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100ヤード以内の距離感は3本のウェッジと4つの振り幅で作る!

アイアンの距離感の作り方 Part2

2021/08/04 ゴルフトゥデイ 編集部

ピンまで100ヤード以内のショットといえば80ヤードや50ヤードなど距離は様々で距離感のコントロールが結構難しいもの。どうすればイメージどおりの距離が打てるようになるのか。コントロールショットの達人、田島創志に打ち方のコツや考え方を訊いた。

GOLF TODAY本誌 No.590 24〜31ページより

コンパクトなスイングでもカラダをしっかり回転。笹生優花もヘッドの加速感で距離感をコントロールする。

笹生優花
さそう・ゆうか(ICTSI)2001年6月20日生まれ、東京都出身。166㎝。2020年シーズンに彗星のごとく登場。圧倒的な飛距離を武器にNEC軽井沢72ゴルフトーナメント、ニトリレディスで2大会連続優勝。21年の全米女子オープンは19歳で史上最年少優勝の大活躍。。

3本のウェッジと4つの振り幅で自分の距離感を作る

100ヤード以内のコントロールショットでは1本のウェッジで距離を打ち分ける人とか、PWとSWの2本をうまく使い分ける人もいます。でも色々な距離に対応しやすくするためにはPW、AW、SWの3本を入れておくことを勧めます。ウェッジは番手よりもロフト角で考えましょう。6度差ずつで揃えれば、距離感のコントロールがしやすくなります。

もう一つは4つのスイング(振り幅)で距離を打ち分けること。フルスイングとフルスイングの4分の3くらいの振り幅(スリークォータースイング)、2分の1くらいの振り幅(ハーフスイング)、4分の1くらいの振り幅(クォータースイング)の4段階で、スイングの大きさを変えて打つことを覚えましょう。

PW、AW、SWの3本で4つのスイングで打つと距離がどう変化するかを練習で把握しておくのが、100ヤード以内の距離感の作り方の基本です。ドライバーやアイアンの飛距離がゴルファー個々で差が表われるように、それぞれの振り幅の飛距離も違います。距離感というのは自分自身で作らないとダメなのです。

アイアンの距離感を作るには、まずフルショットの概念を変えること。トップとフィニッシュをコンパクトに抑えて一定した距離を打つ意識を持とう。

”8時〜4時”のスイングから距離感を作るのが大正解!

パットを打つときは手首を固定し、肩の回転だけでストローク。この動きをベースと考えて、4分の1のスイングから距離感を作っていくと効率よく上達できる。
8時から4時までのスイングも手首を固定し、カラダの回転でスイング。インパクトを緩めないでしっかりヒットすることが大切だ。

距離感を養うには緩めないで打つことが絶対条件

PWのフルショットで110ヤード飛ぶから、50ヤードの距離はその半分くらいの振り幅で打てばいい。このように考える人が多いのですが、大きいスイングを基準にして考えると、インパクトで減速したり緩んだりして、ダフリやトップなどのミスが生じやすくなります。小さいスイングでボールに上手く当てようとして、手首をこねることにもなります。こうした負の連鎖が、距離感を狂わせる一番の原因です。

PW、AW、SWのそれぞれのフルスイングの距離を知ることも大事ですが、距離感は小さいスイングから作りましょう。時計盤の8時から4時までの4分の1スイングで、手首を使わずにカラダの回転で打つ基本の動きを覚えてから、9時から3時、10時から2時、そして11時から1時のフルスイングへと進みます。小さいスイングでもカラダの回転主体でスイングすることと、インパクトを緩めないでしっかり振り抜く感覚を大事にしてスイングを大きくしていくのが本当の距離感の作り方です。

フルスイングは11時から1時

100ヤード以内のコントロールショットの場合、SWではフルスイングとなるが、11時~1時のイメージでコンパクトに振る意識を持とう。距離を出そうとして振り回してはいけない。
大きいスイングから振り幅を小さくして距離感を作ろうとするとインパクトで減速したり、緩んだりしてダフリなどのミスが生じやすい。

田島創志のウェッジとスイング別のキャリーの目安

PW、AW、SWの4つのスイングのそれぞれのキャリーを練習でつかんでおこう。PWは2分の1スイング以内、AWは4分の3スイング以内、SWはすべてのスイングで100ヤード以内をカバーできると考えていい。ただし、プロと同じくらいの距離を打とうとして力むのはNGだ。振り幅によってスイングスピードが変わるので2分の1スイングはフルショットの半分の距離が出るとは限らない。

球の高さとヘッドの加速感で距離感を合わせる!

理想は低い角度で飛んでいくライナーボール

距離をしっかり合わせて打ったつもりなのに、手前に大ショートしてしまった。かと思ったらトップ気味に当たってグリーンオーバー。そんなミスを繰り返している人は、高い球をイメージしすぎていることが考えられます。

グリーン周りからロブショットのようにボールを高く上げる場合を除いて、100ヤード以内のショットは基本的にはローボールを打つイメージ。極端にいえば地面すれすれの角度で打ち出して手前からコロがす感覚です。そうすればロフト角どおりにヒットでき、球が適正の高さで上がってイメージどおりの距離感を出しやすいのです。

また私はSWで30ヤード打つときのテークバックから、フィニッシュの高さを変えて30ヤード、40ヤード、50ヤード、60ヤードを打ち分ける練習をよくします。インパクトを通過するヘッドの加速スピードに変化をつけるわけですが、これも自分なりに距離感をコントロールするコツです。最初から球を低く打とうと思えば、ヘッドを加速させやすいことも体感できるはずです。

[ピンまで70ヤード] 低い角度で打ち出すつもりで好結果に!

写真はピンまで70ヤードのショットだが、最初から球を低い角度で打ち出すつもりでスイングすればミート率がアップ。結果としてロフト角度どおりの高さと飛距離が得られる。

イメージはオーバースロー

オーバースローで低くて速い球を投げるような感覚でスイングするのが距離感を合わせるコツだ。

ボールを上げたい場合だけ100ヤード以内では使わない

下手投げで軽くトスする感覚はグリーン周りから高く上げたいアプローチだけ。100ヤード以内のコントロールショットでは上げる意識を持たないこと。

フォロースルーの高さでも距離をコントロールできる

30ヤードのテークバックから、フィニッシュの高さを4段階に変えて距離を打ち分けてみよう。
4分の1スイングのテークバックから、ヘッドの加速スピードを徐々に上げて30Y、40Y、50Y、60Yという具合に距離を伸ばす練習も効果的。スピードを上げればフォロースルーが自然と大きくなることもわかる。

100ヤード以内のショットがすぐに上手くなる速攻練習ドリル

目からの情報に対するカラダの反応力をつけよう

100ヤード以内の距離感を養うというのは、自分の感覚を磨くことに通じます。目標までが70ヤードだから、70ヤードのスイングをしようと思っても距離感がなかなか合いにくいですよね。結局は目で見た感覚で、カラダをどう反応させるかが決め手なのです。

そこでオススメなのが、練習場で目標をランダムに変えて、「あそこを狙って打つ」と決めて打つ練習です。目標までの距離を数値で考えないで、目で見た感覚のままでスイングしましょう。

また腕や手の無駄な動きを省いて、カラダの回転主体で打つ感覚をマスターするためにも片手打ちの練習もぜひ実行してください。

【ドリル1】1球ごとに目標をランダムに変えて打つ

目標までの距離を考えるより見た目の感覚で打つ練習が本当の距離感を養える。

【ドリル2】片手打ちの練習でカラダの回転主体の動きをマスター

ヒジを軽く曲げて構えたら手首の角度をスイング中もしっかりキープ。胸を左右に回して右ヒジを右ワキ腹につけたままでフォロースルー。
インパクトで手首をこねやすい人(左)は片手打ちの練習ではまったく当たらない(右)。

左手打ちでも手首の角度をキープ

①左手打ちの練習では慣れないうちは、右手で左ヒジを軽く押さえてスイングするといい。
②小さいスイングでも腕や手をできるだけ使わず、カラダの回転主体でクラブを振ろう。この基本の動きができている人は、距離感のコントロールもすぐに上手くなる。
③左ワキを締めてスイングすることで、カラダと腕が連動してボールを正確にヒットしやすい。

解説&レッスン

田島創志たじま・そうし
1976年9月25日生まれ、群馬県出身。日大ゴルフ部を経て2000年プロ転向。03年の久光製薬KSBオーガスタ優勝。現在はトーナメント出場の一方でアマチュアレッスンにも取り組む。

協力/武蔵丘ゴルフコース

●アイアンの距離感の作り方
Part1:アイアンの距離感は飛ばさないスイングで作る!!(1/2)
Part1:アイアンの距離感は飛ばさないスイングで作る!!(2/2)
Part2:100ヤード以内の距離感は3本のウェッジと4つの振り幅で作る!
Part3:今度のラウンドですぐに役立つ!1ラウンドで10打縮まる番手選び(1/2)
Part3:今度のラウンドですぐに役立つ!1ラウンドで10打縮まる番手選び(2/2)