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あなたのゴルフ練習、時間と情熱を無駄にしていませんか?練習好きゴルファーこそ気をつけたい『意味ない練習』

100切りなんて簡単だ!エージシューターの極意 第11回

2023/07/02 ゴルフサプリ編集部 高橋健二

高橋健二

100を切れない人、90を切れない人にはいくつかの共通点があるという。その一つは練習下手であること。練習はするけれども意味のない練習をしている方が非常に多いそうだ。今回は練習は好きで練習場にはよく行くけれども、なかなか上手くならない人のために、エージシューターの高橋氏が「スコアに直結する練習法」を伝授します。

写真提供/高橋健二

意味のない練習1:短いクラブから順に打つ

上手くならないゴルファーの多くは、練習がワンパターンです。たとえば打つクラブの順番。だいたいはウェッジなどの短いクラブから順に番手を上げていく人が多いようです。短いクラブでウォーミングアップをし、体が馴染んできたら長いクラブに持ち替えるというのです。でも、コースでは短いクラブから順に打ちませんよね。

だったらその発想をやめましょう。

私は、最初からドライバーを持ちます。コースでは最初にドライバーを使う。だから練習場でもまずドライバーを持ち、ドライバーでウォーミングアップをするのです。

ドライバーで100ヤードを打ち、次に150ヤード、200ヤードと距離を伸ばしていきます。距離の打ち分けは振り幅の大きさでコントロールします。100ヤードなら3時~9時の振り幅、150ヤードなら2時~10時の振り幅、といった具合です。短い距離をターゲット方向に真っ直ぐ打とうと思えば、芯にきっちり当てなければいけません。これでウォーミングアップをかねてミート率を高める練習ができます。

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意味のない練習2:同じクラブを立て続けに打つ

多くのゴルファーがウェッジを10球打ったら、次に9番アイアンを10球打ち、それでナイスショットが出るようになったら、8番アイアンに持ち替えて10球・・といったように同じクラブで決まった球数を打つ練習をしますが、これも無意味な練習です。

なぜって、コースでは同じクラブで何球も打つことは滅多にないからです。もし同じクラブを続けて打つとしたら、それはOBを打って「打ち直し」を余儀なくされたときだけです。練習場で打ち直しの練習して何の意味があるのでしょう。

私は最初にドライバーでウォーミングアップをしたら、そのままドライバーのフルショットに移行します。その際、ドライバーは立て続けに10球打ちますが、ただし、同じ弾道の球は続けて打ちません。真っすぐな球を打ったら、次はドロー、3球目はフェード、4球目は高い弾道、5球目はアゲインストを想定して低い球・・といった具合に球筋を変えて打ちます。

ドライバーの練習を終えると、次は3Wですが、これは1球だけ。もし3Wをトップやチョロをしたら次は5Uを打ち、3Wをナイスショットしたら9IかPWに持ち替えて打ちます。そうです、いつも行くゴルフ場でのラウンドを想定して、1球ごとにクラブを替えて打つのです。よく行くコースだと、フェアウェイの脇にある松の木も覚えているので、ドライバーが松の木の方角へ行ったと想定し、2打目は3Wでスライスをかけるとか、5Iで枝の下を通る低い球を打つ、といったこともします。

ウェッジの練習も距離と球質を1球ごとに変えてやります。たとえば20ヤードのアプローチ。1球目をチップショットしたら、2球目はオーバースピンをかけて球足の伸びるランニングにする。3球目は高く上げてピタッと止まるロブショットを試みる。全部、同じクラブ、AWならAWで打ち分けます。あるいは逆にPWを開いてSWと同じくらいのロフトにして止まる球を打ち、その直後にSWで打ってみましょう。SWってこんなに球が止まりやすいんだ、と実感すると思います。

私自身は、ロブショットはまだ上手く打てませんが、それでいいと思っています。どのような球を打つか、「意図」を持って練習することが大事と思っているのです。

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意味のない練習3:ナイスショットを打つ

多くのゴルファーがやっている練習で、一番意味のない練習が「ナイスショットを打つ」練習です。

私の友人は典型的なスライサーですが、彼の練習を見ていると、最初はなかなか真っ直ぐ当たらないけれども、数球打って、ボールが真っ直ぐ飛ぶようになると「よし、ちゃんと当たるようになった」と満足して、次のクラブに移行します。
これって、問題が解決したのでしょうか?

10球近くボールを打てば、体は自然に回るようになり、タイミングは勝手に合って、ボールはそれなりに当たるようになります。それだけのことで、解決策にはちっともなっていないのです。その証拠に、友人はコースに出ると相変わらずスライスに悩まされています。

では、どんな練習をするとよいのでしょう。

もしあなたがスライサーなら、ボールを何球か打って真っ直ぐ飛ぶようになったら、そこでもう1度、いつも出るスライスを打ってみるのです。これで自分のスライスの原因がわかります。スライスの原因には、一般にはインパクトエリアで

1 ヘッドが手より遅れてくる。
2 フェースが開いて入る。
3 上体が突っ込む。
4 左腰が早く開く。
5 左足に重心が乗ったままインパクトを迎える。

などがありますが、何球か打つと、それらの原因が修正されて真っ直ぐ飛ぶようになります。真っ直ぐ飛ぶようになったところで、もう1度、最初に出たスライスを再現してみると、自分のスライスの原因が突き止められる。そしたら、その原因と真逆のことをやってみる。もし、あなたのスライスの原因が「フェースが開いて入っている」だったら、逆にフェースを閉じて打ってみるのです。するとボールはフック系に弾道になります。極端にフェースを閉じて打つと、チーピンに近いフックがでます。そしたらそのフェースの閉じ加減を緩やかにしていく。すると曲がり幅も小さくなりドロー➡ストレートの球筋に変わってきます。そうやって自分の欲しい球筋を手に入れるのです。

スライスやフックを直したければ、極端なスライスやフックを打ってみる。練習場で微調整して真っすぐなナイスショットを打っても、何の意味もありません。

真ん中の打席で打とう!

大勢が参加するコンペで、「1番ホールは嫌い」という人は少なくありません。なぜ、嫌いなのか? みんなに見られている中でミスショットしたら恥ずかしい、というのが理由のようですが、そういう人は練習場でも端っこの打席を使うケースが多いと思います。

私は逆です。ナイスショットをしたときに誰も見ていなかったらツマラナイだろうなと考えます。それは私がショットに自信があるからではありません。ゴルフは複数の人と一緒に回る。当然、自分のスウィングはいつも誰かに見られている。それがゴルフというゲームだと思っているのです。だったら、「ミスしたら恥ずかしい」と考えるより「ナイスショットのときに誰も見ていなかったらツマラナイ」と考えるほうが楽しくないですか。

というわけで、練習場では人目につく真ん中の打席を選んで、人から見られることに慣れましょう。できることなら2階打席の階段を上がったばかりの正面の打席をお勧めします。そこは階段を昇り降りする人が必ず通ります。あなたのスウィングやショットはイヤでも人目にさらされます。結果、度胸が付きます。人に見られるのがイヤでなくなります。練習場でメンタルも強化できて文字通りの一石二鳥。ゴルフは必ず複数のプレーヤーと一緒に遊ぶゲームなので、イヤも応もなくあなたのショットは人に見られていると考えましょう。そこを嫌がったら、上達は未来永劫に望めません。

マットは端っこを使おう!

打席とは逆に、マットは端っこを使いましょう。一番いいのはマットの右端です。そこにボールを置いて打つのです。ウッドもアイアンもクリーンにヒットするスイングが自然に身に付きます。

なぜって、ダフリミスは手に響くからです。マットに厚みがあるので、ボールの手前でダフるような軌道でヘッドが下りて来たら、100%マットを叩いて手に響きます。へたをすると手首を傷めるかもしれません。昔からガキ大将が言いましたよね。「痛い思いをしねえとわかんないのか」。自分が「痛い思い」をする。これが一番効きます。

アプローチはウェッジをネック側から入れるようにします。するとプロみたいなスピンの効いた球が出ます。ただし、インサイドから振り下ろすとシャンクが出る危険があります。だからややアウトサイドから振り下ろす習慣が勝手に身に付きます。これで一層スピンの効いた球になります。マットの真ん中で「ドン」と音を立てて打っている人が一生かかっても習得できないピピッと止まる球が打てるのです。

どうでしょうか。ナイスショットは10球も打てば飽きてきますが、今回紹介したような練習は1時間たっぷり、300球打っても飽きません。それどころか、いますぐ練習場に行きたくなったでしょう。ぜひ出かけて試してください。

高橋健二/ノンフィクションライター

高橋健二/ノンフィクションライター。1948年生まれ。企業ものノンフィクション「スーパーファミコン任天堂の陰謀」などを多数執筆。趣味はゴルフ。エイジシュート達成者(エージシューター)を100人以上取材し、自身も68歳のとき1度達成している。
なお、エージシューターとは1ラウンド(18ホール)のゴルフで 自分の年齢以下のスコアを出したゴルファーのこと。生涯で達成できるゴルファーは非常に少なく、ゴルファーにとっての究極の目標でもある。

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