43歳にして初の賞金王に輝いた。23年は日本シニアオープン優勝。リカバリー率1位を4回も獲得している「寄せの達人」。
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