オデッセイのトリプルなパターは怖いぐらいに入っちゃうパターだった!
オデッセイの『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!
オデッセイの『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』
『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』は、ダブルじゃなくてトリプル? コースに持ち込んで、その謎を紐解き、レポートする。
撮影/篠原嗣典
どうして『トリプル』なのかという謎!
キャロウェイは、オデッセイブランドで2022年2月4日に『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』を発売した。
『TRI-HOT パター』といえば、『#3』タイプが名器として有名で、復刻版も発売されたパターだ。
長らく新製品が出なかった『TRI-HOT』ブランドから新しいパターが出ると聞くと、オデッセイが確実に自信を持って市場投入するパターであろうという期待は高まる。
『TRI-HOT 5K パター』は、上がったハードルを楽々と飛び越えるパフォーマンスを持っているパターである。
すでに、日本国内ツアーで優勝パターになっているし、『5K』は5000という意味で、大型パター並みの慣性モーメントの数値を表しているからだ。
ある意味で、漫画チックな嘘のようなパターなのだ。
小さなブレードパターなのに、大型マレット並みの慣性モーメントなんて、どう考えても、おかしい、というのが、このパターが出現するまでの常識だった。
慣性モーメントが大きいパターは、ミスヒットしてもフェースがブレにくかったりするやさしさがある。
ブレードのパターは、敏感な感覚に応えてくれるが、ミスヒットには弱いという弱点がある。
長所と弱点が打ち消し合って、新世紀に相応しい新しいパターが出来上がった。それが、『TRI-HOT 5K パター』である。
アンサー型や#3型というブレードの代表のようなラインアップの中に、新スタンダードといえるダブル型があって、最後にさり気なく存在感を醸しているのは『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』だ。
ダブルは、ブレードの2倍の厚みがあるヘッドモデルで、21世紀を代表するヘッド形状になった。
トリプルは、その名の通りブレードの3倍の厚みがあるヘッドモデルである。(実際には2.5倍ぐらいに見える)
これは、見た瞬間、「おぉー」と声が出た。ダブル型のヘッド形状も素晴らしかったので、大いに期待をしたのである。
僕は、ダブルベントシャフトのパターが苦手なので、それだけは、マイナスポイントだが、とにかく打つべきパターだと確信したのだった。
形状をじっくりと見て、更に驚かされた。
2022年のパターのトレンドである前重心になっているだけではなく、ダブルが四角形を強調したフォルムなのに対して、トリプルはフェース側が短い辺になる感じの台形をしているのだ。
ヘッドのアウトラインの外向きの角度は、人間工学に基づいた研究によるヘッドを真っ直ぐに動かしやすくなるガイドラインを感じさせる。
新しいヘッド形状の提案が、トリプルのようである。
実際に打ってみて、どんな感じになるのか? ますます興味が湧いた。
コースに持ち込んで、『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』をじっくりと試打をしてみた。
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怖いほど入るトリプルなパターは未来からやってきた?
『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』の一発目は、いきなり、5ヤードの下りのスライスラインだった。ラインとしては、苦手としているラインだったが、見事に狙ったライン通りに曲がっていき、ストンとカップに入った。
『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』の打音は、高音質で美しいが、音量は小さめだ。打ち応えは、軽く、弾き感が敏感に伝わる。
転がりは素晴らしいのひと言。ラインに乗せれば、あとはパターが仕事をしてくれて、ボールを転がしてくるのだ。
次のホールは、強い上りの1カップ左に曲がる8ヤードのパット。得意なラインだ。
探るようにジャストタッチを狙って打ったが、しっかりと転がって、ど真ん中から入った。
更に、3ヤード、1ヤードと危なげなく入れて、実験的に15ヤードのパットを打ったが、これも入りそうになって10センチオーバー。20ヤードもピッタリの距離感で、横30センチ。
ラウンドでスコアをつけているほうだけで見ると、8ホールを使って、9パットだった。
怖くなった。ベントシャフトで良かった、と思った。これが大好きなショートネックだったら、購入決定という結果だったからだ。
実は18ホールを終える前に試打を終了した。自分が絶好調で入っているのかを自分のパターを使用することで確認したかったからだ。その結果、調子やゾーンではなく、純粋に『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』が優れているからだとわかった。
面白いのは、打ったことがない、という違和感は確実にあることだ。
初めての感覚になのに、狙いも合わせやすくて、思った通りの方向と速度に打ち出せるのだ。
今までのパターに満足できなかったゴルファーに『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』をオススメする。
色々な意味で、少し先の未来から来たみたいなパターだからだ。
マレット型のヘッドが付いたパターは、実はやさしいほど転がりがイマイチになる傾向があった。『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』は、それを一切感じさせないのだ。
実に敏感に打ち手の動きに反応してくれる。
ストロークの振り幅で合わせていくスタイルも、ヒットしてタッチを作るスタイルも、どちらでも『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』は機能してくれる。
たぶん、トリプル型のヘッドは、色々なネックが出るだろう。その汎用性の高さに磨きを掛ける意味でも、それは必要だと感じた。
前重心との相性が良いところも、なかなか面白い発見だった。
パットというのは、パターという用具と腕前が合致して初めて結果が出るものである。
『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』は、そういう意味でも、扱いやすくて、多くのゴルファーを助けることになる未来が想像でる1本だ。
ダブルに続いて、トリプルも、パターヘッド型の定番になりそうである。
『TRI-HOT 5K TRIPLE WIDE パター』は、ダブルベントシャフトが、苦ではないゴルファーは、何も言わずに打つべきパターである。
篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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