3回成功して1回失敗するくらいのペースで練習できる番手が最適

まずは6番アイアン。3つの中では最もハードな番手です。理由はクラブが長く、ロフトも立っているから。ミートしづらく、打球が上がりづらいので、アイアンが苦手な人が使うと悪いイメージがつきやすく苦手意識も強まりかねません。

一昔前は6番のようにちょっとハードなクラブを使い、歯を食いしばって練習して打てるようになると、それより下の番手がやさしくなる、などと言われ推奨されていました。一利ありますが、そうしなければいけないかというとそんなことはありません。

僕的には練習では自信をつけるべきだと考えています。血の汗を流すのもいいですが、いかんせん遠回り。途中で心が折れてしまう人もいるでしょう。練習だって楽しい方が長続きします。そのぶん自信も積み重なっていきますから、そうなりづらい6番はおすすめできません。調子がいい時にちょっと多めに打つ、くらいがいいと思います。

では7番アイアンはどうでしょう。練習の定番的な番手で、いまでもフィッティングや試打の主役なので無難な選択と考えがちですが、6番同様アイアンに苦手意識がある人は使わない方がいい。ましてやアイアンがストロングロフト化している昨今は、かつての7番に比べるとロフト的には“6.5番アイアン”的な位置付けで、打ちやすいクラブではなくなっています。ですから正直なところ、僕はスイング作りの定番としてはいかがなものかと疑問に思っています。

最後に8番アイアンですが、結論から言うと、これがスイング作りやスイング固めを主題にした練習には最適だと思います。3つの中で最もクラブの長さが短く、ロフトが多いので、ミート率が高く打球が上がりやすい。頑張らなくても当たりやすいので自信がつき、苦手意識もつきにくいのです。

練習では、例えば10球打って7~8球うまく打てるといいイメージがついていきます。スイングが固まっていないアマチュアの方が、その確率で6、7番を打つのはかなりハード。そうなった時に、高すぎず、低すぎないちょうどいい高さのハードルになるのが8番というわけです。

僕の経験から言うと、3回成功して1回失敗するくらいのペースで練習できるのが一番楽しく、無理なく練習を続けられます。僕はこれを“3:1の法則”と呼んでいますが、ゲームやギャンブルもそうで、うまくいきすぎると面白くない。たまに失敗するくらいがモチベーションを保ててやる気が出るそうです。4球打ったら1球ミスが出る感じですね。

逆に考えると、8番で3:1にならなければ9番アイアンを使ってもいいですし、8番の成功率が高い人は7番を使えばいい。3:1の法則をターゲットに番手を上げていき、つまずいたら下の番手に戻る、というようにやっていけば、番手による苦手意識も生まれづらいと思います。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。