バックスイングで体が回らない人に「背すじを伸ばせ」は逆効果! アドレスは自然体が一番です
勝又優美は見た!「そのスイング改造、いりません」Case.5

これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンしてきた勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」と、その解決方法を紹介するシリーズ。ゴルフが好きだからこそ陥りがちな”スイング改造の落とし穴”。今回のテーマは「背すじを伸ばしたアドレス」。軸を保って体を回転させるために必要と言われるが、やり方を間違えるとヤバいらしい。
アドレスをキレイにしよう! という試みが捻転不足の原因になっていた!?
40歳代から上の年齢の方々は、少なからず「背すじを伸ばしてアドレスする」というフレーズを見聞きしたことがあると思います。アドレスで背中が丸いプロがいないことや、丸まっているとバックスイングで上体が回らず、下半身と上半身の捻転差が作れないから、と言われています。
確かにアドレスで背中が丸いと、お尻が落ちたり、お腹が前に出る体勢になって体が回りづらくなることは事実です。見た目もカッコ悪いですから矯正しようと頑張っている方も多いでしょう。ただ、何事も過ぎたるは及ばざるが如しで、背すじを伸ばそうとして胸を張ったり、背筋に力を入れてお尻を突き出す格好になると逆効果です。
このようにすると必要以上に腰が反って、いわゆる“反り腰”になります。中にはそれを意識することで、ほどよく背すじが伸びた状態になる人もいるかもしれませんが、やはり少数派で、大抵の人はスムーズに動けなくなります。それどころか、無理をすると腰を傷めることにもなりかねません。

プロのアドレスを統計的に見ると、飛球線後方から見た場合に腰が10度程度、胸が30度くらい傾くのが自然です。そもそも腰と胸は合体した一つのパーツではなく別々に動かしたい。腰は胸がたくさん動くための支えのような存在なのですが、反り腰になると腰が傾きすぎて腰と胸が一緒に動いてしまいます。本来はある程度腰をロックして胸を回したいのですが、それができないわけです。

ということで、背すじを伸ばす意識でアドレスしている人で、体が回らない、あるいは回しづらい人は、反り腰になっているかもしれません。そんな人は背中をちょっと丸くしてみてください。ただし、丸めすぎても胸椎が動かなくなりますから、一旦反らせてから背中を丸めるといいでしょう。

目安としては、背中にクラブをあててみて、腰とクラブの間にたくさん隙間ができているようなら反りすぎ。背中にクラブを当てて真っすぐに立ち、そのまま骨盤を10度程度前傾させるだけでOKです。


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勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。