「ヘッドの芯をボールに導いてくれる」1日に4000本製造される“芸術品のようなシャフト”【関浩太郎が試打】
世界で唯一!シャフトを自社で生産する本間ゴルフ 酒田工場を関浩太郎がリポートVol.3【特集HONMA】【PR】

世界にゴルフクラブメーカーは数あれど、ヘッドとシャフトをパッケージングで開発、自社工場で一貫生産しているのは、いまや本間ゴルフだけ。とりわけドライバーのシャフトは開発、製造に手間がかかり品質管理も大変なためアウトソーシングが普通になっている。ここでは常日頃からシャフトの重要性を力説するゴルフコーチとクラブフィッターの二刀流・関浩太郎が、本間ゴルフの心臓部・山形県の酒田工場を訪問。本間ゴルフのシャフトへのこだわりと、その実力をリポートした模様をお送りする。
どのシャフトも球のつかまりやすさと上がりやすさを兼ね備えている
このシリーズもいよいよ最終回。今回はシャフトの生産工場から酒田工場の大奥・370ヤードの研究センターに舞台を移し、オリジナルシャフトを装着したニュードライバー「T//WORLD TW767」を打ってみることに。生産過程を目の当たりにした直後だけに感慨もひとしおだが、そこはクラフトマンにしてプロコーチの関浩太郎。冷静な目で正当な評価を下してもらおう。
関『今回試打したのは4つのシャフトバリエーションですが、いずれもしなり方が安定しています。ダウンスイングからインパクトでしなる時に、どのタイミングでしなって、どのタイミングでしなり戻り、どの部分が、どれくらいしなっているかが手にとるようにわかります。そのためスイング中にヘッドがどこにあるのかわかるので、自分のタイミングに合うシャフトが見つけやすいと思います』

4つのバリエーションとはVIZARD(ヴィザード)EZのC(中調子)、A(中先調子)、P(中元調子)、Z(元調子)。試打したフレックスはSで、重量はCが50グラム台、A、P、Zは60グラム台。ちなみにヴィザード(VIZARD)とは勝利(VICTORY)と魔法使い(WIZARD)をミックスした造語だ。

関『どのモデルも1、2球打てばヘッドが下りてくるタイミングも場所も毎回一緒になるところが、性能の高さと製造誤差の少なさを物語っています。“ヘェ~”と思ったのは、ヘッドの押し方が真っすぐなところ。通常は、例えば芯を外してトゥ側に当たった時などは、ヘッドがベロンとかぶるのですが、それがなく、ドーンと真っすぐボールを押してくれる感じがありました。僕にはミスマッチな先調子だとそうならず、元調子を使うとこの感じになったので、ヘッド性能ではなくシャフトの効果です。いずれにしても、どのシャフトも球のつかまりやすさと上がりやすさを兼ね備えています。
T//WORLD TW767には3つのヘッドがありますが、その作り分けをきちんと反映できるシャフトです。ヘッドが3通りでシャフトが4通り。全部で12通りになり、フレックスも重量帯も揃っています。しかもきれいにピッチ分けされていますから、ユーザーにとって最も打ちやすいスペックが容易く見つかるでしょう。4つのバリエーションについては、それぞれの性格分けがハッキリしています。
ヘッドも含めてのコンセプトの中で生まれたシャフトですから、こんな人に合いそう、というイメージが湧きやすい。実際、打ちながら“これはあの人にいいかも”とお客様の顔が浮かんだくらい。ヘッドとのパッケージを考えても買い外れの心配がないと思いますね』

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一般的にハードヒッターにとって純正シャフトは頼りない、などと言われるが、関が自分目線で選べるシャフトもあるのだろうか?
関『僕はフッカーでクラブが下から入る傾向があるので、前述したように中から先調子系はフィットしません。ということで、一番打ちやすかったのは元調子のZ。1球打っただけでコレとわかりました。基本は真っすぐな球が出て、フェードもドローもストレスなく打てます。叩いても問題なかったので信頼できそうですね。狭いホールでもドライバーでいけそうだし、刻まなくてもよくなるので、平均飛距離が伸びると思います。シャフトがヘッドの芯をボールに導いてくれているので真っすぐ飛んでくれるのでしょう』
単品で販売されているシャフトとの差はどれくらいあるのだろう。
関『アフターパーツのシャフトは飛距離に特化したものが多く、ミート率がアップするものは少数派です。結局、芯に当たることを前提としているカスタムシャフトが大多数なので、上級者にはいいとしてもアベレージゴルファーにはちょっとキビしい部分があります。その点、VIZARDはミート率をアップさせてくれるので幅広い層にメリットがある。スペックも豊富ですからカスタムと比べても遜色ない純正シャフトだと思います』
遊び道具ではなく芸術品を作っていると言った方が相応しい
ということで、試打を終えた関。再び工場に戻ると、外出先から戻った工場長の吉村毅さんが関を待っていてくれた。
吉村『試打はいかがでしたか?』
関『ありがとうございました。実際に打ってみて、あらためて製品へのこだわりを感じました。他メーカーは製造工程にもっと機械が入っていると思うし、個体の誤差もあると思います。もちろん各メーカーとも性能が高いのは間違いのないところですが、製品のクオリティという意味では、本間ゴルフのシャフトは世界一じゃないかと思いましたし、同時に性能がよければOKという風潮に一石を投じる存在だとも感じました。ちなみに今は日産で何本くらい作っていらっしゃるんですか?』
吉村『マックスで4000本です』
関『これだけ手をかけて4000本も作れるんですか!』
吉村『以前は2000本が限界でしたが、今は他メーカーさんと同じくらいのレベルになったと思います。トヨタさんの生産工程を参考に無駄を削ぎ落として機械化できるところは機械化して効率アップを図りました』

関『もの作りへの熱い思いがいろんなことを可能にするんでしょうね』
吉村『ありがとうございます。工場をご覧になってお気づきになったかもしれませんが、製造に携わっている人間は、みんな自分の持ち場で扱うものについて楽しそうに話します。担当の人間に言われないとわからない、いや、言われてもわからないようなキズまでしっかりチェックしています。お客様のクレームレベルに合わせて作っているわけではなく、みんな自分のレベルで作っているから“わからないからいいや”では通らないんです。普通はこだわりがあるほど効率は悪くなりますが、そうならないところがウチの強みだと思います。引っ張っている人間が昔のことを知っているので妥協がないんです』
関『もはや遊び道具を作っているというより芸術品を作っているといった方が相応しいですね。でも、遊びに使うからこそ心底気に入ったものがほしい人は日本人には多いしマインドにも合っていると思います。そんな人たちの欲求に応えてくれるメーカーさんだと実感しました』
吉村『日本が作ったクラブはこれだ! という自信をもって作り続けたいですね。外国では性能が同じなら見た目は気にしませんが、同じ赤いシャフトでもちょっと光っていたりすると日本人は気にします。そうした“日本人の目”に常に応えられるようなものを作り続けていきたいですね』
関『今回はありがとうございました。今後も期待しています』

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試打・聞き手:関浩太郎
せき・こうたろう。1974年生まれ。茨城県出身。15歳でゴルフを始め、関東国際CCでプロ研修生として修行後渡米、カリフォルニアのミニツアーを転戦しつつ最新のスイング、クラブ、トレーニング、メンタル理論を学ぶ。帰国後は有名クラブ職人に弟子入りし、フィッティング理論、クラフト技術を学んだ。現在はプロコーチ、クラフトマンとしてアマチュアゴルファーの悩みを解決中。『SEKI GOLF CLUB 目黒』主宰。

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