パーがとれればバーディ感覚、長いパー3は短いパー4と考える

パーで収めるのが一番難しいホールはパー3だと僕は思います。距離が短いから簡単、と思っているアマチュアの方が多いですが、プロの場合はボギーを打たないのが大前提。そう考えた時にパー4とパー5は1~2回失敗があってもパーを拾えますが、パー3だと1つ失敗したら完璧にリカバリーできない限りボギーになってしまう。だから難しいのです。

パー3にはバンカーや池を巧みに配すなどワナを張り巡らせたホールが多いし、世界の名物ホールに名を連ねるパー3もまた多い。例えばオーガスタナショナルGCの12番は、距離こそ長くないものの世界のトッププレーヤーが毎年四苦八苦させられます。ちなみにこのホールは、スコットランド・ノースベリックゴルフリンクスの15番パー3、通称“レダン”が原型と言われています。グリーンの横幅が奥行より長く、ティイングエリアに対しグリーンが斜めに(左サイドが右サイドよりも遠い)レイアウトされているのがレダンの特徴。グリーン手前はバンカーなどがガードしています。レダンとはクリミア戦争で難攻不落と言われたロシア軍の要塞だそうで、これを手本にしたパー3が日本を含めた世界中にあってゴルファーを苦しめています。

パー3攻略のコツは、まずどんなホールかを理解することですが、最終的にはハザードをどう避けるか、グリーンのどこを狙うか、といった当たり前のことをどうやるかに落ち着きます。入門編ならグリーンセンターを狙うのが定番。ピンに向かって打つと、ピンに近いサイドに外した場合にアプローチが難しくなりますから、外すならピンに遠いサイド。その方が手前の広さを使えるので寄せやすいと思います。もっとも、外すエリアのマネジメントはグリーンを狙う全てのショットに必要なことでパー3に限ったことではありません。

厄介なのは長いパー3。みなさんはもっぱらパー3を“ショートホール”と呼びますが、僕は父親に「パー3のことをショートと呼ぶな!」と言われてきました。パー3の中にはショートホールもあればロングホールもあるというわけです。確かに200ヤードはショートではありません。180ヤードでも簡単じゃないので、ピンは狙わずグリーンの幅に打っていく感覚。中にはグリーン手前に大きな木があるのに200ヤード打たされるホールもあります。ちょっと間違えれば池ポチャのホールも多い。パー3で池に入れるとほぼダボですから、距離の長いパー3は短いパー4と考えて臨みます。パーがとれたらバーディ感覚。男子プロでもそうそう乗りませんから、ボギーになっても相対的に見たら大ケガにはなりません。

あまりに長いホールを除けば、パー3では距離に対して目一杯のクラブは持たず、余裕のある長めの番手で余裕をもったスイングをして距離をコントロールする意識が大事だと思います。特に短いクラブで打つ120~130ヤードのホールでは振り回すことなく狙う雰囲気で臨めるといい。100ヤードだったらアプローチのイメージです。また、打ち上げや、すごい打ち下ろしもパー3の特徴なので、そういうホールでは風など自然のハザードや番手選択にも気をつけないといけません。

グリーンの難易度はコースによると思いますが、総じて距離が長いホールはグリーン周りがシンプルなことが多く、短いほどワナが多い印象があります。後者ではハザードが絡むところで勝負をかけるのか刻むのか、プレースタイルや目標スコアに対してどう攻めるのかがポイントになります。いずれにしてもボギーでよれば無理にワンオンする必要はありません。例えば自分にとって距離が長いパー3なら短いパー4と考えて手前に刻む。寄せワンがとれれば前述のようにパーでもバーディのような感覚になれます。

攻略にあたってぜひやっていただきたいのはティアップした球を打つ練習。これをやっている人はほとんどいないと思います。そのせいもあってアマチュアの方はティアップが高すぎます。指2本分くらい高くする人さえいる。これでは球が上がりすぎてショートするのが目に見えています。地面スレスレで地面にあるよりは打ちやすいくらいの方が、その後のショットへの影響も少ない。すごい高さでカチ上げる人を見ると、次のショットはどう打つんだろうと思います。

パー3は難しいですから、1ラウンドでパー3が4ホール=パー12として、それをパープレーやアンダーで回れていたらショットの調子がいいと判断しています。逆にパー3のスコアが散らかっていたらショットが悪い証拠。それでもまあまあのスコアで上がれたら、ショットが悪い中で頑張ったなと思います。

ということで、いかにパー3でスコアを崩さないかがスコアメイクのカギになる。みんなにパーのチャンスがあるけれど、背中合わせにダボが手をこまねいているのもパー3。本当の難しさがわかってくるとゴルフのレベルが上がってきた感じがするかもしれません。

石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。