ゴルフと花粉症2|お湯で流す! こまめにはたく! 花粉を持ち帰らない習慣をつけよう
生涯スポーツ・ゴルフと健康「末長くゴルフを楽しむために」|第7回
まだまだ寒い日は続きますが、花粉の飛散はもう始まっています。今年の飛散量は昨年の1.5倍! 前回はプレー中の防備と薬の飲み方について考えてみました。今回はプレー後の注意点を確認していきましょう。テレビ等のメディアでも活躍する耳鼻科医の水島豪太先生が、「いかにして花粉を自宅に持ち帰らないか」のアイデアをわかりやすく解説してくれます。
■健康指導/水島豪太氏(水島耳鼻咽喉科総括院長 水島耳鼻咽喉科 https://mizushima-ent.com)
お湯で流す! こまめにはたく! 花粉を持ち帰らない習慣をつけよう
ゴルフ場で付着した花粉を持ち帰っていませんか!?
まず、前回のおさらいをしてみましょう。ゴルフのラウンド中は、花粉を付着させないための防備として、
(1)マスクは鼻の形に合わせて隙間がないよう装着
(2)メガネは花粉症用のゴーグルタイプを使う
(3)キャップは頭や髪に花粉を付着させないために有効
(4)ウェアは毛織物ではなく、表面がつるつるしたナイロン素材なら花粉が付着しにくいため最適
ということを確認しました。
実行してみた方は、ある程度の予防効果を実感されたのではないでしょうか?さらにスタートの2〜3時間前に薬を飲んだ方は、花粉症の症状が抑えられて快適にプレーできたことと思います。
ただ、これで万全とはいえないのが花粉症です。油断をすると「ゴルフ場で付着した花粉を家まで持って帰ってしまうからです」と、千葉県市川市・水島耳鼻咽喉科総括院長で耳鼻科医の水島豪太先生はいいます。
せっかく完璧な防備を固めてくしゃみ、鼻水、目のかゆみに悩まされずプレーすることができても、花粉を家に持ち帰ってしまったら台無しです。帰ってからつらい思いをしないよう、プレー後は必ず花粉を落とすようにしましょう。
1クラブハウス脇のシューズクリーナーで落とす
花粉をしっかり落とすには3つのステップがあります。
まず最初のステップは、クラブハウスの出入口付近にあるエアガン式のシューズクリーナーを使い、服に付着している花粉をできるだけ吹き飛ばすことです。花粉症の人もそうでない人も、ほとんどのゴルファーが使っていると思いますが、今の時期はできれば念入りにかけた方がいいようです。
混んでいるときは、ナイロン素材のジャケットなら軽くかけるか手で払うかで済ませ、スラックスなど毛織物だけでも念入りにかけましょう。空気圧が強いので、耳や顔に向けないように気をつけてください。キャップにかける場合は、脱いで手に持ち、まんべんなく花粉を吹き飛ばします。
2キャップやセーターは脱いだらすぐ袋に入れる
次のステップは、プレー時に着ていたウェアを着替えて帰ることです。というのも、シューズクリーナーを使っても花粉は結構残っているからです。入浴後は下着やシャツだけでなく、セーターやスラックスもすべて着替えましょう。
特に、コースで着たセーターやキャップには、繊維の中にまで花粉がいっぱい入り込んでいます。家に持ち帰ったら洗濯するにしても、他の服と分けて扱うのがベターだと水島先生はいいます。
「キャップ、毛織物のセーター、スラックスは、脱いだら軽くはたいてビニール袋に入れ、バッグに入れる時は他の荷物と分けて入れるのがいいでしょう。また、洗濯について『ゴルフウェアを家で洗濯する場合は、家族の洗濯物と分けた方がいいのですか?』と質問されることがあります。どうせ分けるなら家族皆さんの洗濯物を『屋外で着たもの』『室内で着たもの』と大まかに分けるのがオススメです」。
よくいわれていることですが、この時期は洗濯物を屋外に干さず、室内干しや乾燥機を使うに越したことはありません。
3髪と顔はお湯だけでもいいから必ず洗い流そう
3つ目のステップは、「自分自身の洗濯」ともいえる入浴です。
「前回お話ししたように、髪と顔は露出していますから、たとえキャップをかぶっていても花粉はかなり付着しています。プレー後は、ゴルフ場のバスルームで、髪と顔を必ず洗い流しましょう。シャンプーを使わなくても構いません。お湯をかけるだけでも花粉は流れ落ちますよ。同じように顔も洗いますが、フェイスソープがなければお湯で流すだけでOKです」。
女性ゴルファーの場合、ゴルフ場では首から上を洗わないという人も少なくありません。「髪を洗うと乾かすのに時間がかかるから」「顔を洗うとメイクをし直すのが大変だから」、帰宅後ゆっくり洗いたいのもわかります。
しかし、髪にはもっとも花粉が付着しているといっても過言ではありません。マスクをしていても、額や目の周りや耳にも花粉がついているのです。これらの花粉が帰りの車内へ、さらに家へと運び込まれたら、せっかく収まっていた症状を引き起こしてしまいます。
そうならないように「必ずゴルフ場で洗い流してから帰ることが大事です」と水島先生は説明してくれました。
車も家も、入る前に「はたいて落とす」習慣を
1から3までのステップで花粉を落としたら、いよいよ仕上げです。
「ゴルフが終わって帰るときは、車のドアを開ける前に必ず服をはたいてから乗りましょう。自宅に着いたときも玄関前で服をはたいてから家に入ります。花粉のばく露時期にゴルフが引き金となって症状が出ることは往々にしてありますので、今は花粉症の症状がない人も、『はたく習慣』をつけましょう」。
ゴルファーはこまめに花粉を落とす意識をもち、「流す」「はたく」をルーティンにしたいものです。
トシをとれば免疫反応が落ちて症状は落ち着く!?
さて今後、「花粉症が治る日はくるの?」と心配している方も多いでしょう。何年も予防につとめるだけではなく、そろそろ治療も考えた方がいいのか水島先生に教えていただきました。
「治りにくい花粉症も、長い目で見れば、ほとんどの方は症状が出にくくなっていくものです。というのも、加齢により免疫反応が落ちて症状が出にくくなるからです。ただ、今は2回にわたってお話ししたような工夫をしたり、花粉の飛散する時期だけ薬をうまく使って症状を抑えたりする人が多いです。それでも症状が重い方や根治させたいという方は、3年くらいかけて舌下免疫療法を行なう、入院してアレルギーを起こす神経を切除する手術を受ける、といった方法もありますので、まずは耳鼻科を受診してください」。
さまざまなアイデアを試してこの春を乗り越えながら、自分に合う予防法や治療法を見つけてみてはいかがでしょうか。
【花粉症のまとめ】
(1)ホールアウト後に実行すべき3ステップ
・シューズクリーナーでセーター、スラックスに付いた花粉を吹き飛ばす
・ウェアを脱いだらすぐ袋に入れて他の荷物と分ける
・髪と顔はお湯だけでもいいからゴルフ場で流して帰る
(2)入浴後、着替え後の仕上げ
・車のドアを開ける前に、服についた花粉をはたいてから乗車
・玄関前でも服をはたいてから家に入る
(3)花粉症の今後
・加齢により免疫反応が鈍ると症状が出にくくなる
・十分な睡眠をとる、体のケアをする、風邪をひかない
・生活習慣を整えて免疫力が上がると症状が落ち着く
・アイデアと薬をうまく使って改善する
・舌下免疫寮や手術で根治を目指すこともできる
取材・文/野上雅子
水島豪太
医療法人社団則由会総括院長(水島耳鼻咽喉科・千葉県市川市)、AGAヘアクリニック(東京都千代田区、埼玉県大宮市)、東京ミレニアルクリニック(東京都渋谷区)
耳鼻咽喉科専門医。東京医科歯科大学付属病院、土浦協同病院などで研鑽を積み、カリフォルニア大学サンディエゴ校へ留学。2016年から現職。テレビや雑誌等メディアでも活躍中。
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