パットの距離感はボールを放り投げる感覚 藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方
第6回 距離感を養う
3パットのミスを防ぐには距離感を養うことが必須。感覚や感性といった部分を大事にして自分なりの距離感を手に入れよう。
GOLF TODAY本誌 No.594/124〜127ページより
ボールを放り投げる感覚が大事!
目標を見て投げると誰でも距離感が合う。 この感性をパットに生かそう。
ゴミ箱にゴミを放り投げるように、下手投げでボールをコロがす。練習グリーンで実際に投げてみるのも効果的。
自分が持っている感性を引き出すことが大切
カップまで「5メートルの距離はこの振り幅」「10メートルならこれくらい」というように、振り幅で距離感を作るのがセオリーですが、私はこだわっていません。なぜなら、距離感というのは振り幅を事前に決めるものでなく、自分の感性やイメージによって作り出していくもの、と考えているからです。
野球やテニス、バスケットボールなど数ある球技の中で、振り幅を決めて打つのはゴルフだけです。それはゴルフが難しく、一つの「物差し」として採り入れたほうが簡単でわかりやすいため。この方法でうまくいけば問題ありませんが、距離感が合わずに3パットをくり返してしまう人は、自分が持っている感性をもっと引き出しましょう。
キャッチボールやゴミ箱にゴミを放り投げるときの動作を思い出してください。目標を見て、そこに届かせるにはどのくらいの強さが必要なのかをイメージ。テークバックは気にせず、インパクトからフォローにかけての動きで距離感を作り出しているはずです。それと同様、グリーン上でもフォロー側を重視し、カップを見ながら素振りを行うことがとても大切です。
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テークバックの位置や大きさなどは気にせず、インパクトからフォローにかけての動きを重視。これによりヘッドが前に出て、ボールのコロがりがよくなる。
本番ではカップを見ながら素振りを行い、ボールのコロがりをイメージすることが大切。こうすると、結果的に適正な振り幅になり、距離感が合う。
上りのラインやロングパットは通常より速いボールスピードになるように打ち出す。
ストロークの大きさ、速さ、インパクトの強さを掛け合わせる
キャッチボールで相手が遠くにいるときは、腕を大きく速く振り、ボールスピードを上げる。近くにいるときは、小さく遅く振り、ゆっくり投げますよね。パットも同じ感覚で打ったほうが、距離感が合うというのが私の考え方です。
つまり、ストロークの大きさと速さ、インパクトの強さを掛け合わせ、ボールスピードで距離をコントロールするというわけです。
難しく感じるかもしれませんが、ボールスピードを速くしようとすれば、大きく速く振り、インパクトを強くするため、意識しなくてもストロークが自然に変化します。上りのラインやロングパットになるとショートしてしまう人にとくにオススメです。
インパクト直後の30~50センチが勝負
どのくらいのスピードでボールを打ち出すか。それをイメージし、インパクト直後の30~50センチで表現する。この「表現力」が重要だという。
カップを中心に半径1メートルくらいの円を描きそこに入るように打つ。
ターゲットを大きくしたほうが過度な緊張感やプレッシャーがなくなり、3パットのミスを防止できる。
リラックスして手がスムースに動くため距離感が合う
どんな距離でもカップに入れるつもりで打つというプロもいますが、私の場合は、長い距離ほどターゲットを大きく設定。カップを中心に半径1メートル(直径2メートル)くらいの円を描き、その円の中にボールが入るように打ちます。カップインは狙いません。
その理由は、ターゲットを絞ってシビアに狙うと、繊細なタッチが求められるぶん、力が入り、体の動きが硬くなってしまうからです。
ターゲットを大きく設定すれば、余計なプレッシャーがかからず、リラックスして打てます。こうすると手がスムースに動いてタッチを出しやすくなるため、結果的に距離感が合いやすくなるのです。
芝の明るさで順目と逆目を見極める
距離感を合わせるには、芝目のチェックも欠かせない。芝が陽の光に反射して明るく見えるときは「順目」、全体が暗く濃く見えるときは「逆目」。それを見極めたうえで、ライン読みとタッチを合わせよう。
藤田寛之
ふじた・ひろゆき
(葛城GC)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。ツアー18勝。年齢を重ねるごとに勝ち星を増やし、40代で12勝をマーク。2012年には年間4勝を挙げて43歳にして初の賞金王に輝いた。23年連続で賞金シード入り。得意クラブはパター。
取材協力/葛城ゴルフ倶楽部
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