一振りでスライサーがドローヒッターに! テーラーメイド「ステルスHD」ドライバー
2022ニューモデルを関浩太郎が試打インプレッションVol.5
スイングコーチ兼クラブフィッターの関浩太郎が今回試打したのはテーラーメイド「ステルスHD」ドライバー。HDとは「High Draw」の略。文字通りハイドローで飛ばすというコンセプトで、スライサーでもドローで飛ばせるモデルに仕上げてあるというが、その真相やいかに?
アドレス時の見た目はスタンダードとほぼ同じ
カーボンフェースが話題のステルスだが、シリーズの一角をなすHDは前作「SIM2タイプD」の後継機種と位置付けられている。すなわち、どんなゴルファーにも無理なくハイドローの打球を提供、スコアメイクにおける最大のアドバンテージといえるマックスの飛びを実現する、といったところか。
とはいえ、この手のクラブはフェースが極度に被っていて構えにくいのがもっぱら。ちょっぴり疑心暗鬼になるところだが、アドレスポジションから見たヘッドのシェイプはスタンダードモデルとほとんど変わらない。ライ角はもちろん、フェースアングルも変わらず、いたずらにフェースが被っているわけでもない。ヘッドの座りがよく構えやすいところも一緒だ。
ところがソール側に目を転じると一転して違いが浮き彫りになる。ヒールサイドに機能がまとまっている印象なのだ。「60層のカーボンフェース」により軽量化されたヘッドの余剰重量を活かして、ウエイトの「イナーシャ ジェネレーター」を含む重量ファクターをヒール側に設置する「ハイドローバイアス設計」を採用、というのがメーカーによる説明の要諦。確かに軽く振ってみただけでも、ヘッドの返りがいい感じもするが……。前置きはこれくらいにして関に打ってもらおう。
名前の通りハイドロー。打ち出し角が高い!
すでにHDの事前情報を入手している関。ますは手にして構えてみたインプレッションから。
「ヘッドを中に浮かして持った時に先端側のしなりを感じますね。シャフトはスタンダードと同じスペックのテンセイなのでヘッドのせいですかね。ヘッドの見た目はスタンダードのステルスとほとんど変わりませんが、ヒールサイドのボリュームが少し増えたでしょうか。洋梨型から気持ちボックス型になった気がしますが、これは僕だけの感覚かもしれません」
ということで、やはり見た目の違いはほぼなく、プロの目にかかると微妙な違いがわかる程度にとどまっている。
そのまま打ってもらうとデータ画面に出た放物線が明らかに高い。
「名前の通りハイドローですね。打ち出し角が高い!」
ただ、ボールデータを見ると打ち出し角度が16度、スピン量にいたっては1900しかなかった。
「高打ち出し角で低スピンなのは間違いありません。楽に振って楽にボールがつかまるから楽にドローが打てますね。ただ、このデータはいかんせんスピンが少なすぎ。もう少し抑えて打ってみたいと思います」
スライススイングで打ってもドローになった
ということで、通常なら決してドローしない抑え気味のスイング、つまりアマチュアのスライス系スイングで打ってみた。ところがどっこい、それでもドローが出た。
「強めにスライスをかけるイメージ、具体的には30ヤードくらいスライスするスイングで打ってみたんですが、それでもドローします。明らかにドロー特性が強いですね。この前打ったスタンダードのステルスとシャフトは同じなので、完全にヘッドの特性ですね。このように打つと今のクラブは右にスコーンと抜けて曲がることがあるんですが、その心配がない。ということは大きくスライスする人がそのまま振ればスライスが出ないということになりますね」
どうやら最先端テクノロジーは、重度のスライサーにも効く特効薬の域に達したらしい。スライスで散々痛い目にあってきたゴルファーにとってはまさに“魔法の杖”であり“打出の小槌”のようだ。
ミート率アップで飛距離も折り紙付き
では肝心の飛び性能はどうだろうか。スライスしないだけでも万々歳だが、どうせなら飛んでほしい。ましてや高い買い物、簡単には譲れない。
「そのへんも心配なしで飛んでいますよ。なんと言ってもボール初速が速い。シャフトのバランスがグリップ寄りで長さが45.75インチ、ヘッド重量が200gですから、普通はD3~4くらいのスイングバランスなんですが、測ってみたらD1.5。スタンダードモデルと比べても遜色なく振りやすいです」
これはクラブがカウンターバランスに設られていることもだが、やはりカーボンフェースの反発力の賜物と関は分析する。
「特徴的なのは前作にあったスピードインジェクションがなくなったこと。これは極限まで初速を高めるための仕掛けだったわけですが、それがなくなったということは、フェースの反発力がそれだけ高いということを物語っています」
参考までにデータを紹介すると、ヘッドスピード42m /sでヒットした際のボール初速は61.1m/s。ここからミート率を割り出すと1.4547と見事な数値を叩き出していた。
「3タイプの中ではバックスピンのかかり方が違うので、スライサーの殻がそのまま振れば明らかに飛距離は伸びるでしょう。打ってみると業界がザワつくのがわかりますね」
とことんスイングにテコ入れするか、クラブでスライスを封印するか。あなたはどっちを選びますか?
試打解説/関浩太郎
(せき こうたろう)1974年生まれ、茨城県出身。アメリカで最新のゴルフ理論を学びながら、ミニツアーを転戦。帰国後、クラフト技術を学んだ後、「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰。多くのアマチュアゴルファーのサポートを行い、さまざまなゴルフメディアでも活躍している。
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