アイアン・ユーティリティが『ちゃんと飛ぶ』本当に正しいボール位置
吉本巧のゴルフギア教室 第55回
ユーティリティはロフト角でボール位置が変わる
次にUTですが、こちらはロフト角によってボール位置が変わり、28度前後なら左右センターよりボール半個分左、22~25度なら左右センターよりボール1個分左、22度以下であればボール1.5個分左です。7番アイアン以下のボール位置が左右センターの人は、順に6番、5番、4番アイアンと同じ位置になります。
UTで基準にするなら、使っているプレーヤーが多い22~25度。25度よりもロフトが増えたら右へボール半個分、減れば左へボール半個分と考えるとわかりやすいかもしれません。

ダフるから「右に置く」は、スイングをこわす原因になる
覚えておいていただきたいのは、通常のスイングでショットするなら左右センターより右には置かないこと。入射角が鋭角になるため、ピンポイントでインパクトしなければならなかったり、打点が不安定になったり、バンスが使えなくなります。「ダフるからボールを右に置く」という人もいますが、これもおすすめできません。ダフるのはスイングに原因があり、仮にダフらなくなったとしてもその場しのぎにしかなりません。そのまま続けると、ダウンスイングで腰を使えない、手打ちになる、左体重で打てない、などスイングが蝕まれていきます。
また、ドライバーからウェッジまで全ての番手で左カカト延長線上に置くという手法もあります。この場合、全番手同じ位置なのでわかりやすく、毎回同じところに置けるのがメリットですが、ダウンスイングで腰をしっかり回し、ターゲット方向に体重を移動させつつ打てればいいですが簡単ではありません。そもそもこのボール位置は、ゴルフ界の帝王・ジャック・ニクラウスのものなので“コピる”のは難しいのです。
ボール位置は個人差があっていい要素ですが、アイアンとUTの場合、左右センターよりも右や左カカト延長線上はよくありません。6~8番アイアンで左右センターにし、それを基準に左にズラしてアジャストすることをおすすめします。
アイアンとUTのボール位置の目安
・7番アイアン以下/左右センター
・6番アイアン&UT28度/左右センターよりボール半個分左
・5番アイアン&UT22~25度/左右センターよりボール1個分左
・4番アイアン&UT21度以下/左右センターよりボール1.5個分左

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吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。