カーボンヘッドの本当の実力を『B3 SD ドライバー』は見せてくれる!
ブリヂストンスポーツは、2022年7月29日に『B3 SD ドライバー』を発売する。
取扱店限定モデルで、フィッティングを受けて購入することを前提としている純正でも細かく選択が出来るようになっている。
“第3の「B」、現る”ということで、昨年発売された『B1 ドライバー』、『B2 ドライバー』に続く、新しいドライバーである。
前モデルの2本のドライバーは、飛距離性能が優れているドライバーだった。
ブリヂストンスポーツが発売してきたドライバーは、この数年、飛距離よりも安定性が優先されているようなイメージがあったが、久しぶりにトップレベルに飛ぶドライバーの出現に興奮した。
しかし、『B』シリーズは、かなりパワーがあるゴルファー向けにチューニングされていて、ヘッドスピード40m/sの僕には少しオーバースペックだと残念に思っていた。
『B3 ドライバー』は、二種類が発売される。
『B3 SD ドライバー』のSDは、ストレートドライブの略。『B3 DD ドライバー』のDDは、ドロードライブの略。
今回取り上げる『B3 SD ドライバー』のコピーは、“軽量設計でスピードUP ブレずにまっすぐ飛ばせる”である。
軽量設計といえば、パワーヒッターではなく、一般的なゴルファーが飛ばすためのハウツーである。ヘッドスピード40m/sでも期待は高まるのである。
『B3 SD ドライバー』の特別なテクノロジーは、「カーボンモノコックボディ」だ。
通常のドライバーも、ヘッドの大部分はカーボンで出来ているが、どれも骨組みを金属で作って、それを覆うようにカーボンを貼り付けている。
『B3 ドライバー』は、骨組みなしなのだ。カーボンだけの一体構造で作られている。
見た目ではわからないが、この技術は、国産メーカーだからこそのカーボンの最高技術なのだ。
骨組みがないだけで、40グラムの重量を余らせることに成功して、『B3 SD ドライバー』は、その全てをヘッド内部の後方の中央に設置した。
このような構造で、かつ、フェースと最後方だけに大きな重量があるドライバーは、未知のクラブだ。
『B3 SD ドライバー』には、「New SP-COR」や「チタンフェースの薄肉化&軽量化」などのブリヂストンスポーツが誇るすでに実績があるテクノロジーも、進化させた上で搭載されている。
また、カーボン一体構造のヘッドにも「ブーストパワーテクノロジー」が採用されている。クラウンは、薄肉エリアを配置して低剛性化して、ソールにリブを追加して高剛性化することで、高初速・高打ち出しで、飛距離性能を高めるというわけである。
『B3 SD ドライバー』は、ヘッドだけではなく、シャフトでも軽量化をしています。
「TENSEI BS Red 40」は、40グラム台の軽さで、SRとRフレックス。
「TENSEI BS Black 40」は、40グラム台で硬いシャフト。(Sフレックスのみ)
「TENSEI BS White 50」は、50グラム台で、軟らかいシャフト。(Rフレックスのみ)
今回は、個人的な好みでシャフトは、「TENSEI BS Black 40」、ロフトは10.5度が標準だが、特別注文の9.5度を選んだ。
テーラーメイドのステルスは、カーボンフェースで2022年を代表する大ヒットドライバーになっている。
二匹目のドジョウを狙って、次々に出てくるカーボンという言葉の大合唱で耳が痛い。
『B3 SD ドライバー』は、それらとは、根本的に違うのだ。
カーボン一体構造のモノコックボディは、様々な工業製品で、異次元の高性能を発揮しているからだ。
ブリヂストンスポーツが、何の根拠もないまま、そのテクノロジーを搭載するわけはない。
『B3 SD ドライバー』をコースに持ち込んで打つのが楽しみになった。
『B3 SD ドライバー』は、普通のゴルファーに飛距離革命を起こす!
実は、コースに持ち込む前に、トラックマンを使って、練習場で『B3 SD ドライバー』を少しだけ打つ機会があった。スゴいドライバーなはずだ、という期待が大きかったので、普通のドライバーだという結果しか出ずに失望をした。
『B3 SD ドライバー』をコースで試打するときも、オススメポイントを探すのに全力を注ごうと、覚悟をしていた。
しかし、信じられないことが次々に起きた。
『B3 SD ドライバー』は、練習場のボールスペックが嘘のように、今年、試打したドライバーの中で1番か、2番か、というぐらいにボールをぶっ飛ばしたのだ。
まず、最初に良かったのが、打音だ。
音量も適度な大きさで、残響がしっかりあって、ムチのような湿った締まった音質。いわゆる、飛ぶだろうね、と感じさせる気持ちが良い音なのだ。
ボールはかなりの高弾道で、かつ、少しとらえる動きもあるので、ナチュラルに打つと、軽くドローする。
そして、飛ぶ。
ヘッドスピード40m/sの僕が打って、平均して、230ヤード。これは、ちょっと異常な数値だ。最も飛んだホールは、245ヤード。
ビックリしたというより、不思議な気持ちで一杯になった。
練習場と違う条件は、ボールである。
使用したボールは、『B3 SD ドライバー』と同じブリヂストンスポーツの『TOUR B X』だ。
相性が良くて、相乗効果があったのかもしれないが、ここまで飛ぶ説明にはならない。
理由は明確ではないが、現実として『B3 SD ドライバー』の飛距離性能は、強烈なのだ。
しかし、その副作用もある。
軽量化でヘッドスピードを上げるという仕組みを取り入れたときに、よくあるのだが、ボールの安定性が悪いのだ。
『B3 SD ドライバー』は、少しとらえる動きをするが、上手く使えれば飛距離アップとドローバイアスになるが、敏感に弾道に影響するので、意図しない曲がりが出てしまうのだ。
『B3 SD ドライバー』は、弱きを助けるように開発された第3のドライバーだ。
軽硬のシャフトを入れて、ヘッドスピード40m/sがドンピシャで、ヘッドスピードは、それより遅いゴルファー用に様々な選択肢が用意されているのだ。
『B3 SD ドライバー』は、打ち慣れれば、もっと飛ぶかもしれないと思わせた。
パワー不足を自覚しているゴルファーや女性ゴルファーにも『B3 SD ドライバー』はオススメだ。
意図せずに曲がるドライバーは、スコアに貢献しない傾向があるが、そんなことは無視して、とにかく飛ぶことの魅力だけで十分だと考えるゴルファーのほうが多いことは予測できる。
『B3 SD ドライバー』は、カーボンの2匹目のドジョウ狙いではなく、本当にカーボンの特性を使って飛ばすなら、フェースではなく、ボディのほうが効果的で、正解なのだというメッセージを、試打をしながら感じた。
スコアアップするためにゴルフ用具は交換するものだと考えているけれど……
スコアを数打、捧げる代わりに、ドライバーの飛距離を得られるという取引は、神様ではなくて悪魔との取引だったとしても、多くの人が契約しそうだ。
『B3 SD ドライバー』には、とにかく驚かされた。
取扱店限定モデルということなので、販売する数量は多くないかもしれないが、非力でも飛ばしたいゴルファーは打ってみるべきである。
篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。




