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NEW・名門ゴルフ場|志摩シーサイドカンツリークラブ(福岡県糸島市)Part4

リサオの『NEW・名門ゴルフ場』探訪

2020/02/25 リサオ(大隈 里砂)

名門ゴルフ場という言葉があります。名門テニスクラブはあるけど、名門卓球場は聞かないので、たぶんハイソサエティの人々が集まる方便にスポーツを使った名残なんでしょう。イメージは歴史がある、閉鎖的、特権階級。でもゴルフは草っ原で始まったスポーツ。肩肘張らない開かれた名門ゴルフ場も実は数多くあるのです

文・写真・絵
リサオ(大隈里砂)
元超インドア文学少女。遅咲き・狂い咲きゴルファー

コラムニスト、似顔絵作家、イラストレーター、フォトグラファー、翻訳家(英語)として(自称・ひとりスキマ産業)、主にゴルフ業界で活動

プレースタイル:山っ気たっぷり、策に溺れ式
特技:無駄ロブ(不必要なロブショット)
好きなライ:ヘンなライ、下りフック
苦手なライ:フェアウェイど真ん中
好きな言葉:インテンショナル
子供の頃の将来の夢:電気屋さん

前回出てきた志摩シーから見える『ナゾのとんがり君』の正体は後で必ず明かします。が、その前に

ナゾのとんがり君

コロナとゴルフ

まずはこれも前回懸念を記したジャパンゴルフフェアについて。予感はあったけど中止の決定が発表されました。予感はあったけどほんとうに無念です。でも、ただでさえあまりイメージのよろしくないゴルフ業界のイベントで、何か起こったらどんだけ攻撃されるだろうかと考えたら当然の結論なんだと思います。ほんとは国に後押ししてほしかったんだろうけど国はなにしろ無策。よく映画に出てくるアメリカのCDC(Centers for Disease Control and Prevention=アメリカ疾病予防管理センター)みたいな本気の政府機関がないとはいえ、ちょっと意味のわからないことが多すぎて、日本人でいることのありがたみは加速度をつけて薄れていくばかり。

そもそもアメリカにあって日本にないものの筆頭はリーダーシップです。もちろん全面的にアメリカがいいと言ってるわけじゃない。日本もアメリカも他の国もそれぞれ一長一短。ただ有事の際のアメリカ人の行動力や結束力は天下一品なんですよね。普段あんなにバラバラなひとたちがビシっとまとまる。かたや単一民族とかいっててもまとまることがない日本。やっぱり「世の中にはいろんなひとがいる」「ひとは違ってあたりまえ」「だからわかり合うためには努力が必要」と思っている場合と、「話さなくても分かるよね」と思い込んでる場合の違いかなと。たとえば日本人同士だけど別の地域、たとえば東京と大阪のカップルだったら、意見の相違があったとき「同じ日本人なのに」「なんでわかんないの?」と思いがちだけど、それが日本人とパナマ人だったらそもそも「別の国のひと」「わからなくて当然」という認識が双方にあるから「なんでわかんないの?」という一方的な言葉は出てこない。ちゃんと伝えようと努力するのです。でも東京と大阪だってぜーんぜん文化違うんだから本来は外国人と接するときと同じ努力をしないといけないのです。つい忘れちゃうんだけどね。

そういうわけで、日本だってほんとはいろんなひとたちの集合体なので、それをまとめるのにリーダーの存在はあったほうがいい。特に有事の際に必要なものは強いリーダーによる強いリーダーシップだと思うのです。極論を言えばそれが正しいかどうかは二の次で、とにかく混乱してわちゃわちゃしてるときに、とりあえず皆が同じ方向に向かって頑張れるように引っ張ってくれればいいの。まずは。そうじゃないから情報がいろいろ錯綜して、買い占めが起こったり差別が起こったりする。

とはいえ、治療法がわからない新しい病気、なにが正しい情報でなにが正しくないのかも不明なら、怖がるのも仕方がないとは思います。今はできることをするしかないです。よく寝てよく食べて免疫力をキープする。手を洗う。具合が悪いのに会社に行かない。会社は出社を強要しない

リーダーシップといえば、ゴルフ業界は不思議なところで、ものすごいたくさんの数の関連団体があります。リーダーが出てくる余地がない。毎年『ゴルフ新年会』をやってるとこだけでも16団体。

日本ゴルフ協会
日本プロゴルフ協会
日本女子プロゴルフ協会
日本ゴルフツアー機構
日本ゴルフトーナメント振興協会
日本ゴルフ用品協会
日本ゴルフ場事業協会
日本パブリックゴルフ協会
全日本ゴルフ練習場連盟
日本芝草研究開発機構
全国ゴルフ会員権取引業団体連絡会
全国ゴルフ場関連事業協会
日本ゴルフ関連団体協議会
日本ゴルフコース設計者協会
日本ゴルフジャーナリスト協会
日本ゴルフ場支配人会連合会

それぞれの役割があるだろうから、こんだけ細かくなっちゃうのは仕方のないことなのかもしれませんが、意見はなかなかまとまらないでしょうね。それぞれ独自に動いてて意見をまとめる必要もないのかもしれないけど。ちなみにテニスは日本テニス協会ただひとつです。ある年のゴルフ新年会のゲストスピーカーとして呼ばれた日本テニス協会の元会長は団体の数に驚愕しておられました。ジュニア育成について講演されたようですが、そういえばゴルフ業界のジュニア育成はどこの団体の管轄なのかな?全日本ゴルフ練習場連盟が育成に関わっているのは知ってる。NPO法人の日本ジュニアゴルファー育成協議会というのも見つけました。他にもあるかもしれない。よく考えたらすごい不親切だよね。自分発信してるだけで使う人(ゴルファー)のこと考えてるとは思えない。どこの門戸を叩けばいいのかわかりづらい。

それにしてもいっぱい団体があるなかで何故か「16団体」って耳にすることが多いんだけど、それはなんでかなと思ったら『日本ゴルフサミット会議』というのに所属しているのが16団体なんだそうです。そこがやってる新年会だから16団体が参加してたってことでした。一応その会議がゴルフ業界を牛耳っているということですかね。んー、一般ゴルファー代表がいないね。使う側の意見も聞いてもらわないとね。聞かないからとんちんかんなことになるんじゃないかしらね。そういえば何年か前にそこから一つの団体が脱会したって聞いた記憶がある。それで大騒ぎしてた記憶も。そのときから何か変わったかな?

ちなみにジャパンゴルフフェアを取り仕切っているのは日本ゴルフ用品協会です。その名の通りゴルフ用品に携わる企業が所属している団体で、メーカー各社が持ち回りでゴルフフェアのために企画や準備、人員手配などをしています。なので出展社の多くが主催側の立場であり、主催側だけど出展料を払うというややこしい感じ?なのかな。中止はどれほど苦渋の選択だったか。来月初旬の国内女子開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」を無観客試合にする決定を下したダイキン工業もしかり。もちろんゴルフ業界だけでなく、どこもかしこも今回のコロナによる打撃は計り知れない。わたし個人もくらってます。「ピンチはチャンス」ってなかなか思えないけど、切り替えるしかない。

切り替えにぴったりなのはお外で遊ぶゴルフ

んじゃーどうやって切り替えるかというと、体を動かすことが一番効果が高いと思うのです。元・文学少女で何日も家から一歩も出なくてへーきだったわたしが感慨を込めて言いますが、運動はだいじ。そもそも頭ばっかり使って体を動かさないと、交感神経優位になって常に気が立って、不眠症になる可能性も高くなる。頭は疲れてるから疲れてるって認識してるんだけど、なにしろ体が疲れてないと眠くならないのです。当時のわたしは1冊でも多く本が読めれば幸せだったので、眠くならないことは僥倖でしかなかったけど、いま思うとあれをひとは不眠症と呼ぶのかもしれません。本をたくさん読みたい気持ちは今でも変わらないけど、ゴルフを始めたら本を読むと眠くなるようになっちゃって痛し痒し。でもゴルフしてなかったら真っ先にコロナに罹ってたかもしれないからよかった。なにしろ平熱がすごく上がったのです。ゴルフ以前は36度前後ぐらい、夏でも靴下が欠かせない寒がりだったのが、ゴルフ以降は37度弱になって冬でも裸足。だから免疫力の違いはモーレツにあると思う。そういえば、大昔にアメリカで学生やってたとき、37度5分ぐらいの熱で休むって連絡入れたら「そんなの熱のうちに入らないだろ」って先生に言われて、ああ、アメリカ人は日本人より平熱高いんだなあって知ったのでした。そりゃー晴れたら半袖だよなあ、勝ち目ないわって。でも今はちょっとしたアメリカ人ぐらいの平熱なので37度5分は誤差の範囲だし、晴れたら半袖のひとになって、勝ち目出てきたかも。

とにかく、晴れた日にはゴルフに行って、お日様の力を借りてビタミンDを生成して免疫力を上げて、血行促進もして、セロトニンも分泌させるのがよろしいかと。そしたらお腹もすくし眠くもなるから快食快眠も実行できるしね。どうにかこうにか気分転換しましょう。それが志摩シーみたいに景色の美しいコースなら効果は絶大ですよ。

というわけで志摩シー後半戦。INスタートだったのでOUTコース

INコースのほうが海が見えるホールが多かったかな。とりあえず1番PAR4は海に向かって打つべしのホール。グリーン手前にあるヤシの木が厄介なんだけど可愛いから許す。ここにどんどんどーんと松の木が並んでたらモーレツにイヤだけど、ヤシの木なら許す。だって可愛いもん。南国気分になれるもん。

海だ海だー
まあね、
ジャマだけどね

まあ攻略法としては、右のお山から攻めるのが、いいかどうかは別として、わたしのボールが右に行っちゃったので右の山から打つことになって結果的に攻略はできませんでしたが木は避けられた。なにしろこのときゴルフの調子がまーひどかったので。再訪したらどうするかなあ。風が吹いたら攻略もなにもないだろうなあ。ああ!海からの風がそこそこ強くてティーショットしたボールがぺろーんってめくれて持ってかれちゃうような日にもっかいやりたい!(Mっ気ではなく冒険家気質)。

そうそう、これがわたしの攻略(してない)ルート。グリーン奥のヤシの木軍団がダンシングチームのようです
グリーン奥からの振り返り(*用語集参照)。ヤシの木3本組はけっこう背が高い

NEW・ゴルフ用語集

丘・あの丘:ティーイングエリア
シグネチャーホール間:『シグネチャーホール・間』ではなく『シグネチャー・ホール間』。ホールとホールの間、ホールと全然関係ないとこで印象に残る場所のこと
振り返りのススメ:飛球線方向以外を見る、特に振り返ると驚きの美しい光景が広がってることが多いよ!
どんぶらこ:アップダウンやアンジュレーションのこと
サバンナ系:アフリカのサバンナを彷彿とさせる光景が見られるコースのこと
イケメン:池を見ると平常心を失って力が入っちゃう池メンタル=お豆腐メンタルのこと
ゴルフがちょっと慌ただしい:ヘタの言い換え。上手い人でもヘタな日はある。だからって心底ヘタってことじゃない。そもそもゴルフは上手いヘタじゃない。評価基準は楽しいか楽しくないか、楽しんでるか楽しめてないかだけ
その日暮らし:お悩みや平均スコアを聞かれたときの返事。用例「いやあ、なにしろ人生もゴルフもその日暮らしなもんで」
とんがり君:山でも岩でも、とんがってる物体はみなとんがり君
ゴルフは禅問答:良かれと思ってやったことが報われない。ケガしてるのに普段より良かったりする。ゴルフって何が幸いして災いするのかサッパリわからん。いっそトンチをきかせればいいとゆーの?

2番PAR3は海沿い
2番の丘(*用語集参照)からグリーンと逆方向に広がる光景。くあーっ、ここでピクニックしたいわ
そして丘からグリーン方向よりちょい左を見た感じ。ずんぐりむっくりソテツ君たち
そこそこ距離のあるPAR3。海風吹いたら難儀やろなあ
  • ソテツの花のなれの果てかな

  • 美しい景色に見とれてると傾斜にやられる

そしてまたとんがり君。たぶん5番から
南国情緒
ボールクリーナー?も南国情緒で可愛かった

ほんとはこっちのとんがり君のほうが気になるんだけど、だーれも名前を知らなかった。お茶屋のおねえさんも。しかしこんだけ大きいのに何故みな見過ごすのか。名前知りたくならないのかな?ゴルフしかしないゴルファーが多いってことなんだろうけどさ。でも検索魔のわたしでも調べられなかった。知りたい知りたい名前が知りたい!

  • こんなに目立つのに

  • 誰か名前を教えてお願いします。これは6番の振り返り

お茶屋さんといえば、なんとおにぎりが売ってて感動しました。同伴者が途中で「お腹すいたすいた」「おにぎりあるかなー。売り切れてたらショック」って騒いでて、なんのこっちゃと思ってたらお茶屋さんのことだった。福岡では多いのか、それとも志摩シーだからなのかわからないけど、おにぎり初めて見たから嬉しくなって思わず手が出た。騒いでた食いしん坊はお昼前なのに2個買ってた。ちなみにこのひと。

ちゃんとおにぎり持ってる。お腹がすかないようにパンも持たせてあげました
8番打ち下ろしのPAR3。バンカー効きまくり
ああ帰りたくない

熱い糸島の熱々スポット

Part1でも書きましたが、志摩シーのある糸島は今とてもアツいとこらしく、デートスポットもたくさんあるんだそうです。で、冒頭で言ってたとんがり君を近くで見たいかと聞かれたので見たいと答えたら連れてってくださいました。海沿いを車で10分強。到着したのは

二見ヶ浦(ふたみがうら)

またの名を、桜井二見ヶ浦(さくらいふたみがうら)、筑前二見ヶ浦(ちくぜんふたみがうら)。玄海国定公園内に位置する海岸で、日本の渚百選日本の夕陽百選に選ばれているところ。その海岸から約150m離れた海中にあるのが冒頭のとんがり君、というかとんがり君たち、夫婦岩です。

バス停

ギリギリ回りきれるかなってぐらいの遅いスタート時間だったおかげでちょうど夕暮れ時に見ることができました。百選の名に恥じない美しい光景、刻々と変化する色彩、超絶満喫いたしました。

ふたつの岩は大しめ縄で結ばれてる。鳥居もあります。
日本の夕陽百選です
日本の夕陽百選。ほんの数分でこの色
志摩シーからの角度では、まさかこんな感じになってるとはわからなかった

んもーほんと、絵になるわあ。ああ、絵になるといえば夫婦岩よりもだいぶん大きいであろうあのもうひとつのとんがり君だってなかなか絵になると思うよ。どうして何の名物にもなっていないのかしら。百歩譲って名物にならなくてもいいから名前は知られていてほしい。どうしよう名無しの権兵衛だったら。

もうひとつのとんがり君

それにしても福岡は奥が深そうです。そして志摩シーも。風が吹いたらどんだけ別の顔を見せてくれるのか。また行かなくちゃいけません。80年代にミケール・ブラウン(Miquel Brown)が "So Many Men So Little Time"ってディスコミュージックを歌ってましたが、いつも思う。

"So Many Golf Courses So Little Time" だし
"So Many Books So Little Time" だし
"So Many Beautiful Places So Little Time" だし。

人生短すぎる。今を生きねば。

志摩シーサイドカンツリークラブ公式サイト

【シリーズ一覧】
●第1回:NEW・名門ゴルフ場|サニーカントリークラブ(長野県佐久市) Part1
●第2回:NEW・名門ゴルフ場|太平洋クラブ佐野ヒルクレストコース(栃木県佐野市)Part1
●第3回:NEW・名門ゴルフ場|四街道ゴルフ倶楽部(千葉県四街道市)番外編 Part1
●第4回:NEW・名門ゴルフ場|キングダムゴルフクラブ(埼玉県秩父市)Part1
●第5回:NEW・名門ゴルフ場|志摩シーサイドカンツリークラブ(福岡県糸島市)Part1
●第6回:NEW・名門ゴルフ場|千代田カントリークラブ(茨城県かすみがうら市)Part1
●第7回:NEW・名門ゴルフ場|吉井カントリークラブ(群馬県高崎市)Part1