ポロシャツ大研究 〜(30年前の)知ってると強い!ポロうんちく物語〜
30年前のゴルフファッションを振り返る Part2【ゴルフトゥデイ創刊600号記念】
ゴルフトゥデイ創刊号をゴルフサプリでご紹介する企画。30年前に掲載されたポロシャツについてのうんちくです!創刊号当時の編集長のコメントとともにお届けします。
GOLF TODAY本誌 創刊号/124~125ページより
ゴルフトゥデイ編集長が当時を振り返る
1970年、80年代の男性ファッション誌といえばMEN’S CLUB(メンズクラブ)がその代表格で、ファッションに造詣が深いライターも多かった。ゴルフの世界でもボビー・ジョーンズやジーン・サラゼンといった初期のスターたちの多くがまとっていた足首を絞ったスラックスを正式にはニッカーボッカーズというが、ファッションを知らない人はニッカポッカなどと言ったりする。
そんな細かなうんちくを覚えておくのもファッション好きにはたまらない。そんなファッション好きの読者の要望に応えた企画だが、やはりメンズククラブで活躍していたイラストレーターの綿谷寛氏の1930年代調の雰囲気ある解説画は、より味わいを増すのではと思って作られた企画だ。
創刊号の記事内容を覗いてみよう
30年前のゴルフトゥデイ創刊号の実際の記事内容です。あくまでも過去のもので、現在は販売終了しているものも多数あります。30年前の文章、写真をご覧いただいてコンテンツとして楽しんでいただければと思います。
2021夏ゴルフ|白パンに映えるおすすめ主役ポロ
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ポロシャツの歴史から紐解いていこう
ポロシャツの歴史は、1920年代にさかのぼる。フランスの名テニスプレーヤー、ルネ・ラコステが「動きやすく、吸汗性・発熱性がある、テニスにぴったりなシャツはないか」と、”マイ・シャーツ”を英国にオーダーしたことに始まるのである。
その当時、テニス用シャツの素材は布吊、英国のポロ競技用のシャツは優れたジャージーを用いていた。ラコステは、このジャージー素材に目をつけたのである。
そして、そのポロ競技用のシャツをベースに、テニスのシャツ作りを開始したのである。
永遠のペストセラー、ラコステのポロ。デザイン/カラー/素材/機能性と、すべてに大満足の逸品。ゴルフ・シーンには欠かせない。
1933年、ラコステは数々の優勝を手中に収めた後、テニス界を引退したのだが、この「ラコステのシャツ」は生き続けることになった。「ラコステ」のブランド名で売り出されたのである。
余談になるが、ラコステ・シャツのワニマークの由来は?実はラコステのニックネームがワニだったのだ。食いついたら離れないネバリ強いテニス・スタイルを身上としていたラコステに与えられた、名誉あるネームから取ったというわけだ。
かくして誕生したポロシャツは、当初はあくまでもテニス用シャツ。しかし、伸ぴ縮みする生地で通気性熱も発散しやすいということで、テニスに限らず、スポーツ・ウエアとして、タウン・ウエアとしてもマルチパーパス・アイテムとしてすべての人に愛されるようになったのである。
イギリスが生んだジョン・スメドレーのポロ。大人の雰囲気がこのポロの特徴だ。シックなパンツに合わせて、一歩先行く洒落者に。
誕生以来60年も経つシャツにもかかわらず、デザイン、素材ともほとんど変わることなく現代に至っている。機能性、デザインともに完成度が高いため他の追随を許さない感さえあるのだ。
そんな中で、英国、ジョン・スメドレーのポロシャツは、ラコステのポロを否定することから始まったといわれている。
鹿の子蝙みであるラコステに対し、スメドレーは平編みにし、衿の形状も、フレンチ・カラーに変えて、独自のイングリッシュ・カラーを生み出した。衿の先端にいくにしたがって減らしていく”減らし衿”である。
すべて、ラコステを超えるために工夫を凝らしたのだ。
フレンチ・カラーの定番ポロをボーダーにする。都会的なセンスが光るのだ。好きな色でコーディネイトして、自分らしくドレスアップ!!
ラコステのポロが、スポーツ・カ ジュアル・マインドを大切に、気軽に洗えて、しかも丈夫をセールスポイントにしているのに比べ、スメドレーは、あくまでも、アーバン・テイストのアダルト・マインドが売り物なのである。
一人のテニス・プレーヤーの発案によって生まれたスポーツ・シャツは、いま、もはやポーダレスの時代に突入といっていい。どこで着ようと、何のために着ようと、自分次第、気分次第なのである。
どんどん着てしまうことだ。
【前立】ポロの基本形は2つボタン
右上はポロの基本形、フレンチ・ ラコステだ。小さめのフレンチ・カラーに2個ボタンは、まったく飽き知らず。カジュアルに着こなそう。
右下は3個ボタンになって、キュートなテイストを増した、セントクリストファーのポロ。前立の幅もラコステより細め。
左上は前立はぐっと細く、4個ボタンで仕上がった、セべ・バレステロス。エレガントな、ヨーロピアン・タイプだ。
小さめのフレンチ・カラーに2つボタンが、ポロの基本的なスタイルだ。その基本形にいくらかのマイナー・チェンジを施して、ニュー・ポロの誕生となるわけだ。
しかし、前項で書いたとおり、英国のジョン・スメドレーの場合は、単なるマイナー・チェンジではなく、ポロシャツであっても、ラコステのあの定番ポロシャツとは違うものを発想して作り出している。完全なるモデル・チェンジであった。
そんな中で、ボクらゴルフポロの主流は、やっぱりラコステをベースにしたフレンチスタイルだ。
小さめのフレンチ・カラーは、クルーネックやVネックのセーターにもマッチし、もちろん、一枚のみで着て、衿をさりげなく立てたりしてもいい。
前立のポタンの数も、2個を基本形としているが、ソフトな感じを出すときには3個、より個性的に、あるいはチャーミングにしたいなら4個ボタンも素敵だ。
ボトムの選ぴ方によっても変わってくるかもしれない。カジュアルなチノーズや、コットン・パンツには2個ポタンがおすすめだし、イタリアン・テイストのソフトなパンツには4個ボタンはどうだろう。上品感覚なコーディネイションになること間違いなし。
もう一つ、着方だけど、2個ポタンの場合は、2つともはずしてラフにしてもいいし、閉めてトラッドでまとめるのもいい。しかし、3個ボタン、4個ボタンの場合には、くれぐれもはずすことのないように。完全に閉めたクローズド・スタイルでいくべし。
【そで】ちょうちん袖にリブ編み付きが定番
上のポロは袖口にリブ編みを施したスタイル。ラコステの流れを組むポロは、この短めのちょうちん袖を採用。袖付けは、付け袖式のセットイン・スリーブ。若々しくてファンも多い。
下のポロはストレート・ラインでカットしたカッティング・スリーブ。袖口が締まっていないぶん、動かしやすく、機能的。袖付けは同じくセットイン・スリーブ。思い切りスイングできそうだ。
Tシャツの袖は、ほとんどがストレート・カットであるが、ポロの基本形、ラコステはもちろんのこと、ジョン・スメドレーもリプ編み付きのちょうちん袖である。スメドレーの場合は少々長めになっていて、袖付けはラグラン・スリーブ。
ラコステの場合はというと、キュートな印象を与える短めのもので、袖付けはセットイン・スリーブのポロも登場した。
ワイシャツ・カラーのみに採用されていたストレートの袖を、ポロシャツとフュージョンさせてしまったというわけである。
袖口のリブ編みがどうも窮届で、なんておっしゃる御仁にはうれしいシャツの誕生だ。
フレンチ・トラッドで通すというなら、ちょうちん袖を着るべし。
ダブルカフの長めのパンツに手編み風のざっくりしたベストを組み合わせたら、もう完ぺき!ストレートの袖の場合は、イタリアン・テイストにまとめたい。
柔らかな素材のストレートカフのパンツを高めのウエストラインでしっかり締める。上品で、大人のフィーリングが、コーディネイトの最重要ポイントになるはずだ。
【すそ】カット有り無し、細密な心配り
上は後ろ身頃が5センチも長くなっているかパーリーゲイツのポロ。パンツからシャツがどうも飛び出しやすいというゴルファーにぜひともおすすめだ。
中央はサイドにV字カットが入ったストレート・ライン。これはマンシングウエアのポロだ。フレンチ・ラコステもこのタイプ。
下はノーカットのストレート・ライン。カッティングスリーブの場合はほとんどがこのラインだ。
裾の仕上けにもいろいろありまして……。
後ろ身が長くなっているタイプ、サイドにV字形のカットが施されたまっ平らなタイプ、ノーカットのタイプ、そしてここには挙げてないがリブ編みのタイプと、大別してこの4種だ。
後ろ身頃が長くなっているのは、パンツからシャツが出てこないようにーーとの心配りなのだが、このタイプを採用しているのは、代表的なものでは、メイド・インUSAのアイゾット・ポロ(アメリカ製ラコステ)。
大きなスイングで、動きが激しい(?)プレーをするボクたちゴルファーにはうれしいタイプなのだ。
本場のフランスのラコステ・ポロは、カット入りストレート・ラインのタイプ。
老舗の香りムンムンといったところだ。後ろ身頃のプラスアルファがないぶん、パンツの中はスッキリというプレーヤーも多いのは確か。
袖口がストレート・カットのものは、ほとんどノーカットのタイプを採用している。
そして、ジョン・スメドレーがリプ編みタイプなのだ。ほとんどのポロがインサイドで着るが、スメドレーの場合は、オーバー・スタイルで着ることもできるのが大きな特徴である。
素材は綿ニット、編みは鹿の子がルーツ
右は表編みと裏編みを組み合わせた鹿の子編み。立体的な独特の編み方で、スポーツ用としては理想的。ラコステ、マスターズなどはこの鹿の子を採用。
中央は最良品のマテリアル、海島綿を用いた平編みのポロ。ソフトな肌触りは着心地抜群だ。
左は同じ平編み。海島綿より厚手の糸を使っているのでメンテはラクだ。
ポロの素材は、綿100%の二ットが基本である。
しかし編み方にはそれぞれ工夫を凝らし、表編みと裏編みを組み合わせた鹿の子編みのものや、平編みにして薄くソフトに仕上げたものなど特徴を持たせている。
ポロのプロトタイプ、ラコステは、誕生以来60年間、まったく変わることなく鹿の子編みを用いている。
立体的に仕上がった鹿の子のポロは、通気性に優れ、吸汗、熱の発散には威力ありなのだ。スポーツ用としては、理想的なマテリアルというわけである。
鹿の子編みの場合は、糸は太め、また表と裏が重なり合っているため、必要以上の素材感が出てしまうケースもある。
そこで登場してきたのが、景高級の綿、シーアイランド・コットン(海島綿)だ。
きめ細かく、ソフトに仕上がったこの海島綿が、カジュアルなスポーツ・ウエアだったポロをお酒落な街着としても市民権を得るまでになってしまったのだ。
ただし、シーアイランド・コットンは、あまりにも最良綿のため、メンテがこれまた大変である。
鹿の子編みのポロのように、雑にジャブジャブ洗って、ウォッシュ・ダウンさせてしまうなんて、できない。
高原の清々しいゴルフ場で、さわやかなプレーを楽しむとき、ソフトな肌触りの高級ポロを着こなしてみる。ワンランク上のゴルファーになってしまった気分!
ゴルフトゥデイ創刊600号企画とは
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