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コースに出ると上手くいかないのは「当て方」が下手だから?!

100切りなんて簡単だ!エージシューターの極意 第19回

2022/12/08 ゴルフサプリ編集部 高橋健二

ゴルフ場

100切りを目指すビギナーから、つねに80台前半で回りたいと思うアベレージまで、ゴルフが上手くなりたい人は必見!エージシューターがやっている練習法や体調管理、スコアメイク術からホール攻略法まで詳しく紹介します。

「振り方」を身につけても、「当て方」が下手だとコースでは通用しない

前回、スイングには「振り方」と「当て方」があると紹介しました。このうち、多くの人が熱心に練習するのは「振り方」のほうです。いいスイングをしているね、と他人から褒められるのは「振り方」がいいのです。

ところが、練習場でいい「振り方」をしてナイスショットを連発しても、コースに出ると必ずしも好スコアに結び付くとは限りません。スイングはいいのに、あるいは練習場ではナイスショットが出るのに、コースに出ると上手くいかない。

そういう人は「振り方」はいいいけれども、「当て方」が上手くないのです。その「当て方」を身に付けるには、練習場でミスショットの練習をするとよい、と前回お話しましたね。

今回は、その「当て方」について、もう少し具体的に説明しましょう。

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「当て方」が大事なのはアプローチとパット

コースに出たとき、「当て方」を考えないと上手くいかない場面はどこでしょうか?振らなくてもいいところ…そう、アプローチとパットです。

グリーン回りのショートゲームは、ロブショットやバンカーからのショットでもない限り、フルスイングはしませんよね。むしろ、どれだけ加減して打つか、がポイントになります。そして、そういう場面でこそ「振り方」以上に「当て方」が大事になるのです。

言い換えると、スコアを作る場面で一番大切なのが「当て方」です。練習場では、「いいスイングしているね」と言われながら、コースに出るとなぜかスコアがまとまらない人は、「当て方」がわかっていない、または「当て方」を考えないでラウンドしている、といってよいでしょう。

「当て方」が下手な人の共通項

パッティング

「当て方」が下手な人にはいくつかの共通項があります。どんなタイプか?一言でいうと、コーチに教えられた「基本」を後生大事に守っている人クソ真面目で応用の効かない人、といったタイプです。

ゴルフスイングは、グリップの握り方にせよ、地面にあるボールを打つ打ち方にせよ、ふだんの日常生活にない動きをするので、「基本」はすごく大事です。だから100を切るくらいまでは、基本に忠実な人のほうが早く上達します。

でも100を切ってからは「基本プラスアルファ」がないと上手くなれません。小学校、中学校では先生の言う通りにしている子供のほうが成績はいいけれども、世の中に出ると学校でいつも教師に叱られていたような生徒が案外成功していたりします。それは、自分で考えて応用力を発揮し、自分なりの方法でプラスアルファの部分を会得するからです。そのプラスアルファ―が「当て方」なのです。

応用力のある人との違いとは

一例をあげると、アドレス時のボール位置について「ドライバーのときは左足カカトの延長線上」、「アプローチではオープンスタンスにして右足親指の前」と教えられると、その位置を頑なに守っている人がいます。前述の位置は「基本」なので、練習場ではそれで上手く打てます。でもコースに出ると、上手くいかないことがある。

そのときに「なぜ?」と考えるかどうか。なぜ?と考えて、自分なりの解決法を見出す人は上達しますが、何も考えずに基本を守り続ける人は「100切りレベル」のままです。言うまでもないことですが、エージシューターに「100切りレベル」はいません。

エイジシュートはだいたい70~80歳代の人が出すスコアなので、悪くても80台で回らないとできません。言い換えると、エージシューターの「当て方」を学ぶとドライバーショットが170ヤード前後でも、80台のスコアで回れるということです。

では、エージシューターの皆さんはグリーン周りの「当て方」で失敗しないために、どのようなことを考えてラウンドしているのでしょうか。今回はパッティングに関して紹介します。

(1)パッティングのボール位置

ゴルフ場,グリーン

最初に、もっとも「当て方」が大事なパットについて話をします。俗に「Driver is show Putter is money」とはよく使われる言葉です。また「300ヤードも1センチも同じ1打」という言葉もよく聞くでしょう。どちらも、ゴルフにおいてはパッティングがいかに重要かということを示しています。

それほど勝負を左右するパッティングなのに、多くのアマチュアはパッティングをかなりいい加減に扱っています。たとえば、パッティングの際のボールの位置。あなたはどうしていますか?

「え、別に。そんなこと考えたこともないよ」

多くの人がそう答えるでしょう。もちろん、なにも考えなくても上手くいっている人はそれで結構です。この項はスルーしてください。上手くいっていない人のみ、読んでください。

パッティングの際のボールの位置は、多くの人が両足の真ん中にボールを置いて、パターヘッドの真ん中(芯)でヒットするようにしていると思います。これは何度も言うように「基本」です。フラットなグリーンのストレートラインではこのボール位置で、このストロークが一番カップインする確率が高いといえます。

でもグリーンは微妙にうねっていて、平坦なストレートラインはほとんどありません。そういうところで、ボール位置が真ん中でもちゃんと入る人は、そのままで結構ですが、入らない人は変えてみたらどうでしょうか。

残り距離が2~3メートルで「右カップの内側」とか「カップの淵」みたいな曲がるにしてもボール1個程度といった微妙なラインのとき、私の場合は以下のようにセットします。

● フックライン:ボール1個、真ん中より右側にセット
● 軽いスライスライン:ボール1個分左側にセット

たったボール1個、右か左に移動させただけで前者は右寄りに打ち出し、後者は左方向に打ち出します。

● 「上りのフックライン」:ボール位置は右足親指の前にセット
● 「下りのスライスライン」:左足親指の前にセット

前者はヘッドをインアウトにこすり上げるようにストロークし、後者はアウトインの軌道でカット気味にストロークします。そのほうが前者は右にフック回転の強い球が出て、後者は左にスライス回転の弱い球が出るからです。

こうしてボール位置を変えることで「当て方」をやりやすくし、出球の方向と曲がり幅をコントロールするのです。

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(2)あえて芯を外してパッティングをすることもある

最近はベントグリーンが普及したせいで、秋から冬にかけては通常の刈り高でもかなり速いグリーンに遭遇することがあります。加えて高速グリーンを売りにしているゴルフ場の下りのラインでは、パターヘッドの芯でヒットするととめどなく転がり、3パット、4パットするケースも少なくないでしょう。

1メートルの下りパットを、カップを外したために4~5メートルオーバーした、というケースは誰もがざらに経験しているはずです。そういう高速の下りのラインでは、わざと芯を外してフェースの端で打ちます。

私が使っているパターはマレット型のセンターシャフトですが、フックの下りのラインではフェース面のトゥ寄りでヒットし、スライスラインではフェース面のヒール寄りでヒットします。フラットなラインで1度試してみてください。

トゥ寄りで打ったボールは右に飛び出し、ヒール側で打ったボールは左に飛び出します。下りの2メートル前後の距離で強く打ちたくないときは、芯を外してフェース面の端を使うことによって、球の転がりだけでなく、曲がりまでコントロールできるのです。

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(3)ラインによってフェースの向きを変える

10メートル前後の距離の曲がるラインのとき、レッスン本では「曲がりの頂点を探して、そこまで打て」とアドバイスしていることが多いようです。ただし、そのやり方だと、曲がりの頂点付近でボールが止まってしまい、残った距離が下りになるケースが少なくありません。

そこで知り合いのエージシューターは、フェースの向きを変えてストロークするようにしています。

● フックライン:フェースを右に向けた状態で構え、ストロークはターゲットラインに沿って(カップに向けて)振る。
● スライスライン:フェースを左に向けた状態で、ストロークはターゲットラインに沿って振る。

というのです。

「曲がりの頂点は、架空のポイントなのでどうしても当て方が甘くなる。その点、ターゲットラインに沿ってストロークすると、カップという明確な目標があるのでしっかり当てられる。しかもフェースの向きを変えることで最初に打ち出す方向を決めているので、距離感にのみ集中できる」というのが、そのエージシューターの弁です。

どうでしょうか。たかがパット、されどパット。基本に忠実に「ボール位置は真ん中」「両腕でできる二等辺三角形をキープしてストロークする」だけを念頭にラウンドしているゴルファーには思いもつかないやり方かもしれません。

しかし「当て方」を工夫すると、これまで苦手だったラインがスムーズに打てるようになるかもしれないのです。なお、繰り返すようですが、この「当て方」の例は、万人に当てはまるものではないし、「こうしたほうがいい」とか「こうするといいよ」というものでもありません。

「パットに型なし」という言葉もあるように、パットはどんな打ち方であれ「入ったもん勝ち」。いまの打ち方でも入っている人は、なんら変える必要はありません。いまの打ち方で、どうやっても入らない人のみ、ヒントにしてもらえればよいのです。

次回は、パット以上に「当て方」が大事なアプローチについて紹介します。

高橋健二

高橋健二

ノンフィクションライター。1948年生まれ。

企業ものノンフィクション「スーパーファミコン任天堂の陰謀」などを多数執筆。趣味はゴルフ。エイジシュート達成者(エージシューター)を100人以上取材し、自身も68歳のとき1度達成している。

なお、エージシューターとは1ラウンド(18ホール)のゴルフで自分の年齢以下のスコアを出したゴルファーのこと。生涯で達成できるゴルファーは非常に少なく、ゴルファーにとっての究極の目標でもある。


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