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林からのレイアップ。100切り、90切りを目指すならアイアンで低く打ち出せ!

吉本巧のゴルフギア教室 第77回

2025/07/26 ゴルフサプリ編集部

100切りや90切りを目指す人が避けて通れないトラブル。とりわけ林に入った時にどう対処するかは目標達成を左右する大きな要因になります。

オーバーとショート、リスクが少ない方を選び覚悟を決めて打つ

林の中から打つ場合に最優先させるべきは木に当てないことです。当ててキンコンカンは絶対にダメなので、木の枝より低く打ち出さなければいけません。脱出ルートが下になければ上の空間を狙わざるをえませんが、アマチュアの方は下から出せるにもかかわらず、距離を欲張って上を狙うことが多い。これではコースの思う壺なので100や90切りを狙うなら確実に下から抜いた方がいいと思います。

使用クラブは5、6番アイアン。最近は5番アイアンがない人も多いですがロフト的には5番が最適。6番だとちょっと上がって怖い感じがあります。私のお客さんには林専用に5番を入れる贅沢なセットアップの人もいます。もっともストロングロフトのアイアンならば6番でもいいかもしれません。ボールからフェアウェイ(=出したいところ)が近ければロフトが寝たクラブでも何とかなりますが、奥深いところから打つケースほどロフトの立ったクラブを使うと覚えておきましょう。

フェアウェイウッド(以下FW)やユーティティ(以下UT)を使う手もありますが、このレベルの人にはおすすめしません。FWは地面がデコボコしていると打球が低過ぎて跳ね上がったり、先のラフにザザザッと引っかかって止まるなど、キャリー不足になる危険があります。また、UTも含めてソールが広いクラブは、地面や見えない木の根っ子に弾き返されてチョロみたいになることがあります。

これらのリスクを考慮すると5、6番アイアンでのパンチショットが一番安全。ダフらないようボールを右寄りに置いてダウンブローに打ち込みます。ボールに当てたら終わりでフォローはとらなくてOKです。アライメントも大事で、方向合わせが適当だと低く打ててもキンコンカンになるので、打つ前にボールの後方から飛球線を確認し、打ち出し方向を決めましょう。パットと同じルーティンでアドレスしてもいいかもしれません。いずれにしてもパンチショットで20~30ヤード打つ練習はしておきたいところ。ノーマルショットにもメリットをもたらすので時間の無駄にはなりません。このメニューから練習をスタートするといいと思います。

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一番難しいのは距離感を出すこと。ショートもオーバーもダメですが、モヤモヤしたまま打つとミスを助長します。打つ前にオーバーとショートのどちらが大ケガにならないかを検分し、例えばオーバーの方がリスクが少なければ「オーバーでもOK!」と開き直ることです。右ドッグレッグのホールでティショットを右の林に入れて出すとしたらオーバーの方がいい、など答えが出やすいこともあるので、よく考えてから実行しましょう。

これはグリーン周りの林でも同じ。特にベアグラウンドやそれに近い状況ではバンスがあるウェッジを使ってはいけません。バンス12度以上はNG、10度がギリギリで、できれば8度以下。ロフトで言うなら56度以下です。要はボールを上げるのは諦めないといけない。8番アイアンからピッチングウェッジくらいまでで転がす前提で対処します。

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ちなみに、私にとってグリーン周りのトラブルの友は9番アイアンです。ミート率と距離感のバランスがよく、打球がそこそこ上がって飛んでくれます。なので迷ったら9番に頼る。そのせいもあってか、いつの間にか調子が悪くなると9番を打つようになっていました。当たる確率が高く、何でも受け入れてくれる母なるクラブといったところです。

打ち方はダウンブロー気味にヘッドを入れます。グリーン手前でワンクッションからツークッション入れて乗せるイメージです。こちらもアドレスでボールをやや右に置いてハンドファーストが強めのアドレスをとります。ダウンブローに入れようとするほどダフるのでセットアップだけ変え、小文字の「y」のイメージでインパクトしましょう。林はそもそも打ってはいけない場所ですから、少なくとも0.5打は失うつもりで臨むことです。

林に比べれば楽ですが、カラーとラフと境目で、ボールがラフに寄りかかるように止まってテークバックがとりづらいアプローチになることがあります。気にせず打てれば一番ですが、ラフがキツかったり、気になって打てないようなら、サンドウェッジのリーディングエッジがボールの赤道あたりにくるようヘッドを浮かせて構え、エッジでコツンと打つとテークバック時の芝の抵抗が和らぎます。こんな時はチッパーがあると安心。アプローチのミスが命取りになる傾向がある人は入れてもいいかもしれません。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

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