適切な番手を選んでミスを回避しよう

ツアーでも距離計の使用が解禁されはじめ、距離計を携帯してラウンドするアマチュアも増えてきました。それ自体はけっこうなことですが、せっかく得られる正確な距離の情報を生かし切れていない人もいます。ピンまでの残りの距離をぴったり打てる番手を機械的に選んでいる人は意外と多く、そういう人に限って基準にしているのが練習場での最大飛距離だったりします。

しかし、コースに出れば地形や風の変化があり、ボールのライもさまざまです。たとえ上手く打てたとしても、飛んだり飛ばなかったりするのが当たり前。プロでも前後左右のブレを見込んで平均飛距離で計算しています。アマチュアが狙った通りの距離を打てるのは1ラウンドでせいぜい1、2回くらいあればいい方でしょう。

大事なことは、そのときの状況の見極め。飛んだり飛ばなかったり、起こり得るミスを想定して、絶対に危険ゾーンにボールが飛ばないクラブを選ぶことです。そうすれば寄せやパターでリカバリーできるので、結果としてミスがミスにはなりません。

1ラウンドで10打縮まる番手選び→【高低差をシンプルに計算する❶】

[打ち上げ]ゆるやかな上りは+1番手、明らかな上りなら+2番手

大きさの基準は残り距離+高低差

打ち上げの場合、残りの水平距離に高低差を足した数字が打つべきおおよその距離になります。例えば、ボール位置からグリーンが10ヤード上っていれば1番手大きなクラブを持ちます。最近は高低差を計測できる距離計も増えていますが、実際のラウンドでは見た目でも判断できます。

誰の目にも明らかに打ち上げている場合は2番手、ゆるい上りなら1番手大きいクラブと覚えてきましょう。また、打ち上げではバックエッジまでの距離を計算して、飛んでもぎりぎり届かない番手を選ぶようにすれば高確率でグリーンに止められることができます。

打ち上げの高さと番手の関係

Case Study 1 高低差の大きい打ち上げ

Case Study 2 高低差の小さい打ち上げ

打ち出しが高過ぎるとグリーンに届かない

大きな番手を持ったときは、それ以外に余計なことをしてはいけません。高さを出そうとして、すくい上げるのは一番禁物。ライがフラットならダフりやすいし、弾道の最高到達点が手前になり早く落下するのでせっかく大きな番手を持ってもグリーンに届かなくなります。打ち上げホールではむしろ目線を低くして、軸が右に傾かないようにしましょう。よほどの崖下からのリカバリーショットでもない限り、どんなに長い番手でもふつうに打てば傾斜地に当たることはありません。

打ち出し角が高いとボールが前に飛ばない

1ラウンドで10打縮まる番手選び→【高低差をシンプルに計算する❷】

[打ち下ろし]ショートアイアンは-1番手ミドルアイアンなら-2番手

フォローの高さを抑えると距離感を出しやすい

打ち下ろしでも打ち上げでも目線はあまり上げないようにします。むしろやや下向きの方が、最下点が左に移ってダウンブローに打てるのでアイアンには好都合です。また、フィニッシュも高い位置まで振り抜かず、フォローを少し抑え気味にした方が距離感を出しやすいです。

大き振り過ぎには注意!

判断に迷ったときはフロントエッジ狙い

打ち下ろしでどれだけ番手を下げるかは残りの距離でも変わってきます。ショートアイアンなら弾道が放物線なので打ち下ろしの影響は意外と小さくなります。結構下っていても1番手くらい下げれば距離が合います。しかし、6Iや7Iになると球が前に飛ぶのでけっこう距離が出てしまいます。同じような高低差でも2番手くらい下げたほうがいいでしょう。

初めて回るコースなどどれだけ飛ぶか予測できないときは、安全策としてフロントエッジまでの距離で計算する方法をオススメします。一番飛んだときにフロントエッジにちょうど届くような短めのクラブを持てば、とりあえずグリーンには乗ります。ピンが手前にあればそれがベストだし、ピンが奥ならそこから1番手上げて、もうちょっと先まで届くようにしましょう。

大きな番手ほど余計に飛ぶ

Case Study 3 高低差の大きい打ち下ろし

打ち上げはバックエッジが基準打ち下ろしはフロントエッジ

1ラウンドで10打縮まる番手選び→【傾斜地から距離を調整する】

傾斜が強くなるほど持つ番手を上げよう

ツマ先上がりはフェースがかぶる

ツマ先上がりでショートアイアンをふつうに構えると、フェースが左を向きます。それを真っすぐに合わせようとすれば、フェースが上を向くのでグリーンに届かなくなります。そこで、ツマ先上がりでは残りの距離よりも大きな番手を持つようにします。フェースを開いて構えることでロフトが増え、元の番手の距離を打てるようになります。番手をどれだけ上げるかは傾斜の度合いによります。

Case Study 4 ツマ先上がり

振れなくなる分をクラブの大きさで補う

ツマ先下がりの場合も傾斜によって使う番手が変わります。小さい番手を持ったり短く持ったりする人もいますが、バランスよく立ってふつうに振り切れるようなら、ノーマルの番手でかまいません。それよりも傾斜がきつく大振りできない場合は、その分だけ飛距離が落ちるので1~2番手上げましょう。

Case Study 5 ツマ先下がり

真っすぐに立てればふつうの番手でもOK

左足上がりの場合は2つの打ち方があり、それによって選ぶべき番手も変わります。傾斜なりに立ってアッパーブローで振っていく方法と、傾斜に少し逆らってダウンブローで打っていく方法です。ゆるい傾斜なら1番手、強めの傾斜に合わせて打つ場合はボールが高く上がって前に飛ばなくなるので、2番手とか3番手とか大きなクラブが必要になります。傾斜に逆らって真っすぐに立って打っていくときはバランスよく振れればノーマルの番手でかまいませんし、大振りできない場合には1つ上の番手を選びましょう。

Case Study 6 左足上がり

Case Study 7 左足上がり

あおり打ちの人は大きな番手もあり

左足下がりにも2種類の打ち方と番手の選択肢があります。基本はノーマルよりも、小さい番手を持ちます。斜面に合わせて立つと、ロフトが減って飛ぶからです。地面の傾斜や自分の立ち方によってロフトが変わってくるので、それに合わせて番手を選びましょう。一方、アマチュアの場合は、ショートアイアンを持つとどうしても球を上げようとしがちです。その結果手前の地面にダフりやすくなります。あおり打つクセのある人はノーマルよりも大きな番手を持ち、あえて球を上げないように打っていきましょう。花道があれば手前からコロがしていく方が大きなミスになりません。

Case Study 8 左足下がり

解説&Lesson

北野正之きたの・まさゆき
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアを指導。ラウンドレッスンではコースマネジメントの指導に力を注いでいる。

協力/サザンヤードカントリークラブ

●アイアンの距離感の作り方
Part1:アイアンの距離感は飛ばさないスイングで作る!!(1/2)
Part1:アイアンの距離感は飛ばさないスイングで作る!!(2/2)
Part2:100ヤード以内の距離感は3本のウェッジと4つの振り幅で作る!
Part3:今度のラウンドですぐに役立つ!1ラウンドで10打縮まる番手選び(1/2)
Part3:今度のラウンドですぐに役立つ!1ラウンドで10打縮まる番手選び(2/2)