正しいトップの探し方!スイングのアレンジで大切なのは、今までと違う〝叩ける〟感覚?
ベン・ホーガンを先生に!森プロが解説する『アイアンが際立つ!強いアレンジの作り方』【第5回】
持ち球を作り、安定させるにはフェースコントロールとヘッド軌道、特にボールへの入り方が肝心。「それにはまず、トップの納まり方をアレンジ」と森プロ。「的確なトップポジションを見つけたら、目を閉じてもヘッド軌道も打点も狂わずに打てるようになります」
GOLF TODAY本誌 No.606 73〜77ページより
イラスト/久我修一 取材協力/東京ゴルフスタジオ
取材・構成・文/戸川 景 撮影/圓岡紀夫
リピータブルなトップは“叩ける”ポジションにある
スナップ動作が前提にあるトップを探す
ホーガン流のスイングアレンジを進めるうえで、左手の緩急を強調するドリルや、逆オーバードゥにトライしてきたのは、アマチュアが陥りがちな〝当てるスイング〟から脱却するため、という森プロ。
スイングのクセが直らない方へ!新しい打ち方をマスターするための「逆オーバードゥ」してますか?
一度身に着いたスイングのクセは、なかなか直らない。「スイングをアレンジするには、思い切りが大切。普段の振り方とはまっ...
「フェースターンを抑える、手首を使わない、プレーンに沿って振る、といった〝当てるため〟のメソッドを重視していると、スイングの活力が落ちていきます。本来、スナップ動作でヘッドを加速すれば軌道も打面も安定し、リピータブルな動きになります。だからこそ、たぐり動作のオーバードゥである左手の緩急から始めて、今までと違う〝叩ける〟感覚をつかんでほしかったんです」
〝叩ける〟スナップ動作のインパクトを迎えるには、それに合ったヘッドの入り方、適切なトップの位置がある。
「求める弾道を作るためにも、スナップ動作から逆算した〝叩ける〟トップの位置を探すべきです」
ヘッドが垂れるトップからでも叩けたホーガン
「自動車事故以前のホーガンは、左サイドが大きく動き、左手が緩むためにオーバースイングでした。それでも正確なインパクトを得られていたのは、右手が叩ける位置にあり、スナップ動作が使えていたからです」
叩けるトップは右手で探す
「叩く意思を持って右手だけで振り上げると、手の高さは定まらなくても、クラブを引けるアーク(弧)の長さは決まります。そこに左手を近づけていくと、叩ける上体のポジションがほぼ決まります」
高いトップでも“たぐり”で自分に合う“叩ける”トップの見つけ方とは?シャローに入れられる
グリップの“たぐり込み”でヘッド軌道は直線に近づく
左腕の軽いたわみでグリップエンドをたぐり込むシェフラー(上)。右手支点のスナップ動作で、ヘッド軌道は直線に近づく(下)。
「“たぐり動作”でインパクトエリアのヘッド軌道がより直線的になるのは、アップライトでもフラットでも変わりません。スコッティ・シェフラーのような高いトップからでも、上から打ち込みすぎにはならず、打球のスピン量も弾道も安定します」
自分に合う“叩ける”トップの見つけ方とは?
【個性を生かすトップ】「遠回り振り上げ」で〝叩ける〟を感じ取る
まず、右手だけでクラブをアウトサイドに振り上げる。ループ軌道で切り返し、ダウンで“叩ける”軌道に乗せる。感覚がつかめたら、両手で同様のループ軌道でスイング。ダウンで“叩ける”軌道が感じ取れ、それに最適のトップの位置が見えてくる。
遠回り=ループ軌道で自動的にインから叩く
静止したトップから叩こうとすると、ヘッドが外から下りたり(右)、逆に下がりすぎてしまう(左)ことも。
振り上げ動作でヘッドに慣性をつければ解消できる。
振り幅を変えても“叩ける”位置を確認
「手を肩の高さや腰の高さにしたトップからでも、フルと同様に叩けるかをチェック。右手だけで振り上げた位置からと、ループ軌道で振り上げたダウンの軌道がズレるようなら調整が必要です」
持ち球作りはヘッド軌道をまず固める
「スイングアレンジ、持ち球作りで大切なのは、インパクトでのヘッド軌道とフェースコントロール。ですが、同時に修正するのは難しいのでまずはヘッド軌道から。特にダウン、ヘッドの入り方から見直すといいでしょう。
そのための〝叩ける〟トップ探しになるわけですが、ただトップから叩く意識ではうまく決まりません。振り上げる動きで、ヘッドに慣性をかけ、シャフトをしならせる感覚が必要です」それにはループ軌道で、遠回りで振り上げるのが有効だという。
「ダウンと同じプレーンで引き上げようとすると、ダウンでも同じプレーンで下ろそうとするので、本当にスピードが乗る軌道になるとは限りません。ループで切り返すと、最も効率よくインから叩けるプレーンに乗ります。トップはこの延長線上にあるのが理想的です。そのトップに対して、今度は振り上げ方を考えていきます」
Ben Hogan
ベン・ホーガン(1912~1997)
アメリカ・テキサス州出身。身長173cm、体重68kg。ツアー通算64勝。メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。
ホーガンアナリスト 森 守洋
ベン・ホーガン(1912~1997)を手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。
【アイアンが際立つ!強いアレンジの作り方】
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フェースの向きをコントロールするのにおすすめ!ループ軌道を習得する方法→
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