シニア向けドライバー飛距離アップのための効率的なインパクト
浅くて低いインパクトが超効率的[PART3]
50歳を過ぎた今でも圧倒的なドライバー飛距離を誇るシニアプロ。パワーが落ちてもドライバーを飛ばせるのは、効率よくインパクトできているからにほかならない。ということで百戦錬磨の猛者がひしめくシニアトーナメントに潜入。元気なおじさんたちがやっている飛ばしのひと工夫を聞いてみた。
シニア向けドライバー飛距離アップのひと工夫|アドレス編 Part1
Akihito Yokoyama
横山明仁
(国際スポーツ振興協会)
1961年1月12日生まれ。東京都出身。1985年プロ入り。ツアー通算3勝。2011年にシニア入り。ニーアクションを巧みに使ったスイングが特徴的なショットメーカー。
肩幅スタンスで軽やかに振ろう!
スタンス幅を肩幅よりも狭くする
スタンス幅は最大でも肩幅程度。体重移動は考えず、その場で軽やかにクルッと体を回す。
《ポイント》右に体重移動すると左に戻せない
▼目指すのはこっち!
体の動きが安定してインパクトの再現性も高まる
飛ばすにはインパクトである程度強くボールを叩く必要があります。スタンス幅を広くとり体重移動を使って打つのはそのためですが、反面ヘッドをボールにぶつけに行くと右に飛びやすい。大きく体重移動することでヨコの動きが入り、フェースが開きやすくなるのです。
効率よく飛ばすにはヨコの動きをなくすこと。すなわちスタンス幅を狭めて軸がヨコにブレないようにする。体重移動は考えず、その場で軽やかにクルッと回ればミート率が上がって効率よく飛ばせます。動きが安定するのでインパクトの再現性も高まりますよ。
シニア向けドライバー飛距離アップのひと工夫|アドレス編 Part2
Mitsutaka Kusakabe
日下部光隆
(長谷川トラストグループ)
1968年11月10日生まれ。神奈川県出身。1991年プロ入り。ツアー通算3勝。2007年にツアーを離れたあと復活。主宰するWASSゴルフスタジオではアマチュアも指導する。
右肩を下げて構えヘッドを下から入れる
ロフトを寝かせずアッパーにインパクト
右傾したまま振るとヘッドが最下点から上昇する過程でボールをヒット。ロフトが寝ず純粋なアッパーブローになる。
《ポイント1》アドレスでは右肩を下げ、左腰を上げる
構える時は右肩を下げつつ左腰を上げて上体を右に傾け、肩と腰のラインが左上を指すようにする。
《ポイント2》高めにティアップする
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ヘッドのクラウンからボールが半個分出るくらい高めにティアップするとダフりづらい。
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ボールをつかまえようとしてヘッドを上から入れるのがインパクト効率低下の原因。
右体重になってもいいので下から上に振り抜く
効率よく飛ばすにはアッパーブローで打つこと。うまく当たらなかったりボールがつかまらないと、どうしてもヘッドを上から入れがちですが、これだとロフトが立ってボールが上がりません。効率のいいインパクトにはならないし、そもそも飛びません。
アッパーブローとはインパクトロフトが大きくならないよう、ヘッドが上昇する過程でボールをとらえることですが、それにはアドレスを工夫するのが近道です。
やや高めにティアップし、ボールの位置が内側すぎないようにセットしたら、左腰を高くして右肩を下げ、やや大きめに体を右に傾けて構えましょう。これができたらボールを右から見ながらスイングします。右体重のままでもいいので、下から上に振り抜くイメージでインパクトすればOKです。
▼ボールを右から見ながらスイング
《フェースの上側で打つと飛ぶ》
昨今の大型ヘッドドライバーはフェースの真ん中よりやや上でヒットするとスピン量が適度に落ちて飛ぶ。その意味でもヘッドは下から入れるべきだ。
シニア向けドライバー飛距離アップのひと工夫|バックスイング編
Shinichi Akiba
秋葉真一
(関文グループ)
1965年7月15日生まれ。神奈川県出身。1993年プロ入り。シニアルーキーの2015年にツアー初勝利。昨年は「ノジマチャンピオン」ほか2勝をマークし賞金ランク5位。
バックスイングで頭を右に動かす
胸を右に向けることを最優先させる
「頭を動かさない」は忘れる。頭は右に動いても構わないので、体をできる限り回して胸を右に向ける。
《ポイント》フォローは左に振り抜く
“インパクトで終わり” はダメ。しっかりスイン グすることだけを心が けフォローではクラブ を左に振り抜こう。
インパクトまではトップの頭の位置をキープ
手で当てに行くのが効率よく飛ばせない原因。要は体が動いていないということなのでバックスイングで体を右に回しましょう。「頭を動かさない」と念じている人も多いですが、この際、頭は動いていい。右にスライドしても構わないので上体の右回転を最優先させます。
その代わりインパクトまではトップの頭の位置をキープする。さらにフォローではクラブを左に振り抜いてください。スイングは回転運動なので当てて終わりになったり、フォローでヘッドを真っすぐ出すのはNGです。
シニア向けドライバー飛距離アップのひと工夫|ダウンスイング編 Part1
Shoichi Kuwabara
桑原将一
(フリー)
1969年1月21日生まれ。愛媛県出身。1991年プロ入り。ツアー通算1勝。昨年からシニアに参戦し、出場13試合で予選落ちは1回のみ。「ノジマチャンピオン」では3位タイに。
両ヒジの間隔を変えずに振り下ろす
ヒジの間隔がヘッドの軌道を安定させる
切り返しで両ヒジの間隔が広がらなければ右手首の角度がキープされやすい。ヘッドの軌道が安定するので効率よくインパクトできる。
《手首の角度が保てればタメができる》
右手を使って手首がほどけるとヒジの間隔が広がる
効率よく打てないのは右手を使うからだと思います。特にダウンスイングで右手を使うと手首の角度がほどけてヘッドが先に下り、インパクトで詰まったりヘッド外から入ります。
これを防ぐには、左右両ヒジの間隔を保ってクラブを下ろすといい。右手を使って手首がほどけると、もれなく右ワキが空いて両ヒジの間隔が開きます。
間隔が開かないようにしておけば右手首の角度がキープされる。手首がほどけないので、ある程度一定のタイミングでヘッドが遅れて下りてくるようにもなりインパクト効率がよくなります。
両ヒジの間隔が広がると手打ちに。ヘッドの軌道が不規則になって当たらない。
シニア向けドライバー飛距離アップのひと工夫|ダウンスイング編 Part2
Tsuyoshi Yoneyama
米山 剛
(ヨネックス)
1965年3月15日生まれ。神奈川県出身。1987年プロ入り。ツアー通算6勝。シニア入り後の2017年に2勝を挙げ賞金ランク2位に。2018年には「日本プロシニア」でメジャー初制覇。
左肩を開かずにダウンスイング
左肩が過度なフェースの開閉を抑える
左肩が開かなければインパクトでフェースがスクエアに戻る。フェースの開きすぎや閉じすぎによる打ち損じが激減する。
《ポイント》ダウンスイングで手を真下に下ろす
《腰は多少開いても肩は開いちゃダメ!》
《下半身から切り返さない》
トップ以降は手や上体からはもちろん、下半身から切り返すと左肩が開きやすい。
クラブを時計回りに動かすイメージでダウンスイング
飛ばそうとすると力が入ったり速く振ろうとしがちなので、まずはそうならないように心がけます。
その前提で気をつけるのは、ダウンスイングで左肩を開かないこと。開くとヘッドが外から入って、コスり球になり飛びません。さらに、それを嫌がってつかまえに行ってダフる、といった悪循環になる可能性もあります。
左肩を閉じて打つポイントは、おとなしく切り返すこと。下半身リードでグッと踏み込むと開きやすく、手で下ろすとヘッドが外から下りてしまうので、僕はクラブを時計回りに動かすイメージでダウンスイングに移ります。手を真下に下ろすようにしてもいいでしょう。
取材トーナメント/ISPSハンダカップ・フィランスロピーシニアトーナメント
GOLF TODAY本誌 No.573 54〜61ページより
【シリーズ一覧】
●PART1:シャローイングで飛んで曲がらないドライバーショットを習得!
●PART2:マシュー・ウルフのつかまるシャローイングを三觜喜一プロが解説!
●PART3:シニア向けドライバー飛距離アップのための効率的なインパクト
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