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フェースの向きをコントロールするのにおすすめ!ループ軌道を習得する方法

ベン・ホーガンを先生に!森プロが解説する『アイアンが際立つ!強いアレンジの作り方』【第6回】

2023/01/04 ゴルフサプリ編集部

アイアン

インパクトのフェースコントロールを意識すると、つい手元での操作感覚に頼りたくなるはず。「弾道を安定させるのに、それは不利」と森プロ。「ループ軌道で振ってみると、手元に頼らなくてもヘッド軌道とフェース向きがシンクロします」

GOLF TODAY本誌 No.607 73〜77ページより
イラスト/久我修一 取材協力/東京ゴルフスタジオ
取材・構成・文/戸川 景 撮影/圓岡紀夫

ヘッドが手元の軌道に“回り込む”感覚を知る

ループ軌道はフェース向きを感じやすい

森 守洋氏

弾道コントロールは、インパクト時のヘッド軌道とフェースコントロールが決め手。だが、それは手先では行わない、と森プロ。

森プロ 「フェース向きやヘッドの入り方は、一瞬のスナップ動作で決まります。だから、その瞬間に指先、手先だけで何かを変えようというのはムリ。手はあくまでも結果的な動きや打感を感じ取るだけです。

フェースコントロールは、ヘッドが腰の高さに来るスナップ動作の直前までの動きで調整します。切り返しから以降は、ヘッド重心はシャフト先端、つまりヒールに引っ張られて下りてきます。

その時点で、フェースが開き気味になるか、閉じ気味になるか。それにはスタート時点であるトップのフェース向きが重要です。

これを掌屈のように手元で調整する方法もありますが、バックスイング中に開閉を取り込むほうが安定します。それを感じ取るには、ループ軌道がオススメです」

外上げはシャット、内引きはオープンと相性がいい

森 守洋スイング

ダウンのプレーンとは違う軌道で振り上げるのがループ。

森プロ 「先にフェース向きを意識して振り上げてみてください。シャットに上げようとすると外上げになりやすく、フェースを開きながら上げようとすると内引きになりやすいはず。

そこから“叩ける”トップへ上げていくと、ダウンでヘッドがプレーンに“回り込む”感覚がつかめます」

切り返しの“間”が必要な逆ループも試してみる

ループ軌道は切り返しがゆっくり、明確になる

レイ・フロイドのスイング

20代から50代までツアー優勝を挙げた逆ループの天才、レイ・フロイド。森プロ 「フェースを開きながらインサイドに引くことで体のターンを促し、右ヒジのたたみで“叩ける”トップに。
打ち急ぐことが絶対にできないスイングです。反復性を高めるリズムとテンポのヒントがあります」

腰の高さでフェース向きを感じ取るドリルとは?

【フェース感覚を高める】ループ軌道に逆らうフェース向きにトライ

森 守洋スイング

”スナップの入り口“でどう開閉するか決める
切り返しからハーフウェイダウン、つまり腰の高さにヘッドが下りてくるまでに、フェース向きを変えてみる。
手首の角度、グリップエンドのたぐり込みなど、自分なりのやり方を探ってみる。「ヒールを引っ込める」イメージでターンを促す意識が大事。

腰の高さにあるフェース向きを調整

  • 森 守洋スイング
  • 森 守洋スイング

(画像左)
オープンフェースの内引きから、ダウンで「ヒールを引っ込める」とヘッド軌道がプレーンに乗り、フェースがクローズに動く慣性が働く。つかまりが良くなる。

(画像右)
シャットフェースの外上げから、ダウンで「ヒールで引っぱる」とヘッド軌道がプレーンに乗り、フェースがオープンになる慣性が働く。フェードに合う。

下に回り込むプレーンならフェースターンがスムーズ

リー・トレビノのスイング

リー・トレビノのスイング

ループ軌道でトップではシャットフェースのトレビノは、ローフェードの達人。

森プロ 「シャットフェースだから下に回り込むダウンのプレーンでもフェースを返しすぎず、つかまりの良いプッシュフェードが打てたんです」

ホーガンはフェースを開いてオンプレーンに振り上げた

ベン・ホーガンのスイング

森プロ 「ホーガンはフェースを開いてヘッド重心をいち早くプレーンに乗せることで、安定したヘッド軌道と“叩ける”トップをつかみました。

ダウンでは、手元の軌道がプレーンの外側に外れないよう、下側を通すイメージでたぐり込み動作を促していました」

フェース向きは切り返しへの入り方も影響大

森プロ 「スナップ動作の理想形は、フレッド・カプルスやビジェイ・シンが見せるような、インパクト直後に右手のヒラが外れて浮くようなリリースです。この域に近づくほど、フェースターンの動きは自動的に、リピータブルになります。

だから、スナップ動作のスタート時点でのフェース向き=フェースコントロールとなるわけですが、そのフェース向きも事前の動きによって〝慣性〟が働きます」

腰の高さで同じフェース向きであっても、トップで閉じたフェースを維持して下ろしてきた場合と、開いたフェースを閉じながら下ろしてきた場合では、スナップ動作に入る前の〝助走〟が違うので、インパクト時のフェース向きも変わってくるという。

森プロ 「さらに逆算すると、トップまでのフェースの開き方も、切り返し後の動きに影響します。ループ軌道を試すと、フェースの開閉の〝慣性〟がよりわかりやすくなります」

Ben Hogan
ベン・ホーガン(1912~1997)

アメリカ・テキサス州出身。身長173cm、体重68kg。ツアー通算64勝。メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

ホーガンアナリスト 森 守洋

ホーガンアナリスト 森 守洋

ベン・ホーガン(1912~1997)を手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。


【アイアンが際立つ!強いアレンジの作り方】
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