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【絶対に置いてはいけないボール位置】なぜ長いクラブほどボール位置が左になるのか知ってる?

吉本巧のゴルフギア教室 第75回

2025/07/12 ゴルフサプリ編集部

ご存知の通り、ショットを打つ際のボール位置は、番手が上がる(長くなる)ほど左寄りになります。でも、なぜそうなるのか知っているでしょうか? これを知らないと未来永劫正しいボール位置はわからないままかもしれません。

ボールがインパクト時のスイング軸の延長上にあったら左過ぎ

結論から先に言うと、適正なボール位置は、インパクト時に上半身の軸がどれくらい傾いているかによって決まります。当然ながら軸の傾きには個人差がありますから、厳密に言うとプレーヤー個々で変わり、さらには個々の調子によっても変わります。

では、順に説明していきましょう。ショットを打つ時には上体が右に傾くためスイング軸が右傾します。なぜ右傾するかといえば、右手が下にあって右肩が下がることに加え、ダウンスイング~インパクトで左右の腰の高さが変わるから。腰の高低差は個人差があるものの、多かれ少なかれ左腰が右腰より高くなるため、その上に乗った上半身が右に傾くわけです。

付け加えておくと、切り返しからダウンスイングの過程では腰が先行して回るのが理想とされていますが、同時に左腰は左斜め方向に上昇し、これが左右の腰の高低差を生んでいます。左腰の上昇度合いも番手によって変わり、短い番手ほど地面と平行に近づいて上昇が抑えられます。そのためドライバーよりアイアンの方がスイング軸の傾きが少ない状態でインパクトを迎えるわけです。

インパクト時にスイング軸が右に傾く度合いが大きいクラブほどボール位置が左寄りになる理由は以下の通り。

ダウンスイングからフォローでは、しなったシャフトがしなり戻り、真っすぐに復元してからしなり返ります。復元したタイミングでインパクトできると、しなり返る際に発生するエネルギーを使ってボールを弾き飛ばせます。
つまり、シャフトが真っすぐになるところにボールがあるとシャフトのしなりを存分に使えるので、そこがベストなボール位置となります。

ベストなボール位置を見つけるには、自分のインパクト時の画像や映像を見ることです。インパクト時のスイング軸の右傾は人によって違いますが、右傾が多くても少なくてもスイング軸の延長線上にボールがあったら左過ぎ。これだとシャフトがしなり返ってからボールに当たるため、打球が失速したり、すくい打ちになって飛びません。こうなっている人は、今のボール位置よから少し右に寄せる必要があります。

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ここでクラブに目を向けてみましょう。ドライバー、フェアウェイウッド(以下FW)、ユーティリティ(以下UT)、アイアンで分けると、ティアップしたボールをアッパー軌道で打つドライバーは、スイング軸の傾きが最も大きいためボール位置は左になり、グリップ位置よりもヘッドがターゲット側にくるヘッドファーストで打つ感じになります。これがFWになるとドライバーほど右傾せずヘッドも先行しませんが、多少そうなるのでボール位置はやや左寄りがいい。

UTになると右傾はさらに抑えられ、シャフトが地面と90度になったあたりでインパクトを迎えます。ただし、これはロフト22度くらいのUTの場合で、それよりロフトが立っているとFWと同程度にヘッドファーストで打つ感じになります。なので22度以下ならボール位置は真ん中、それより少ないロフトなら幾分左寄りが適切です。アイアンになるとさらに右傾が減り、ショートアイアンでは腰のラインが地面と平行に近くなりますからボール位置は真ん中が最適。腰自体が回転するのに伴って、ヘッドよりグリップが先行するハンドファーストのインパクトになります。

こうなるとヘッドの入射角も適正になり、ドライバーはアッパーブロー、FWはほんの少しアッパーブローからレベルブロー、UTはレベルブロー(ロフト22度の場合)、アイアンはダウンブローのヘッド軌道になります。

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極端な話、全番手でインパクト時のスイング軸の傾きが同じなら、番手によってボール位置を変える必要はありません。でも、そうはならないので変えなければいけない。アマチュアの方の場合、スイング軸の傾きが少ないにも関わらず、長い番手でボール位置が左過ぎる傾向があるということです。

とはいえ、個人差はあるものの、多くのゴルファーは適正範囲にボールを置けています。位置を変えると言ってもボール1~1個半くらいの範囲ですからすぐに対応できます。言っておきたいのはボール位置ありきではいけないということ。たとえフラットで良好なライでも、調子によってはボール位置をちょっと変えた方がいい時があることを知っておいてください。

吉本巧

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

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