最新ドライバーの進化度|軸廻り慣性モーメントと重心角で解析
令和モデルはこんなに違う!10年前、20年前、過去モデルとの比較で見る!
最新作はホントにいいの?
毎年、ニューモデルが発売されるけれど、前のモデルとそんなに変わらないのでは?と思う人は多いはず。しかし同じメーカー、同じシリーズの過去モデルと比較すると大きく進化していることがわかる。令和モデルと言える最新のドライバーはどんな特性を持っているのか?過去モデルとの比較で探った。
●最新ドライバーの進化度|軸廻り慣性モーメントと重心角で解析
(1/7):10年前、20年前、過去モデルとの比較で見る!
(2/7):オノフKURO 2020モデル【グロ−ブライド】
(3/7):ピン G410 LST【ピンゴルフジャパン】
(4/7):ツアーB JGR(2020)【ブリヂストンスポーツ】
(5/7):RMX 120 & 220【ヤマハ】
(6/7):NEWエッグ5500【プロギア】
(7/7):タイトリストTS1【 アクシネット ジャパン】/ ツアーワールド XP-1【 本間ゴルフ】
杉山公平(ドクター スギ)
大手クラブメーカーで27年間クラブ開発に携わる。現在では大手ゴルフ量販、二木ゴルフで取り扱うクラブすべてを分析し、各店の店員にクラブフィッティングを指導している。クラブ分析&フィッティングのプロ。
初代 VS 10代目ゼクシオ 20年でこんなに変化していた!
最新作は曲がり幅が減ってミスヒットしても飛ぶ!
20年前と比較すると見た目だけでもこんなに違う!
今やアベレージゴルファー向けモデルとして絶大な人気を誇るゼクシオが誕生したのが2000年なので、ほぼ20年前のモデルの代表として、シリーズ最新モデルの「ゼクシオテン」と比較した。
実物大写真の比較でわかる通り、初代ゼクシオは305㎤でかなり小ぶりに見える。当時はこれでも大型ヘッドだったから、今では見慣れた460㎤ヘッドの大きさが改めて感じられる。ヘッド体積は1・5倍、ヘッドの慣性モーメントもほぼ同等の1・45倍。
重心深度も深くなり、重心角も大きくなっているのだが、この違いでどんな効果が得られるのか?ゴルフクラブ分析のプロ、ドクタースギこと杉山に解説をお願いした。
慣性モーメントがUPすると曲がり幅が減る
慣性モーメントが大きいとミスヒット時のヘッドの回転が小さくなり、曲がり幅が減る。
フェースの進化でミスヒット時の飛距離ロスが小さくなった
最新ドライバーは偏肉構造やカップフェース等でオフセンターヒット時の反発力を高めています。だから、ミスヒットでもボール初速が落ちずに飛距離ロスが少なくなります。
フェース面積だけではなく、反発力が高いエリアも拡大。
過去モデルと最新モデルを数値で比較
ネック軸周り慣性モーメントと重心アングルで性格がわかる
重心角の大小で球のつかまりやすさが変わり、ネック軸周り慣性モーメントの大小でヘッドの直進性が変わります。この二つでチャート化するとクラブの性格がわかり、A、B、Cの3タイプに分類することができます。
重心角
この数値が大きいほど、インパクト時にフェースが開きにくくなり、球のつかまりがよくなる。
ネック軸周り慣性モーメント
この数値が大きいとヘッドの直進性が高まり、ヘッドがターンするスピードがゆっくりになる。
Aタイプ | ヘッドの直進性が高く自然と球がつかまるオートマチックタイプ |
Bタイプ | ニュートラルな球のつかまりと適度な直進性のセミオートマタイプオートマタイプ |
Cタイプ | 球のつかまりが控えめで操作性の高いマニュアルタイプ |
大型化した10年前は球のつかまりが向上しなかった
10年前は460㎤に大型化したが、重心位置を設計する余裕がなかった。慣性モーメントは向上したが重心角を大きくできず球のつかまりは向上しなかった。その後の進化で現在のやさしさが達成できた。
ドクタースギからのお知らせ
全国の二木ゴルフ(試打スペース未設置店を除く)では、球のつかまりとヘッドの操作性を最適化する、重心角、ネック軸周り慣性モーメントによるフィッティングを行っています。ぜひご利用ください。
取材協力/タイムジップス24、二木ゴルフ
GOLF TODAY本誌 No.568 89〜91ページより