目澤秀憲コーチが河本結に教えたゴルフスイング向上ドリル
人気プロコーチの"80台が出る"即効スイング向上ドリルPART1
常に選手の近くで好不調を管理し、自身の持つ知識を惜しむことなく伝え、選手が誰よりも信頼をおくプロコーチ。今回はプロコーチとして実績を残す5名に、選手の悩みにどう答えたのか、2020年シーズンに向けてどんなアドバイスをしたのか、詳しく教えてもらった!
目澤秀憲
めざわ・ひでのり
1991年生まれ。日大ゴルフ部で活躍後米国に留学しTPI(TitlistPerformanceInstitute)Level2のライセンスを取得。帰国後「エースゴルフクラブ」にてレッスンをスタートすると16年には日本に数名しかいないTPILevel3を取得した。
教えているのは→
河本 結(リコー)
かわもと・ゆい
1998年8月29日生まれ。愛媛県出身。昨年のアクサレディスでプロ初優勝を挙げ賞金ランク6位に。今季はQTを9位通過しLPGAツアーに挑戦中。
河本結リクエスト|ショットの攻め手を増やしたい
ヘッドの最下点を変えてボールを打ち分ける
ショットのバリエーションを増やすには、まずニュートラルショットを知ること。具体的にはボール位置が真ん中にくるようセットアップして、ストレートボールを打ちます。
それができたらボールを右に置き、ハンドファーストに構えてドロー、逆にフェードならほんの少し左に置き、少し上から当ててコントロールします。ヘッドの最下点がどこになるかで、違ったボールが打てることを理解してもらいました。例えばアイアンなら最下点が先になると右に飛びやすく、近いと左に飛びやすいといった感じです。
こうして出球の方向を確認しながら打つうちに感覚がつかめて、スイング自体を大きく変えずとも、ドローとフェードを打ち分けられるようになりました
ボール位置と向きを変えて打ち分けてみる
ドロー、フェードを打ち分ける第一歩は、打ちやすい構え方をしてスイングイメージを変えること。ドローは右を向いてボールを右に置き、フェードは左を向いて左に置く。
ボールを右に1個分遠ざけてドロー、左に1個分近づけてフェード
ボール位置を変えれば構えも変わる
河本結リクエスト|ドロー、フェードでライン出ししたい
『低い球』でストレート、ドロー、フェードを打ち分ける
球筋の打ち分けとともにドライバー、アイアンとも7~8割のショットでラインを出してコントロールすることもススメました。左右どちらかにOBがある時などで危険なサイドを消せるからです。低い球でストレート、ドロー、フェードを打ち分けます。
基本的にはボール位置によってセットアップを変えればいいのですが、テークバックやフォローのイメージを変えることで精度が上がります。ドローの場合、テークバックはややインに上がり、フォローはアウトに出る。フェードは同様に真っすぐ上がってインに振り抜きます。テークバックかフォロー、どちらかをイメージするだけでOKです。
コントロールショットとはいえ、スイングがゆるんではいけないので体のバランスを保ちたい。そのために、上体の伸びすぎと左右への動きを抑えて、体が絞られる感じがわかる左ページのドリルも並行してやりました。
ドロー|テークバックはややインサイド。フォローでフェースはやや左を向く
フェード|真っすぐテークバック。左向きフェースをインサイドに振り抜く
肩の動かし方体感ドリル|トップとフォローでクラブの先端をボールに向ける
バックスイングでグリップエンド、フォローではヘッドがボールを指すように動くと肩がタテに回って体がねじれる。
河本結テーマ|どんなライからでも確実に寄せる
入射角が一定になるようにセットアップを変えた
通常のショットに近い構えで、ヘッドを上から刺すように打つ方法もありですが、米ツアーではピン位置もライもさまざま。それに対応できるようセットアップを変えました。
ポイントはターゲットに対して真っすぐ立ちすぎないこと。左ツマ先を開き、両ツマ先のラインと肩のラインを揃えます。こうすると頭の位置がボールに対して左にきて入射角が一定になります。真っすぐ立つと入射角が安定しないため、どうしても不要な動作が入ってしまう。
ヘッドの入り方を動きで変えるのはリスキーなので、セットアップで変えたわけです。
あとはリズム。早めで飛びすぎる傾向があったので、クラブを中心に動きながらお腹でコントロール。グリップエンドが上下動しないよう一定のプレーンで振るようにしました。
肩のラインを左に向ける
左ツマ先を開き、左右のツマ先を結ぶラインと肩のラインを平行にする。
フェースはスクエア、左ツマ先を左に向ける
肩のラインが左を向くと頭の位置がボールより左にきてハンドファーストの構えになる。
入射角の安定体感ドリル|右手一本打ちで出球を揃える
ターゲット方向を向いて立つと右手一本でポンポン打てる。
右手でクラブを持ち、体を開いて構えたら右手一本で打つ。スクエアに立つと当たりづらいが開いて立つと当たる。その感じをつかみつつ、出球を揃える。揃ってくれば入射角は安定している。
グリップエンドの高さが変わらず入射角が安定
上下動を入れなくても球がつかまる。グリップエンドの高さが一定になりストローク軌道も安定する。
河本結クエスチョン|タッチが安定せずラインが読めない
シャフトと腕が一体化する形にグリップを修正
アクセルを踏みすぎる感じでフェースが閉じ気味に当たり、強めのボールになるのがパットの問題点でした。強く打つからラインを直線で読む傾向になってオーバーする。それを嫌って弱くなるというパターンが出ていました。
修正点はセットアップ。頭が両肩の真ん中になく、少し右に傾いていたのです。これだと軌道がアウトサイドインになり、ボールが左にないと打てません。必然的にアッパーに当たりすぎていたので、頭と肩が真ん中にくるように修正しました。
また、手のヒラ全体で握っていたグリップを指で握るようにもしました。深く握って角度がつくと、手首は使えても腹筋や広背筋が動きづらくなる。パターと腕が一体化する形にしたところ、不安定だったボールスピードが一定になりました。
×頭が両肩の真ん中になく右に傾いていた
○真っすぐ構えてボール位置と軌道を修正
親指と人差し指の付け根側が同じ高さになるように持つ
手のヒラ全体で握っていたのを指で握る形に
体幹ストロークドリル|2本の棒をV字に持ってストローク
体幹を使ってストロークできる。
小さなフォローでもコロがりがよくなった
撮影協力/エースゴルフクラブ赤坂、エースゴルフクラブ神保町、ユニオンゴルフクラブ、大箱根カントリークラブ、東京ゴルフスタジオ
GOLF TODAY本誌 No.574 22〜29ページより
【人気プロコーチの"80台が出る"即効スイング向上ドリルシリーズ一覧】
●PART1:目澤秀憲コーチが河本結に教えたゴルフスイング向上ドリル
●PART2:石井忍コーチが大西葵に教えたゴルフスイング向上ドリル
●PART3:大西翔太コーチが青木瀬令奈に教えたゴルフスイング向上ドリル
●PART4:三觜善一コーチが辻梨恵&髙木優奈に教えたゴルフスイング向上ドリル
●PART5:阿河 徹コーチが森田遥&金田久美子&塩見好輝に教えたゴルフスイング向上ドリル
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・河本結のドライバー飛距離アップ術|右足の踏み込みを回転力に変換して飛距離ドーン!!!【前編】
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