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ゴルフ『3大スイング理論』|ピート・コーウェンの「スパイラルスイング」

''芯に当たる''スイング大改革|あなたに合ったスイング理論を見つけて飛距離アップ!PART2

2020/01/07 ゴルフサプリ編集部

欧米ツアーで活躍するコーチたちは、常に最新の知識を採り入れ、スイング理論をアップデートすることに余念がない。毎年のように新たな理論がトレンドとなるのはそのため。ツアーで注目を集める、有名プロコーチ3人による、「3大スイング理論」を、吉田洋一郎プロがやさしく解説する。

●''芯に当たる''スイング大改革|あなたに合ったスイング理論を見つけて飛距離アップ!PART2
(1/4):[吉田洋一郎が上手に要約]海外ツアーで話題をさらった『3大スイング理論』の芯喰いポイントいいとこ取り!!
(2/4):1|デビッド・レッドベターの「Aスイング」
(3/4):2|ピート・コーウェンの「スパイラルスイング」
(4/4):3|クリス・オコネルの「ワンプレーンスイング」

ステンソン、ウェストウッドのコーチの理論は『下半身を動かして』上半身を安定させる

ピート・コーウェン
Pete Cowen

コーウェンは数多くのメジャー優勝者を輩出していて、その実績から、世界中のプロが教えを乞いに彼のもとを訪れる。ステンソンも彼がメジャー優勝に導いた教え子のひとり。

リー・ウェストウッド

ピート・コーウェンが指導した選手には、リー・ウェストウッド、ローリー・マキロイ、グレーム・マクダウェルなどメジャーチャンプが多数。現在はヘンリク・ステンソンらをコーチしている。

ゴルフ『3大スイング理論』ピート・コーウェンの「スパイラルスイング」を解説

体をタテに使うので 軸ブレが起きない

「スパイラルスイング」というと、ネジれを使った「らせん状」のスイングを想像するかもしれないが、実際は、テークバックで体の右サイドを切り上げ、インパクトで真下方向に力を加えつつ左サイドを切り上げていくという、タテ方向への左右の切り替え動作がメインのスイングだ。

「『スパイラルスイング』のタテの動きは、ちょうど空手の『瓦割り』の動作に似ています。腰をヨコ回転させるのではなく、股関節を使って斜め上に切り上げるため、左右への軸ブレが起きづらいのがメリットです。下半身を積極的に動かすことで、逆に上半身は安定し、ダウンスイングのクラブ軌道が一定になるのも、芯に当たりやすくなるポイントでしょう」(吉田プロ)。

下半身を強く鋭く使うのが特徴

ヘンリク・ステンソンのように、左右の足の曲げ伸ばしを積極的に使い、股関節をタテに切り上げることで、軸の横ずれや上体の揺れを抑えて打つのが、「スパイラルスイング」の特徴。

テークバックでも横ずれが少ない

右股関節を切り上げるようにして、体の右サイドをタテに動かすので、上体をまったく右にずらさずにトップまで上げることができる。

「瓦割り」のイメージで体をタテに使っていく

「スパイラル」の言葉とは裏腹に、体をタテに切り上げるのがポイント。空手の「瓦割り」で、右こぶしを上方向に引き上げ(テークバック)、下向きに打ち下ろす(インパクト)のに似ている。

テークバック|右腰を斜め上に引き上げる

右のフロントポケットを斜め上に引っ張り上げるイメージで、股関節を切り上げる。右腰をずらすことなく、腰を回転させられる。

インパクト|左ヒザを伸ばして左股関節を切り上げる

左ヒザを伸ばすことで左腰の回転がうながされ、左股関節が切れ上がる。振り下ろす右こぶし(クラブ)には、下向きの加速度が働く。

『瓦割り』動作が作る「スパイラルスイング」の3つの効果

スイング改善効果がかなり高い

「瓦割り」のような体使いで、強くボールとコンタクトする力を発生させる「スパイラルスイング」。芯に当たりやすくなる秘密とは?

「ダウンスイングで左ヒザを伸ばして左腰を切り上げるので、左腰が目標方向にスライドしすぎることがなく、逆に引けてしまうこともないというのが最大の利点です。また、右こぶしを下向きに打ち下ろすように、下方向にクラブを振り下ろせるので、シャフトを寝かせてあおるような打ち方の人はスイングが改善する可能性が高いです。さらに、ボールに強い圧力をかけて打てるので、初速アップやアイアンでのスピン量増加(安定)といった効果も期待できます」(吉田プロ)。

「瓦割り」には想像以上の「芯食い」効果があったのだ。

[効果①]左腰をずらさずにクラブを下ろせる

左腰がスライドしたり、引けたりすると、最下点の位置がバラバラになり芯を外しやすくなる。左腰を切り上げて回すことで、左腰がずれなくなり、最下点の位置が一定になる。

左腰を目標方向に突き出してしまう

左腰が引けて回転してしまう

[効果②]クラブを立てて下ろしやすい

体のヨコ回転イメージが強すぎると、シャフトが寝た状態になり、振り遅れる。体をタテに動かすことで、クラブもタテに動きやすくなり、より直線的な軌道でインパクトしやすくなる。

手元が浮いてシャフトが寝てしまう
ダウンスイングでは、手元を下げながら回転しないと、シャフトが寝て振り遅れ状態になり、フェースが開いてインパクトを迎えてしまう。

[効果③]ボールに対して強い圧力をかけられ

トップからいったん沈み込むようにして左足裏に圧力をかけ、地面から跳ね返る力を利用して左サイドを切り上げる。両手で何かを押さえつけるイメージを持つとうまく沈み込める。

右肩を支点に手を下げていく
ダウンスイングで右肩が前に出ると、クラブの位置エネルギーをうまく利用できない(写真左)。右肩を支点にして、右ヒジを伸ばしていくと、クラブが「落ちる」力を使える(写真右)。

GOLF TODAY本誌 No.571 56〜59ページより


[吉田洋一郎が 上手に要約]海外ツアーで話題をさらった『3大スイング理論』の芯喰いポイントいいとこ取り!!(3/4)


(4/4)へ続く

【シリーズ一覧】
PART1:世界一のボールストライカー【モー・ノーマンに学ぶ】 “芯に当たる” ハンマー打法(1/2)
PART1:世界一のボールストライカー【モー・ノーマンに学ぶ】 “芯に当たる” ハンマー打法(2/2)
PART2:海外ツアーで話題!ゴルフ『3大スイング理論』を吉田洋一郎が解説
PART2:ゴルフ『3大スイング理論』|デビッド・レッドベターの「Aスイング」
PART2:ゴルフ『3大スイング理論』|ピート・コーウェンの「スパイラルスイング」
PART2:ゴルフ『3大スイング理論』|クリス・オコネルの「ワンプレーンスイング」
PART3:ベン・ホーガンの『オンプレーン』スイング理論はどう生かせばいい!?

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