ウェッジのネックが長いのはこのため? プロは芯を外してアプローチを打っている!

ウェッジのネックはアイアンに比べてはるかに長くなっている。この設計、実は打点とスイートスポットをズラすためのものだった!?
単品販売されているウェッジのほとんどは、アイアンに比べてネックが長くなっています。

ウェッジのネックが長いのは、重心(スイートスポット)の位置を打点からズラすためです。こうすることで、スイートスポットに当てにくくしています。ウェッジ以外のクラブは打点とスイートスポットを合わせるように設計されていますが、ウェッジだけはズラして設計されています。

あえて打点とスイートスポットを“ズラ”している理由は二つあります。一つめはボール初速が出ないようにするためです。ウェッジは飛ばさないためのクラブですから、ボール初速が出て飛びすぎるのを避けるということです。二つめはスピンがかかりやすくするためです。ネックを長くすることで高重心になって、スイートスポットよりやや下でボールを打つことになります。こうすることでギア効果でスピンがかかりやすくなります。
スイートスポットと打点がズレるとミスショットになりそうですが、ウェッジはヘッドが重く(ドライバーのヘッド重量は200g前後なのに対してウェッジは300g前後)、アプローチショットはヘッドスピードが低いのでスイートスポットと打点がズレてもミスショットになるほどの当たり負けは起こりません。
それよりも、ボール初速が出にくいので、短い距離でもしっかり振ることが出来て、さらにギア効果が加わるのでスピンがかかって止まる球が打てるということになります。
ウェッジのネックが長い効果をまとめると
ウェッジのネックが長い効果をまとめると
ネックが長い → 高重心になる → スイートスポットがヒール寄りの高い位置になる → ギア効果が得られると同時に初速が出にくい → 打つ距離に対してしっかり振ることが出来る → スピンがかかって止まる球を打ちやすい

実際にプロゴルファーは、この現象を利用しながらアプローチをしています。ウェッジのフェースを開いて、センターからトゥ側に当てることで、ボール初速を抑え、球離れを遅らせて、ボールをフェースに乗せて運ぶようにしてスピンをかけながら、キャリーをコントロールしています。

芯に当てないことで、初速を抑えてスピンをかけるというのがアプローチのコツで、ウェッジはそれに合わせた設計になっているということです。

ウェッジの練習で、ボールをヒットして飛ばすのではなく、弾かずに乗せて運ぶ感覚を探ってみてください。この感覚が身につけば、アプローチが格段に上達するはずです。
高橋良明(たかはし・よしあき)
1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。ツアーにチャレンジする傍ら、多くのゴルフメディアでクラブの試打を行って来たベテランテスター。現在はアマチュアのレッスンを行っている。サザンヤードCC所属。

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